セカンドライフ考。動く映像は換金しやすい

今日は久しぶりに本業に絡んだ「言えないこと」。

昨今メディアを賑わす「セカンドライフ」というネットサービス
をご存じでしょうか?

アメリカのリンデン・ラボ社が開発したサービスで、ネット空間
に自分の3D風のポリゴンの分身をおき、それを操り社会生活を
営むというものです。

この手のサービスの説明をしてもっとも困るのが

「目的は?」

というもの。

答え、ありません。

コミュニケーションや空間自体を楽しむものであって、そこで
何をこうしなければと言うものはありません。

ファイナルファンタジーのように魔法が使えるわけでも、
ドラゴンクエストのように会心の一撃もないのです。

はっきり言いましょう。日本では流行りません。
面白がりの一部は参加するでしょうが、国民性の違いです。

ルールを作るのが好きな国民性のアメリカ人にとっては、一般的
なゲームに存在する目的すらもある種の規制と感じ、その対極の
無目的空間にフリーダムを見いだしたということです。

日本でも「殺人ゲーム」として話題に上ったゲームソフトも、
普通に操作をすればそれなりのゲームだったのですが、自由度が
高かったことから、リアリティの設定のための通行人を

「ひき殺せる」

ことを発見してそこが注目されたこともこのためです。

私が「マック(マッキントッシュ)」に惚れた最初の理由は

「シムシティ」

というゲームがありました。
街の施設を効率よく配置して発展させていくゲームなのですが、
これも目的はありません。

とにかく街を作っていくだけのゲームです。

その後、「PC9801版」もでたのですが、画質のきめ細かさ
処理の速度のどれをとってもマックの方が「クール」でした。

スーパーファミコン版などもでて、一定のファンのいるゲーム
ではあるのですが、いかんせん大ブレイクとはいきません。

目的が設定されないと燃えない国民なのです。

話が逸れますが、「アジアカップ」「北京五輪」「ワールドカップ」
と直近の目標がないと盛り上がらない(我が家的には常に臨戦態勢
ですが)サッカー日本代表のにわかサポーターも同じ心理構造です。

セカンドライフに話を戻します。

仮想空間に自分の分身を置くことにより、コミュニケーション
ツールとして使う人はでてくるかも知れません。

しかし、これとてミクシィ中毒になったような人たちが、移籍
するだけのことで国民を巻き込んだブームになるかというと、
首をかしげます。

どちらかという情緒が安定しておらず、現実と仮想を混同し
やすい小中学生によって

「仮想空間虐め」

に発展するのではないかという危惧があるくらいです。

ところがメディアは「大ブレイクか!?」と囃し立てます。

理由は「金儲け」。

セカンドライフの中では「リンデンドル」という通貨が流通して
おり、経済活動も行えます。

アメリカでブームになったときに、セカンドライフ内で
Tシャツを販売した人が大もうけしたといいます。

ここに夢を見ようというのもありますがさにあらず。

ネット屋さんはいいます。

「動く映像は換金しやすい」

グーグルアースが、マップが衝撃をもって受け入れらたのは
グリグリ動くことが大きな理由です。

セカンドライフは自分の分身が動きます。
ネットに詳しくない人にとっては未知との遭遇、衝撃の
未来映像です。

まぁ騙しやすいのですね。
悪意があるとは言いませんが、定着するかしないかわからない
サービスを客に勧める行為をどうとらえるかということです。

可能性を提示して、そこに客が金を出しているということ。

馬券売り場の予想屋さんと二重写しに見えるのですが。

そしてセカンドライフが喧伝されるもう一つの理由は

「土地」

という概念がジャパニーズビジネスマンには腑に落ちること
です。

セカンドライフという仮想世界では土地の所有が認められて
おり、貸し借りも売買もできます。

そして我が国にはいまだ「土地神話」が語り継がれ、公示
価格も二極化が進むとはいえ完全にバブルとなっています。

購入代金も大企業にとっては耳かき程度のはした金で
買えるものなら買っておくのは自明でしょう。

そこにネット関係者が群がり、ネットと融合を画策中の
メディアがもり立てているという構図です。

更に言うとメディアは既得権益で商売道具が成り立ってい
るのでこういった話には敏感で、何でも絡んでおきたいと
いう修正があることが拍車をかけています。

メルマガの時は相手にもせず、ブログは

「素人の記事を誰が読むか」

と馬鹿にしていて、今度はSNSだと食いついた頃には
ピークアウトしており、Web2.0はその実態のなさに
どうすることもできずに立ちつくしていた、大企業様と
大メディア様のリターンマッチ。

本家アメリカの盛り上がりと、日本の盛り上げている
セカンドライフとはその本質が違うということです。

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