貿易赤字からアベノミクス批判への無理な論法

 左翼がどうして「卑怯」なのかの結論が出ました。左翼という表現には各国、それぞれの思惑がありますが、日本においてはマルクスレーニン主義の流れを組むものを指すのが一般的で、本稿も同じです。すると謎が氷解します。

 日ソ不可侵条約を一方的に破棄して侵略したソ連。その土壌となったロシア帝国を、司馬遼太郎は『坂の上の雲』のなかで、裏切り者としてヨーロッパ中から信頼されていなかったと描写しており、現代ロシアにおいてもサハリン2が奪われたことは記憶に新しい所です。

 イデオロギー的な本質は帝国主義ですが、制服だけは同色を身にまとうのが中華人民共和国。ある意味、正当継承者というか、のれん分けというかしたのが北朝鮮で、ついでにその北朝鮮のシンパ(工作員)が事実上の支配に成功したのが南朝鮮、いわゆる韓国です。

 そして結論に至ります。「卑怯」という概念がそもそもないのです。日本人がいままで、事実無根と薄々気づきながらも、いわゆる「従軍慰安婦」を騒ぐ韓国を放置していた理由のひとつは、「奴隷」という概念が文化的に理解できないからです。

 欧州諸国までが「従軍慰安婦」に目くじら立てるのは「奴隷」という概念を理解しており、英訳では「性奴隷」として拡散されているからです。

 また日本ではあたりまえの「赦し」という概念も世界では希有で、罪は未来永劫まで背負い続け、子々孫々まで累が及ぶので、「皆殺し」という習慣が今でもいきており、独裁者の末路が銃殺刑となるのもこの発想の延長にあります。

 だから「卑怯」という概念がないものに「卑怯者」といっても侮蔑になりません。そして善意を持って人と接し、卑怯を理解する日本人は、堂々と卑怯な論法を展開するものをうっかり信じてしまうのです。これが戦後の日教組教育を根付かせてしまった理由のひとつと私は見ています。

 アンチ自民のアジテーター(工作員)に成り下がった玉川徹。朝日新聞社系列のテレビ朝日社員という立場で見れば成り上がったのでしょう。朝日新聞の社是は安倍晋三抹殺ですから。風説ではなく、政治評論家の故 三宅久之をはじめ、いくつも証言があります。

 さりげなく反日、アンチ自民、頑張れ民主党(左派)を織り交ぜる偏向報道に定評のあるテレビ朝日『モーニングバード』。玉川徹氏がニュースのキーワードを取り上げて掘り下げるという企画で、本日は「貿易赤字」を取り上げていました。

 アベノミクスを批判します。

金融緩和→円安誘導→輸出増→賃上げ→景気回復

 記憶を頼りに書いていますので、間違いがあればご指摘お待ちしておりますが、これを循環図にして紹介し、

「輸出が伸びずに貿易赤字になった=すなわちアベノミクスの失敗」

 という論を展開します。

 金融緩和はインフレターゲットです。初手から卑怯な論法です。単純にいえば、金融緩和とはお札をガンガン印刷し、市場にばらまくことで、金余りのインフレを目指すものです。その結果、円の価値が希薄化し、円安が期待され、強い相関関係はありますが、あくまで副次的に過ぎません。円を大量増刷しても、日本や日本企業の実力が高いと評価されれば、それでも円は買われ効果は相殺されるので、完全リンクするものではないのです。

 つづいて貿易赤字とは輸入超過、これは単純な算数で、やはり「燃料費」の増加は避けて通れず、脱原発放射脳の玉川徹氏とテレビ朝日がどう処理するかに注目します。しかし、いつも思うのですが、脱原発すれば電気不足か、節電は避けられないので、電気が必需品の「テレビ朝日」自身が率先して、深夜や日中のテレビ放送を中止してみせれば良いのに、卑怯の概念を持たないので、そんな発想には至りません。

 これもとっさのメモ書きなので以下同文。2010年から2013年の輸入燃料費の増加は10兆円にのぼるとし、原発停止による「量」の増加は2兆円に過ぎないといいます。

 玉川徹氏はつねづね公務員宿舎や無駄と思われる予算については、わずかな額でも噛みついていたのに、原発に不利な情報にふれると「2兆円に過ぎない」と見せるテクニックは学びたくもありません。

 内訳を見れば単価の上昇が6.1兆円、為替によるものが・・・メモが間に合わなかったので、算数により・・・1.9兆円。つぎに2012年と2013年を比べ、量の増加は1.3兆円とし、最近の石炭価格は下落傾向にあると情報を挟み、残る理由は「為替」だけとなり、つまりは

「円安を目指した金融緩和、すなわちアベノミクスの失敗ではないか」

 と結論づけます。

 貿易とはビジネスです。原発による発電に枷がかかった日本は、化石燃料を輸入するしかないという状況は、世界の資源国にとって美味しい話しです。そして昨年の頭ぐらいまでは世界的に資源価格が高騰していたので、足元を見られるのは当然です。

 そしてこれまたそもそも論になるのですが、民主党政権時代の超円高から比較して、安倍政権下ではおおよそ2割の円安で、それにより為替負担が増えているのは事実です。しかし、脱原発による2兆円分の燃料輸入量増加がなければ、為替負担はそのぶん抑えられることには触れません。あるいはこういうのでしょうか。

「輸入燃料全体に対してだから、原発が動いていても輸入していた燃料費に発生する為替負担だ」

 このレトリックは電卓で証明できます。為替についてはバラツキが激しいので、2010年と2013年の12月で比較すると83円と103円。1.24倍です。

 先の単価の上昇6.1兆円+量の増加分2兆円=8.1兆円。これに1.24をかければ10.05兆円。近似値です。ちなみに2012年のエネルギー輸入額は24兆円。震災前の2010年は17兆円。

 ともかく

「円安により燃料調達コストが上がり貿易赤字になった」

 という結論は、事実の一部ではありますが、全体を表すものではなく、そしてアベノミクスの失敗、安倍政権の失敗と結論づけるのはお馬鹿の所業です。っというか、アベノミクスのツッコミどころは他にも沢山あるのに・・・と、そこをつつくとスポンサー企業のご機嫌を損ねかねないので沈黙を守るのでしょう。

 そして結論へと向かう中で、円安で輸出が伸びないのは産業空洞化としながら、貿易協定のからみによる生産拠点の多国化と、民主党政権時代の超円高の放置により加速したことには触れません。

 海外は日本経済がそれでも頑張ると見ていたのに、どうやら違うぞと見始めて、株が下がっているという見方もあるとぼかしていますが、今年に入ってからの株価の下落は、表向きは米国のテーパリングによる金余りからの路線変更と、マーケットで囁かれているのはヘッジファンドの手じまいで、具体例を示さずに「どうやら違うぞ」と抽象的に外国人の気持ちを代弁して批判へつなげるのは朝日新聞がよく使う卑怯な手口・・・あ、関連会社でした。

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