自民党政治なら「役人」が動きました

 毛色を変えて「役人擁護」を。

ステレオタイプの役人批判に縦割り行政があります。

それでは「横断的な行政」がその真意において実現したとすれば
どうなることでしょうか。

真意とは縦割りの対極に位置づけての、柔軟でゆるやか、臨機応変
に対応する行政ということです。

柔軟、ゆるやか、臨機応変。

さて、何を基準に「柔軟」で「ゆるやか」でしょうか。

服装の規定を例に見てみます。仮に「お葬式」で。

遺族の娘さんが茶髪の金髪のど派手メイクは・・・いまは柔軟ど
ころか「普通」かもしれませんが、ちなみにかつては葬儀のような
「喪」は控えめなメイクが「常識」であり「たしなみ」でした。

まぁこれも柔軟に許したとして、その娘さんはミニスカートです。
まぁこもれ柔軟に見逃したとして、黒ではなくピンクでした。

さて、どうでしょう? しかし、娘さんはこういいます。

「亡くなったママの好きな色だった」

はてさて。これは実際にみたことですが、亡き妻の葬儀の喪主で
あるダンナさんは50才を手前に茶髪にピアス、ブレスレットじゃら
じゃらです。

喪服に身を包んでいますが、ネクタイはほどけ、靴は白いファッシ
ョン靴で靴下も白を基調とした模様入りで、遠目にも「くたびれている」
ことがわかるものです。

柔軟。にたてば「人は見かけじゃない」というのかもしれません。
しかし、柔軟、にも限度がある考える人がいます。

役人に戻ります。

柔軟な対応とは対応したものの「主観」で判断が異なり、先週の
役場の窓口では許可されても、今日は拒否されることがおこるという
ことです。あるいはイケメンやきれいな女性のときはOKで、残念な
場合にはNGということもありえます。

そんなバカな話しが法治国家で許されるわけがありません。
と、言うわけでお役人様は「法律」、あるいは「前例」を踏襲し
かつ、自分の所属する組織を越えた判断を避ける結果、

「縦割り」

となってしまうのです。つまり、職務に忠実であればあるほど
そうなる「仕組み」なのです。

もちろん、問題もあります。その為に「政治家」がいます。

いわゆる「政治主導」とは、縦割りに横線をいれ、縦割りの割り方
を変える・・・はずなのですが。

その「政治主導」の「無策」に呆れています。
円高です。

いま、政府と与党民主党は9月の代表選挙とお盆休みの消化に
余念がありません。日本経済はみぞゆうの危機を迎えているのにです。

先週、お盆休みを菅首相はとりました。
今週は官房長官がお休み中です。

これが自民党政権ならこう批判されていることでしょう。

「日本経済が危険水域となる1ドル85円を迎えている局面で
のんびりと避暑地で過ごす首相に危機感はあるのか」

あるいは

「猛暑と円高にあえぐ国民を横目に避暑地で読書に耽る菅首相の
浮世離れ」

「経済音痴で危機感のない菅政権」

などなど。
本当に民主党に(産経新聞を除いた)メディアは優しいのです。

ようやく今週の金曜日に「検討のための会議」が行われると
のことですが、遅すぎます。じりじりと進む局面で早めに手を打た
なかったことで「舐められてる」ことに気がついていません。

先週末の「口先介入」で収まっているように見えますが、実態は
市場に「なぶられている」のです。「口先介入」とは、あまり円高に
なるようなら円を売る、ドルを買う「かもしれない」とコメントを
発することで市場を牽制する効果がありますが、ここまで放置して
からでは遅すぎます。

ここは迅速な「行動」しかありません。

その「行動」ですが、現在の円高に対しては打つ手が少ないと報じ
られています。

円売りドル買いによる政治介入も難しく、政策金利の下げ幅もなく、
また欧米は自国通貨の下落による輸出メリットから協調介入どろこか
自国通貨安を容認していると。

これに普天間問題と「親中国姿勢」を鮮明にしたことではじまった
「日米同盟弱体化」も円高の理由と私は見ています。日本だけでは何も
できない・・・というより「しない」とみたマーケットがなぶり殺す
ように日本円で遊んでいるのです。

打つ手が少ない・・・とは、つまり打つ手があるということです。

わずかでも可能性があるなら全力で取り組めば良いだけの話しです。

座して死を待つか、死中に活を見いだすかです。

・・・とはいえ、本当に全部やる必要はありません。「やるぞ」と
みせることが一番肝心で、いまの為替を含めたマーケットは
ヘッジファンドなどが支えており、リスクがちらりと見えただけで
驚くほど速やかに「手じまい」をします。すると、その僅かな可能性に
かけて本当に日本が行動するかもとなった時点で、「調整」するもの
だからです。ただし、リゾート地からの電話で官房長官に告げるぐらい
では行動と呼べませんし、マーケットも相手にしません。

いまは日本政府が無策であること、また危機意識が低いことから
行動を起こすにしても「おっとりがたな」となるであろうとみこして
様子を見ているだけのことです。

また同じく「動かない」日銀ですが、こちらの総裁はねじれ国会の
反対のための反対運動を繰り広げた当時の野党 民主党によって
その座についた白川方明総裁。

動かないのではなく、動けないのではないでしょうか。

民主党の経済政策が見えてこず、円高対策があきらかでない状態で
残り少ないカードを切っても手詰まりは目に見えています。また、
下手に先に動いて政府にハシゴを外されて批判されては大損です。
民主党は小沢一郎さんと自分たち以外の批判は相変わらず得意ですか
らね。

これが自民党政治なら「役人」が動きました。

それは表の法律だけでなく、「阿吽の呼吸」という裏のルールに
そって行動するのです。明文化されているモノではなく、どの政治屋
に働きかければ解決するか、どの政治屋に根回しすることで迅速に
行動するかを役人は知っていたのです。もちろん、功罪があり、
昨年の衆院選挙で国民はこれにノーを突きつけたのです。直近の民意は
逆だとしても。

しかし、政治主導と掲げた看板が、ルールに則って動く役人の行動を
制限しています。ルールがなければ役人は動けません。優秀な役人ほど
動けなくなることは既に述べた通りです。つまり、1年経っても役人と
いう政治の道具を使いこなせていないのです。

そして日本経済が弄ばれています。

この停滞や危機も政権交代の産みの苦しみと前向きに捉えることが
できないのはなぜでしょう。それは明らかに民主党を応援している
小倉智昭さんがMCを務めるフジテレビ「とくダネ!」で、円高を
紹介する際に「民主党」の責任を追及しないことも理由かも知れませ
ん。
 

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