我が町足立区より選出された都議会議員のブログが炎上しており
ます。例の「エロ漫画規制」によるもので、炎上している状況を
以下にまとめます。
1:条例反対派が主張
2:陳情に行った漫画家のことをブログに晒したことへの批判
大別するとこの2点、「1」については言及しません。理由は
なんどもこの問題については取り上げているので時間を省略します。
そして「炎上ブログ」に書き込まれた賛成派の意見を一文字も
斟酌しないかのような思考停止状態と、
「拡大解釈」
「恣意的運用」
「表現の自由が殺される」
というリスクだけを過大に過剰に脳内暴走させる病的な被害妄想に
付き合う時間は、この師走どころか、商売人が暇になるニッパチに
探すことも困難です。あしからず。
ただし、ひとこと。
「敵を知り、おのれを知る」
このスタンスに立たない限り、建設的な議論にはなりません。
これに対して「一方的に採決したのは賛成派だ」という主張には
ぷっ、と吹き出すことでしょう。その採決をしたのは都議会議員で
都議会議員は我々「都民」が選んだのであり、それが間接民主主義
なのですから。
私はこの都議ブログ炎上についてゆらぐ民主主義を見ました。
そして、問題視するのは「2」についてです。事実誤認から
感情に火がつき、ブログが炎上するのは日常茶飯事ですから、
これをもって「ネット世論が」とステレオタイプの批判はしません。
また、本稿執筆現在、書き込みは削除されていませんので、
実際を見た上で、個々人が判断されれば良いと考えております。
その書き込みもまた「表現の自由」であり「思想信条の自由」
という憲法に保障された権利ですから。
ここからはそれぞれご本人と関係者のブログやツイッターといった
「公開情報」と、都議の関係者への取材をもとにした「事実関係」
です。
都議会議員は自民党所属「三原まさつぐ」さんで、そもそも条例
には賛成の立場です。
事務所に電話がありました。電話口で「竹下登の孫」と名乗り、
漫画を描いているといいます。そして「条例に反対して欲しい」と
「陳情」します。
本旨からずれるので都議とのやり取りは割愛しますが、この
漫画家さんは名前を名乗らなかったと都議の関係者は語ります。
そして都議と漫画家に面識はありません。
さらに述べれば都議は、ネット情報などをみた支援者から
この漫画家の「名前」を告げられても知らなかったとのことです。
炎上しているのはこの「電話」でのやり取りをブログで紹介
したことを「晒した」ことを軸に様々な「主張」が展開されて
います。
この漫画家さんの「許可」を得ずに記事にしたことへの疑問
は私も感じます。物書きの末席にいるものとして、情報提供者や
取材源については守らなければならないのは当然のことで、
自分の考えと違うという理由で「晒した」というのであれば
言論による暴力で、それを許せばメディアは「暴力装置」と
・・・あ、すでになっていますね。
コホン。ま、あとは「矜持」の問題ですが、疑問を覚えた
ときの「思考実験」として、当事者の立場に置き換える方法が
あります。
まず、都議さんから。
既に述べたように「情報源」の許可なく、ブログに記すこ
とは理解できませんが、仮に「漫画家」と名乗ったことに
都議が「義気」を感じたのであれば、
「反対活動をしている漫画家がいる」
と紹介することで、立場は違えど相手を評価し逆説的に
エールを贈っているとみることも不可能ではありません。
これを「屁理屈だ」というあなたは私の「思想信条の自由」を
犯していると自覚すべきです。あくまで「思考実験」なのです
から。
一方、私が「漫画家」で「陳情」したとします。それが都議
によりネットで晒されたとして何を臆することがありましょうか。
表現の自由を守る尖兵として規制派の矢に刺され、刀で切られ
死することがあっても本望と思うのが男子の本懐・・・って
後に述べますが、この漫画家さんは女性らしいので、ここは
やはりイヤなのかなぁと軌道修正したとしても・・・漫画家
も人気商売で名前が世間に露出することを嫌うのは解せぬ話し
で、
「漫画家として陳情」
したことを晒されて困ることは私には理解できませんでした。
そしてひっかかったのが
「竹下登の孫」
とだけ名乗ったことです。つまり
「竹下登の孫の漫画家」
この時点で、「影木栄貴」さんとわかったあなたはかなりの
漫画通かバラエティ好きでしょう。この件で、私の周辺で
調べたところ認知度はゼロでした。そしてこういうと理解を
示します。
「DAIGOの姉」
あのタレントのDAIGOさんのお姉さんとして「躍る
さんま御殿」などでときどき見かけます。DAIGOさんが
「竹下登元首相の孫ネタ」でブレイクする前からおもしろい
「キャラ」だなと見ていたので、DAIGOさんはミュージ
シャンという表記のほうが正しいというファンの突っ込みは
謹んで辞退します。
話を戻します。そして民主主義の根幹への疑問です。
「竹下登の孫ってそんなに偉いの?」
と、その前に影木栄貴(えいきえいき)さんというのは
ご本人が表明されているわけではなく、名乗らなかったの
ですから都議さんのブログにあるわけでも、関係者から
伺った話でもありません。
ご本人はそれと「匂わせる」ブログは書いており、炎上中の
書き込みにも散見しますが、影木栄貴さんの「ご学友」で
あらせられる某全国新聞の記者さんの「つぶやき」から、
影木栄貴さんであろうと判断しています。
すると「竹下登の孫」となぜ名乗ったのでしょうか?
ここを解くヒントは影木栄貴さんのブログにありました。
■子蔵屋日記 影木栄貴と蔵王大志の不定期メモ。
「とりあえず。影木」より抜粋
<前略>
先日も今後のために某国会議員の先生に
お話をきいてもらいに行ってきました。
竹下亘おじさんが本当親身になって話を聞いてくれて、
アポなどとってくれました。
<後略>
http://blog.livedoor.jp/eiki2/archives/50965748.html
前略にて「反対活動」していたことに触れ、後略で件の
都議について「残念な方々」と表記しています。
このブログだけならさほど気にならないのですが、
三原まさつぐさんへの「電話陳情」でのやり取りと重ねると
こんな図式が浮かんでくるのです。
「竹下登の孫といえば誰もが平伏す」
ちょっと、炎上中の書き込みの真似をして被害妄想気味に
表現していますが、つまりはそこに
「特権意識」
はなかったのかということです。あるいは竹下亘さんの
名前と「アポを取ってくれた」という記述から、こうも
見とれます。
「特別な便宜をはかる」
ちょっと想像してください。足立区の八百屋の息子に生まれ
た青年が東京都の条例に反対しようとして、いきなり国会議員
に会えるものでしょうか。もちろん、「親戚の伯父さん」なら
可能かも知れません。そして、その伯父さんが
「国会議員という地位を利用」
して関係各所にアポを取ってあげたとしたら。さらにここで
妄想を爆発させると
「その活動により条例が否決された」
としたら。政治は密室で、あるいは国会議員の係累により
左右されるということです。そのとき、民主主義は死にます。
完璧ではないにしろ「民意」をもとにルールや仕組みを決めて
いるのです。「元首相の孫」だからなんだというのでしょうか。
だからいいます。
「竹下登の孫ってそんなに偉いのですか」
仮に竹下登さんが黄泉の国から生還を果たしたとするなら、
過去の功績からも一定の重みのある意見となるでしょう。あるい
は政治家になられたご子息なら、血縁とは関係なく意味があります。
しかし、「孫」です。さらに重ねれば、漫画規制条例の
「利益当事者」
です。利益当事者として活動することは当然の権利とご自由に
なさって結構ですが、
「竹下登の孫は関係ない」
のではないかというのが私のこの騒動の「本質」にしなければ
ならないポイントだと思えてなりません。
「俺の兄ちゃん、もと●●エンペラーの総長だったぜ」
というヤンキーならかわいげもありますが、
「俺のじいちゃん、もと●●エンペラーの総長だったぜ」
と粋がったとすれば瞬殺されることでしょう。しかし、政治の世界
でこれが通るとすれば恐ろしい話しです。
なぜなら、今回の発端は漫画規制と表現の自由を絡めたものですが
その逆も真なりで、どんな暗黒的な規制がなされても通ってしまうの
です。
「市民の付託を受けていない竹下登の一族の主張で政治が決まる」
三原都議が賛成に廻ったから可決されたわけではありませんが、
ある意味「竹下登の孫のお願い」にぶれなかったところは、民主国家
にとっての朗報だというと言い過ぎでしょうか。
日頃、政治家に厳しい「ネット世論」が都議擁護に廻らないのは
都議が匿名の陳情をブログに書いたことへの拒否反応からで、なに
より
「匿名性」
を絶対と思っているのでしょうが、私には匿名性より
「民意が反映される仕組み」
のほうが大切です。だいいち、ネットの書き込みは「IP」が
割れているので、警察が本気を出せば2〜3日で個人を特定できます
からね。
それでは孫と名乗らずに「漫画家」ならば、先ほども述べたように
「職業」への「矜持」があるのなら、晒されることを怖れる必要は
ないと考えますが、これは個人の「信条」にもよるので、晒した
都議にイヤミぐらいは言ったかも知れません。しかし、「孫」と語った
目的と真意は分かりませんが、いい年した大人がこれを持ち出した
時点で「痛み分け」と見ています。
そしてここまで書いて、なんですが影木栄貴さんは、次の
ブログで
「話を聞いていただくため(ブログより引用)」
とのこと。確信犯ですね。
■前掲サイト「とりあえず補足」
http://blog.livedoor.jp/eiki2/archives/50965980.html
だから最後に述べます。
「竹下登の孫ってやっぱり偉いんですね」
生まれをだすだけで関係各所が「自動ドア」になるのですから。
ま、もっともこれは「マスコミでは言えないこと」なだけで
当たり前のこと。この国には生まれによる「身分」が残っている
のです。
人は生まれながらに差別されてはならないのでしょう。
しかし、日本では有力政治家の子孫となれば各所に自動ドアが
できるようです。
差別はされませんが、優遇されている人はいるようですね。
と、いうわけで以下の本は途中ですが、紹介します。
「こんな日本をみたらどう思うのかと」