戦慄のルポルタージュ。仕事をひとつ、すっ飛ばして(後にフォロー)一気に読了しました。
実際の高校でおきた
「部活内のイジメによる自殺」
という報道先行の事件の真実に迫ったものです。
「加害者」とされた部活の先輩、指導者、担任教師、その周辺人物を丹念に取材し、事実を炙り出していきます。
ただし「被害者」の側のコメントは不十分。なぜなら、なくなった本人はともかく、その母親や、その親、つまりは祖母や親族が取材に応じないからです。
悲劇の身内が語りたくないという気持はわかりますが、著者の感覚としては「関わりたくない」というもの。
一方で自殺した生徒の母親は、加害者とされる先輩や担任、校長を相手取って損害賠償請求を起こします。
いまも現役教諭である恩師は、いまはすぐに裁判を起こそうとする親が多く、訴訟リスクを考えれば、教師なんてやってられない、事なかれ主義になるのは当然だと吐き捨てます。
しかも「イジメ自殺」は、毎日新聞の記者によるスクープの色彩が濃く、ところがこの記者はその後、口を閉ざし、追撃するかのように「週刊金曜日」にルポを寄稿した鎌田慧氏は、著者の取材に答えようとしません。
イジメとの発信に、長野県議が絡み、人権派弁護士が参戦し法廷闘争に発展し、追い詰められた学校と保護者は反撃にでます。
裁判結果という公知の事実なので結論を述べれば、学校・保護者側の全面勝訴といって良い内容。
あまりにもな被害者母のモンスターマザーぶりによります。
学校が巻き込まれた悲劇といっても良いのですが、なにより戦慄するのは、モンスターマザーはあなたの隣にいるかもしれない、という事実です。
パヨ界隈の騒動にどこか重なります。
■モンスターマザー―長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い
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