手軽さと映像を偏重する体質

2月16日と18日に起こった二つの事故について読者から
質問がありました。

事故1.エクアドルでの列車事故
事故2.大阪でのスキーバスの自損事故

この二つの事件のメディアの取り扱いの違いについてです。

エクアドルでの列車事故は、走行中の屋根の上に乗って周遊が
できる鉄道が町中の電話線に接触し引っ張られ、電柱が倒れてき
てました。残念ながら日本人二人がお亡くなりました。

そして大阪でのスキーバスは大きく報じられているので、ご存
じでしょう。

読者の疑問は

「海外での邦人事故・事件は詳報が伝えられるのにどうしてだ」

というものです。

確かに該当日の新聞をチェックすると、17日の夕刊社会面に
ちょろっと報じられているだけで、翌朝刊に続報はありません。

一方のスキーバスは「過剰労働」などを切り口に、今日もまだ
報道され続けています。

両者の違いについて「ミヤワキ流」の解釈を教えて欲しいという
ことで、非常に面白いサンプルなので取り上げてみました。

エクアドルの方は単純な事故と見られています。
もちろん、エクアドルの鉄道会社の不手際などを追求すれば
ボロもでるのでしょうが、いかんせん南米です。遠すぎます。

これがブラジルならば「特派員」がいて中継をだすこともでき
ますがエクアドルです。

ツアーの主催者は「阪神電鉄」ですから、企業保護のために
メディア規制をしたのでは? と邪推もしたくなりますが、
現地の電話会社が「勝手に張った電線に引っ掛かった」のですから
阪神を責めるのはさすがに酷というものです。

まして「南米か!」とタカアンドトシのように、国情による
ものとネガティブキャンペーンを貼ると、外の旅行代理店にまで
波及しないとも限りません。

そして何より。

「絵(映像)」

がないのです。
特にテレビは「映像」がないニュースは流さない傾向があります。
そして事故などの場合、「背景取材」が必要で「映像」がないと
なると最悪な素材(ニュース)となるのです。

そこにスキーバス。

しっかりと「事故映像」があります。
周辺取材・・・というより警察発表だけで

・亡くなったのは16歳の添乗員
・添乗員はドライバーの実弟 

とスキャンダラスな香りが漂います。
そして「識者」に訪ねるだけで

・4時間を超えるドライバー勤務は2人以上が原則

と「違反」がわかり、

・更にドライバーも添乗員も社長の息子

となれば、どらちが「面白い」でしょうか?

ついでにいうと、昨今「格差社会」とも絡めることができる

「規制緩和後に参入したバス会社」

で零細企業です。

手軽でのちのちトラブルを生み出す可能性も低く、色んなネタに
派生させることができ、なにより

「手軽に取材ができる」

のです。
現地取材したわけではありませんので、あくまで「私感」ですが

「手軽さと映像」

を偏重する体質は「あるある発掘されちゃった大事件(大辞典)」
となったあれと同じです。

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