産経新聞、金曜日の連載「ニッポンの議論」。今朝のテーマは「子供医療費の無償化」について。無償化をガンガン進めよという阿真京子氏と、無償化はそもそも禁じ手の立場の小野崎耕平氏。私が取材を受けたときは「金曜討論」でしたが、対立する立場からガンガン意見を述べる名企画。
ただ、今回はやや残念。というより、この手の子供や医療、労働問題も含め、福祉的な話題を取りあげるとき、メディアは「現場」を映しださないので、実体と乖離した議論になってしまうこと。
我が町、足立区も子供医療費は無料で、親はそれを喜びます。一方で財政負担は増し、それは子供のいない我が家も担います。「子供は社会で育てる」という民主党政権のトンチキな主張は、実のところすでに実践されているのです。そして、その事実を知らず、感謝すらしない親子も増えています。
それでは子育て現場で、子供の医療費無償化はどう使われているのか。足立区ではなく近隣の話しですが、擦り傷程度でも病院に通わせる保護者が増えています。ジョンソン・エンド・ジョンソンの「キズパワーパッド」のような優れた絆創膏が市販されていますが、病院に行けば無料です。なお、包丁傷など、幹部を流水で洗い流した後、すかさず「キズパワーパッド」を貼ると、数日後には何もなかったかのように修復します。キレ味がするどければ翌日にはひっついています。
些細な風邪でも病院に行かせます。だって無料。歯医者も同じ。悪いことではありませんが、窓口では無料でも医療機関は保険請求で、つまりは税金から支払いを受けます。
さらに「にきび」もいまは皮膚科に行くのが当たり前。それも軟膏を塗るレベルではなく、美容整形でも使われるレーザー治療が行われています。ニキビは要するに潰すわけですが、跡が残らないように真皮層に働きかけるレーザー照射でツルツルの美肌へ。これも無料。
子供を思えばできるだけのことをしてあげたいと思うのが親心ですし、目くじら立てるのも大人げないとは思います。しかし、子供医療費が無償であることを「当然の権利」と思っている親が激増しています。それは仕方がありません。子供が生まれてから、一度も医療費を払ったことがない親なのですから。
それに加えて「子供手当(児童手当)」も貰っている訳ですからね。
医療費の無償化を認めるにしても、高額医療費制度のように、子供手当を上限とするとか、あるいは窓口では料金を支払い、後に還付する仕組みにするなど、
「ホントはお金がかかっているねん」
と子育てをする親に気づかせる「教育」も必要だと考えます。