道はおまえら親子だけのものではない

22年前の春の話。

都立高校の合格がきまり説明会か何かに参加した帰り道、同じ
中学校から進学する同級生は自転車できていました。私ともうひ
とりバス。そこで「三人乗り」して帰ることに。

ツクシの子供が「元気ですかぁ」とあの頃は無敵だったアントン
の突き上げた拳のようにすくすくと伸びる荒川土手の坂道は、
所有者はサドルに跨り、私たちは補助エンジンとして駆け上がり
ます

下りを三人乗りで降りるのはトム・ソーヤに憧れを持った少年
時代にさよならをしていたので、普通にくだります。

事件が起きたのは平地の丁字路。

丁字路の横線部分に向かって走っていたので、自転車の持ち主
は岐路の順路的に右折を予定していました。「丁」の下から上に
向かってというイメージです。

すぐ後ろに乗っていた私はその意を汲んで右に体重をかけます。

すると「前が見えない」最後列が急に右側に傾いた不安さから
左側に体重をかけました。

自転車の持ち主はというと急に右に傾き、次に左へと力が働い
たことへの防衛反応からかバランスを取ろうと真ん中に体重を
置きます。

真ん中、右、左と体重をかけた三人乗りの結果は「直進」。

ガードレールを直撃しハンドルが微妙な角度に曲がりました。

三人乗りは危険です。と、この話をしてからでは説得力は
ありませんが、実際の所、東京都では三人乗りはOKとなって
います。

荷台一人、背中に背負ってならOKというものです。

あの「前カゴ」「荷台」ではありません。

警視庁が「自転車3人乗り容認」に動き出したと報じられま
した。一律禁止もどうかと思いますが、報道の仕方にちょっと
した怖さも感じます。

「三人乗りOKが一人歩き」

という懸念です。警視庁としては「安全な自転車の開発」を
前提条件としようとしていますが、開発にはお金がかかりますし、
また、その結果にできる割高な自転車を買う余裕もないと
「主婦の声」を正義のように報じます。

いやいや。子供の安全と「ルール」です。味噌もクソも同じで
はありません。

車を運転したり、徒歩で歩いていると子供乗り自転車の
主婦は結構危険です。

子供に神経がいき、物理的な負荷のかかっている状態では
仕方なく、特段文句をいうことはありませんが、あえていい
ますと

「道はおまえら親子だけのものではない」

と思うことはしばしば。
もちろん、世の中は持ちつ持たれつですが、近頃

「もたれっぱなし」

な「親」がおおいなぁと感じることが少なくありません。

そこに今回の報道が重なります。

「子供を一人置いて外出(買い物など)して火事でも起きたら」

と正論のようにいいますが、正論はこうです。

「だったらお手手つないで歩いていけ」

自転車は便利で楽だから使うのであって強制ではありません。

ま、しかしだからとって取り締まれというのではなく、
現実的な解決策をひとつ提示してみます。

「自転車三人乗り免許発行」

ってどうでしょう。子育て世帯限定で、警察署や市や区が
連携して講習と実技教習をするのです。講習は三人乗りの
リスクと

「交通ルール(法規)」

をレクチャーします。「とまれ」は自転車も止まるものと
知らない人は少なくありませんから。

そして、免許保持者には

「三人乗り対応新型自転車購入助成」

をします。誰かれ構わずに「ばらまく」のではなく、一定の
要件を満たして「自転車も交通社会のプレイヤー」と意識した
方に助成するのです。

さらに「民間」にも協力を呼びかけます。
スーパーマーケットなどで

「新型自転車優先駐輪場」

の設置を呼びかけるのです。
いかがでしょうか?

足立区は「自転車大国」でえっちらおっちらママが子供
積載して走る光景は日常です。その中でも私の好きな風景は

「溶ける子供」

です。一人が荷台で下の子が「背中」。
この季節、真ん中は暖かいのか「ぐて」っとバターのよう
に溶けて寝る子供をみると頬がゆるんでしまいます。

・・・三人乗り対応車ができるとこの風景がなくなると
ちょっと寂しいかも。

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