社員を安くこき使ったブラック企業の自業自得とみるとクビ締める

アクリフーズの冷凍食品への農薬混入事件の容疑者が確保されました。確保されたとするのは、任意の事情聴取の後、逃亡していたからです。状況証拠からは、ほぼ真っ黒ですが、まだ「容疑者」。にもかかわらず、人物の周辺情報を垂れ流すことは人権侵害にならないのかと首をひねります。

阿部利樹容疑者を庇うつもりはありませんし、「ワンピースのコスプレ」とする付随情報からさもありなんと同意しますし「ルックルックこんにちは」をみて育った世代特有の、下世話な好奇心から周辺情報は大好きです。ただ、日頃「人権」を錦の御旗と掲げる電波芸者(テレビコメンテーター)にいかがなものかと。

本事件において、阿部利樹容疑者は職場への不満、おもに待遇面に不満を持っていたと言います。これを受けて、テレビ朝日『モーニングバード』において、宮田佳代子嬢は

“(監視や制度などの)システムだけではなく、社員の気持ちをくみ取れる仕組みの拡充が必要(発言要約)”

と発言します。テレビを「聞き」ながら愛犬の散歩をしています。そして匂い漂う「落とし物」を拾いながら吹き出しそうになります。

番組の構成は、容疑者が契約社員だったことから、格差社会への批判に結びつけようとする流れが見えましたが、集めた阿部利樹容疑者の周辺情報からは同情の余地が見えず、苦心している様子から、こうした叙情的な発言でお茶を濁したのでしょう。ちなみに格差社会への批判は、安倍政権への攻撃で、都知事選挙における細川護煕のバカへの側面支援もあり、左翼陣営は隙あらばと罠を仕掛けるのは、NHK新会長へ「慰安婦」の質問からも明らかです。

さて、とても残酷な発言をしていることに、宮田佳代子嬢は永遠に気がつかないのでしょう。

社員があっての会社です。しかし、それは会社に協力してくれる社員に限定されるものです。周辺情報に依れば、阿部利樹容疑者はあとから入社したものに給料を抜かれたなどと待遇に不満を訴えていました。

会社はバカではありません。能力に給与を支払います。つまり給料は容疑者の能力を代弁します。ならば、利己的な主張が受け入れられないことを不満に思うほうが悪いのです。

それを「会社側も悪い(のではないか)」というニュアンスで語る宮田佳代子。これが残酷であるのは、仮に宮田氏の主張をなるほどと頷く経営者が現れたときに、講じる対策はこうだからです。

「不満を訴えた契約社員はクビ。不満を言いそうな契約社員は社員に登用しない」

消費者からの訴えがあった時点での対応や、発表時の被害を過小評価したなどアクリフーズに問題が無かったとはいいません。しかし、アクリフーズの田辺裕社長だけではなく、親会社のマルハニチロHDの久代敏男社長も、年度末をもって「引責辞任」することになったのです。

社長退任そのものは既定路線だったとはいえ「引責」を明言し、さらには子会社との合併により生まれる新会社の相談役も辞退しました。

これをうけてネットの住民の中には、

“社員を安くこき使ったブラック企業の自業自得”

と嘲笑の声も散見しますが、それは負け犬の遠吠えというか、自由経済の原則を知らず、社会は日教組の活動家が支配する小学校の学級会のように「平等」だという洗脳が解けないカルト宗教の信者です。

その会社を選んだのは自分であり、自己決定の責任を負うことを「自己責任」と呼び大人を満たす要件のひとつです。すでに指摘したように給与、もちろん時給も、その人の能力を表すもの、あるいは近似値であり、49才で契約社員(アルバイト)という立場だからと同情できないのは、大型バイクを乗り回している時間に、本の一冊でも読み、スキルアップを図ったのかという疑問が残るからです。

先の引責辞任を発表した、二人の社長の人柄は存じませんが、『名言DB』というサイトにあった久代敏男社長の名言にこんなものを見つけました。

“人事課長になって約10人の部下を持ったとき、私は毎日どんな言葉でもいいから一人一人と言葉を交わそうと決めました。朝なら「おはよう」、とくに用事がなくても「最近どう?」「元気か?」と声をかける。基本的なスタンスは、経営者になったいまでも同じです。社員と話すときは、社長室に呼び出すのではなく、できるだけこちらから出向いて、周囲にも積極的に声をかける。そうやって相手に関心があることを伝えていきます。http://systemincome.com/18862”

報道されている事件の動機からみれば皮肉な内容ですが、これを実践してきた人だけに「引責」の必要性を感じたのかもしれません。ならば労働対価はイコールではありません。

「自省」は個人差により、己を責める人間性がない経営者はどうするか? 先に指摘した通り、不満分子を排除するようになります。いつでも切り捨てられるような雇用契約=契約社員やアルバイトを中心とし、社員登用の際は「イエスマン」を採用条件とするでしょう。

報道通り、阿部利樹容疑者が犯人であるなら、ひとりの「キチガイ」による特殊ケースで、見直し改善に取り組むとしても、一般例として取り扱うべきことではありません。社会を「キチガイ基準」にすることで、迷惑を被るのは真面目に働く一般市民です。

宮田佳代子氏の発言は、弱者を救うようでありながら、弱者を追い詰めることになるのです。という自覚は電波芸者にはないのでしょうが、キチガイを標準化しての議論がテレビには目立ちます。

※アクリフーズをアグリフーズとしていました。訂正しております。お詫びを添えて。

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