全国的に知名度は高いのですが、さしたる興味も持たれない我が
町「足立区」の選挙戦の結果はどうでもよいでしょうが、記す理由
は野党時代の民主党に倣ってのこと。
「直近の民意」
から民主党は議席を失いました。個人的に親しくしていた民主党
区議会議員が落選したのは非常に残念ですが、個人の実力というよ
り民主党らしさの発露でしょう。
国家権力を握った途端、政治主導の名の下に傍若無人に振る舞う
民主党を「平家」と語ったことがありますが、我が世の春に盲目に
なるのは地方議会にも現れました。
その素地は、足立区が一部かかる東京12区は、政治より愛に
生きると噂される「青木愛」さんが、残りの全域の13区は奥さんを
まじえた3Pを愛人に懇願したと週刊誌に暴露された「平山たいろう」
と、どちらも民主党が小選挙区を制しました。また、都議会議員
選挙でも民主党候補者がトップ当選。
そして、今回議席数が50から45と削減された足立区議会に
現職6人から新人を4人追加しての10人立候補して、当選した
のは現職半分の3人。7議席の日本共産党の半分以下への凋落です。
完全に「戦略ミス」です。
一方、民主党の失政にも決め手を打てない自民党ですが、
党中央はともかく、永年与党を支えた地方組織は冷静に現実を
見極め、前回の23人から17人へと絞り込み、全員当選を果た
しました。
戦力の集中は戦略の基本ですし、落選による人心離れを避ける
狙いが的中したということです。
民主党に戻ります。「民主党関係者」が続々と出馬します。
例えば先ほどの衆院議員の政策秘書や都議の秘書などです。
党幹部と知り合いになれば出世が約束されるという、それは
まるで中国共産党。
秘書経験を積み、政治を目指す。
と、いうのは今回は建前に過ぎません。
政治家の秘書を本気でやっていたのなら、今回の選挙がどれ
だけ厳しいものかは想像に難くないでしょう。民主党支持者で
さえ、誰もが口にしていたことです。
ならばそうした「身内」こそ身を引くか、あるいは「選別」
すべきなのですが、全員出馬した心には「慢心」があったので
しょう。
それはすっかり民主党と書いて「傲慢」と読むようになった
・・・なってません?・・・体質に加えて、悲しいかな民主党
躍進の轍に重なります。
「新人、若者で浮動票ゲット」
つまり、自民党への回帰の少ない世論とあわせて、現職に
つきまとう「現政権の失敗」のイメージがない「新人」なら
勝てるだろうという浅はかさです。すべてを自民党責任と
批判だけしていればよかった野党時代の記憶もあるのでしょ
う。自民党を現政権に置き換えたということです。
事実、足立区の民主党支持者・関係者から耳にしたのは
現職の大半が落選して、新人だけが残るというものです。
そして、現役が半分落選しました。
関係者筋によると、新人が立候補するために、現職がそれま
で活動していた町を離れなければならないという異常事態まで
起こったといいます。
落下傘舞台として足立区に降り立ったその民主党区議は、
浮動票で当選したといっても過言ではありませんが、その分、
恐ろしさを知り、地元の会合にも最初は門前払いされながらも
少しずつ支持者を拡げて活動してきました。それは補給路を断
たれたレンジャー部隊が、ジャングルで生活物資を調達する
ようなものです。
ようやく創りあげた「住居」を、本部(党)からの指示で
明け渡さなければならなくなった区議は落選しました。
新人も落選しました。こちらは当然。足立区民を舐めるのも
いい加減にして欲しいものです。
これが直近の民意・・・というと、私も民主党レベルになる
のでやめておきます。
先ほども述べたように戦略ミスです。現職と同じ人数の
6人を擁立していれば、10人中下位4人の得票数を合算する
と7936票。これを「6人の候補者」で均等割すれば、
ひとりあたり1322票が上積みされ、この仮定における
10人中6番目の候補者に加算すると、4000票を越え
当選しているのです。
もちろん、単純にはいきませんが、「票が割れた」こと
そして、それは事前に予測されていたことで、それは多くの
後援者が口にしていたことは「民主党」は無視した結果の
惨敗です。
いわば、後援者という
「側近の直近の民意」
すら無視しているのが「中央民主党(共産党ぽくて、今の
民主党を表すのにちょうど良い気がするのは私だけでしょう
か)」ということです。
そもそも野党時代に「直近の民意」を理由に当時の与党を
攻撃していたところにも、いまの体たらくの片鱗があったと
いえます。それを端的に述べればこうです。
「直近の民意という他人任せの評価」
いま振り返れば、これを武器に戦っていたのが中央民主党
なのです。
東電に責任転嫁しているのも、これまた
「中央民主党らしさ」
ということです。
その「中央民主党」による「東電イジメ」が加速して
いきますが、ザ・ブルーハーツが謳ったように
「弱いものはさらに弱いものを叩く」
のように、虐めた幹部の矛先は部下に、社員は下請けに
いくので気をつけて欲しいものです。
東電イジメの一例。
「50%カットしていくら残るかといったら、実は3600万円くらい」
海江田千里万里大臣の発言。
・・・地震前は天下の上場企業の役員だから、当然と言えば
当然の報酬なのではないでしょうか。もちろん、感情論から
いえば「全額カット」という声が上がっても良いのでしょうが、
それが許されるのは「テリー伊藤」さんなどで、無関係な評者
だからできることです。
国民受けする「暴露話」で人気をとるあさましさが透けて見
えます。
つづいて東電がらみで銀行への「債権放棄」の枝野さん。
これも公的資金の注入などでとかく批判の多い銀行ですが、
金融ビジネスの常識からいって、債権放棄をすると金融支援
ができなくなる、ざっくりといえば、こういうこと。
「借金をチャラにする代わりに、こんごビタ一文たりとも金を
貸さないし、協力もできない」
銀行側にたてば当然のことです。銀行にも株主がいて、
経営者は株主の監視に晒されているのですから。
株は売れず、債権の引受先がなく、金も借りられない。
つまりは東電に倒産しろということ・・・ならば、それも
ひとつの選択です。だから、
「政府の意思」
としてそれを示したのなら「イジメ」とはいいません。
「政治主導」
です。しかし、千里万里も福耳男もカイワレちゃんも、
いつも東電や中電、あるいは銀行に責任転嫁して、矢が届かぬ
距離にいてネチネチとイジメる。
これが中央民主党です。
・・・頑張っている「地方自治体民主党議員」もいたのですが
残念ながら、足立区では議席を失いました。