石原慎太郎さんの「新・堕落論」では「我欲」についてよりも
「核武装」
についての考察が面白いのです。というのは「核」という単語
だけでアレルギーを起こす時代ではなくなったこともありますが
米国は絶対に、日本に核を渡さないし、日本を守ると信じる方が
お人好しだと喝破します。
その証拠が北朝鮮への対応です。暴発を避けるのは核の抑止力が
働いているからで、これほど明らかな
「核武装する理由」
は他にないというニュアンス。ただし、結論はすなわち核武装
ではないので、その論旨での「コピペ」しなでくださいな。ただ
日頃、私のメルマガやブログを読んでいると大筋同じですが、
自民党政治家としてみてきた舞台裏からの論旨は明快です。
で、しつこいように「新・堕落論」を紹介したのは、核武装や
安保にたいして正反対から意見を述べているのがケビン・メアさん
の「決断できない日本」だからです。
「沖縄の人々はごまかしとゆすりの名人」
といったとされ更迭されたアメリカ人といえば思い出すでしょ
うか。メアさんは発言を「でたらめ」と退けます。
更迭されたのは東日本大震災の前日。そして翌日から、メアさん
は「トモダチ作戦」の調整官として被災地救援と原発対応の米国側
窓口として日本に手をさしのべました。
もし、沖縄で、あるいはゆかりの人が、メアさんの発言と信じ、
好ましからざる感情を覚えているのなら、是非、本書を手に取り
彼の「言い分」に耳を傾けて欲しいと・・・日本人として願うば
かりです。
主張の「さわり」を述べれば、発言を報じた共同通信の記者と
発言をまとめた学生は親しく、報道も学生も「証拠」をもって
おらず、それはメアさんも同じで、水掛け論に引きずり込まれた、
つまりは「嵌められた」と。
ただ、沖縄県の人にとって「耳の痛いはなし」はしています。
アメリカ人的にいえば当然コトでも、戦後日本的、日本の報道
としては「ナイーブ」な問題で、奥歯に物を挟むのが作法となっ
ていることを率直に述べていました。
ちなみにメアさん、「ゆすり」という日本語を知らなかった
そうです。そして奥さんは日本人。
しかし、本書の面白さはここではありません。
まず、東日本大震災の米国側から見た裏側が語られます。
東電と菅直人のドロのなすりあいを淡々と。
後半にいよいよ「日米同盟」が登場します。
これが慎太郎ちゃんと正反対。
米国はトモダチを見捨てない・・・と。
私はメアさんの正直な告白で、充分にたる証拠ももっているの
であろうと見ています。だが、それを鵜呑みにすることはできません。
それは見捨てないの言葉に隠された国際常識からです。翻案
するとこう。
「米国は価値あるトモダチなら見捨てない」
そして石原都知事は「自衛」を語り、メアさんは「同盟」の
堅持を主張します。あわせて読むとより面白いです。
■新・堕落論 我欲と天罰
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■決断できない日本
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