悪名は無名に優るとはミッチーこと渡辺美智雄の言葉とされ、若い方に「みんなの党」を作って瓦解させた渡辺喜美氏の御尊父といえば理解の助けになるでしょうか。副総理まで務めた政治家です。
政治家を含めた人気商売に通じます。つまり、悪口でも他人が関心をもっている内が花だということ。いまならフジテレビがこれにあたるでしょう。ほぼ全面安状態に、つまらない番組を量産し続け、人気コンテンツを次々と打ち切りながらもヤフーニュースでは嘲笑のネタとして取りあげられているのですから。ただし、自力と言うより過去の栄光との落差で、親の七光りに甘える馬鹿ガキといった位置付けではありますが。
まったく話題にならなくなって久しいのがTBS「白熱ライブ ビビット」。国分太一と真矢ミキの取り合わせに違和感が満載でしたが、どちらも長い芸歴を抱えているだけあって、それなりの納まりを見せているのはさすが。と、思っていながら見てはいません。
レギュラーコメンテーターにブレイク芸人の「ヒロミ」を起用した時点で、制作サイドの手抜きを見つけたからです。少し前なら坂上忍を、その前なら有吉弘行をブッキングすれば、数字を稼げるという甘い見積もり。情報番組の本質である「情報」ではなく、コメンテーターという「装飾」でどうにかしようという姿勢は視聴者を馬鹿にしています。
今朝、ザッピングで久しぶりに「ビビット」にチャンネルを合わせます。元法務大臣の松島みどり衆院議員の国会内における、居眠り、あくび、ガラケーの操作、読書をあげつらい嘲笑を浴びせる企画。
松島みどり氏の態度も褒められたものではありませんが、反自民のTBSが仕掛けている時点で、夏の参院選、あるいは衆参同時選挙での思惑がらみであることは明らかですが、やるならもっと上手くやらなければ、放送電波の停止をちらつかされても文句が言えなくなります。
元大臣である衆院議員の振るまいとして褒められたものではありませんが、これらの行動は大なり小なり国会議員はやっていることで、ならば全議員を対象にして、元大臣を理由とするなら民主党政権、自社さ政権、日本新党まで遡り検証しなければフェアとは言えません。
偏向放送だ! とは事実でしょうが、これで目くじらを立てることは大人げ態度ながら、私が気になったのは自民党攻撃ではありません。
コメンテーターのひとり、夜回り先生こと水谷修氏は、「居眠りやあくびと、ガラケーをいじり、本を読んだことは分けて考えるべき」と指摘します。前者を被災地の視察や多忙を極めた末の生理現象なら仕方がないとするのです。
ひとつの見識です。しないに越したことはないとはいえ、真面目に働く議員の多忙さを知るものなら一定の同意は得られるでしょう。ところがお笑い芸人の千原ジュニアをはじめこれを全否定。生本番であくびや居眠りは許されない。
正論のような暴論です。緊張する生本番は「ビビット」でもせいぜい2時間。カメラに映っている時間はさらに短く、移動中、控え室で仮眠がとれるタレントと、その時間に資料を読みこみ、支援者と握手をする政治家と、「本番以外」の時間の使い方はまったく異なるのです。
経済評論家の荻原博子氏がたびたび、国家の財政を短期簿記の家計簿で説明するのと同じで、分かりやすいけど間違っている事実のひとつです。
居眠りを良いとは言いません。しかし、水谷修氏のニュアンスは、許せではなく見逃せです。補足するなら、こうしてテレビ番組で取りあげただけで、松島みどりへの制裁になっているということです。
これに女二人が噛みつきます。一人は雪野智世。なお、本稿でタレントは、敬称略でお届けしております。そして「フリーアナウンサー」なるものは、タレントの分類のひとつと認
テレビ朝日出身ということですが、テーブルに肘をつき、アゴを乗せるかのようにして松島みどり氏を断罪してみせます。千原ジュニアが指摘するところの「本番中」とは、真剣に取り組むというニュアンスでしたが、それに同意しながらの下品に、下ネタや毒舌をウリにするお笑い芸人かとネットで調べたら「フリーアナウンサー」。
もうひとりの女が脇から松島を責めてみせます。身を乗り出し、唇を尖らせて糾弾しますが、発言内容は尻馬に乗っているだけ。これも調べてみると三輪記子(みわふさこ)。彼女も女芸人と勘違いしましたが、間違いとも言えません。ネットでは美人弁護士と紹介されていますが、松竹芸能所属で、同社サイトでは「ますだおかだ」「森脇健児」の間に名前があります。
タレント風情が政治家を糾弾するなとはいいません。ならば、それなりの論拠と態度で挑むべきではないか、と考えるのです。
先の水谷の発言は、他の出演者から吊し上げをくらいます。本来は間に立って進行すべき国分太一までもが口をとがらせ、「じゃあどうすればいいんですか!」と判決を下そうとします。水谷はいいます。
「それは選挙区の有権者が下すこと」
その通り。あえていいます。テレビタレント風情が、ワイドショー如きが断罪することではありません。
しかし、一同おさまらずヒートアップ。正論を吐いた水谷修氏が悪者のよう。
いやはや、「ビビット」が話題にもならないはずです。そこに正義がなければ、先に挙げた二人の女は、女に嫌われるタイプの女なのですから。わずか数分の視聴ながら、その態度は鼻につき、もちろんそれは主観に過ぎないのですが、「元女子アナ」と「美人弁護士」。前者は嫉妬の対象で、後者の「美人○○」とは「そーでもねーよ」と女性の井戸端会議でやり玉に挙げられる肩書きの筆頭。
そして、男性までもが女らの批判に加担する。一般論ながら「女性ウケ」はしません。その点、積極的に批判に参加しなかった真矢ミキは賢い。さすが女性の園、宝塚出身と言ったところでしょうか。あるいは、ネットニュースで話題になったように「番組中にしゃべらない」がウリなのか。
いずれにせよ「ビビット」にビビッとくる視聴者は少ないでしょうね。
なお、賢く政権批判(アンチ自民党)をするなら、一人か二人の「擁護者」「代弁者」を用意して、「対立」の構図を作り、ジワジワと視聴者を洗脳させるのがベスト。袋だたきのような「ビビット」のやり方は、リンチに代表される抹殺が好きな左翼やパヨクが好むだけで、普通の日本人には生理的嫌悪感を与えるだけで逆効果です。
余談ついでに。だから、TBSやテレビ朝日、最近ではフジテレビやテレ東に日テレまでもが、袋だたき的政権批判を繰り返し、これが間接的に安倍政権の援護射撃になっています。