三夜にわけて読みふけり、その度ごとに涙が止まらず、四日目の
朝には両目が腫れてひとえになっていました。
いま、紹介のために数ページめくっても涙腺が刺激され、本を
閉じます。
男が泣くことは恥ずかしいこと、そう育てられました。しかし、
誰かのために生きる人の姿に、涙を流すことを誰が止められるで
しょうか。
タイトルにあるように東日本大震災の当事者でもある自衛隊の
エピソードをまとめた本です。
その過酷な任務中に「公務員給与の一律引き下げ」が政府から
発表されました。わたしは憤りました。命を賭して戦っている
自衛隊まで一律の対象です。法令上仕方がないとは言わせません。
非常事態宣言を出せば法を越えられたのに、法に甘えようとし
たのが菅直人と不愉快な仲間達だからです。
しかし、本書を読んで我が不明を恥じます。
我ら同胞のために泥にまみれ、余震と津波に負けない自衛隊員に
与えられるべきは「名誉」であろうと。銭金ではなく。
一説を紹介します。
「自衛隊が見放してしまったら、頼るところはどこにもないんです。
われわれがやらなければ!」
過酷な状況で誰も休ませて欲しいといわず、残留部隊からも
いますぐ現地に駆けつけたいという声が絶えなかったといいます。
そしてこれを聞いた指揮官はクギを刺します。
「自衛隊が感謝されるのは国民が不幸な時だ。
決しておごるなよ」
本来の職能である「武力」を行使する局面も同じです。
■日本に自衛隊がいてよかった 自衛隊の東日本大震災
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