小池百合子代表辞任をなじる卑怯者ども

 小池百合子都知事閣下が兼業していた「希望の党」の共同代表を辞任しました。また逃げ出すのか、と身内からも批判が上がっているとメディアは報じますが、その身内が議員ならば実名で報道すべきでしょう。

 党の職員ならともかく、国民の負託を受けた政治家である以上、常日頃の言動は評価の対象となるべきで、それを伏せるとは言動不一致、「前から助平」さんこと元文科次官で、組織的天下りを指揮していた前川喜平氏が座右とする「面従腹背」という裏切り行為をマスコミは是とすることと同義です。

 タマキンさんこと玉木雄一郎衆院議員が選出されるまで、唯一の代表で、実際には「小池新党」であり、都知事選挙、都議会議員選挙での圧倒的人気にあやかろうとしたのが希望の党の連中です。それが不人気になったから罵るとは人間のクズです。つまり「関係者」としか報じないのは、マスコミによる卑怯者の擁護です。裏切り行為を推奨し、卑怯者を擁護する。そこにモラルも正義もありません。

 しかし、これが残念ながら我が国のマスコミの現実です。

 小池氏の行動は批判されてしかるべきと考えますが、批判する側のモラル違反は誰一人として指摘しません。そしてそれが政治を劣化させています。

 私は小池氏を選挙で支持していません。自民党が担いだ増田寛也氏を消去法的に選択しています。

 自民党が担いだからではなく、都政末期の石原慎太郎氏、猪瀬直樹氏、ゲス添えこと舛添要一氏といったパフォーマンス型の知事ではなく、官僚出身の実務型を一回挟んで都政を正常化してから、次の「オリンピック担当知事」を迎えるべきと考えていたからです。

 100%異論なく支持できる政治家や首長などいるわけもないのは、例え一卵性双生児でも好みや習慣に差が出るように、完全一致などありえずに、むしろあったら怖いこと。それこそが共産主義者やカルト宗教の怖さです。

 だから妥協や消去法で政治を見て、投票しています。そして小池百合子氏ではなく増田寛也氏を推しましたが、選挙は負けました。だから、その民意に従い、小池百合子都知事に異論は無く、ただし、都知事としての手腕、手口には批判を加えます。

 果たして、いま、小池百合子氏を批判している人は、都知事選挙、都議会議員選挙のときになんと述べていたか。

 豊洲新市場への移転中止のように「公約に掲げていない独断」で、決定プロセスが密室の小池都政だから、選挙の時はわからなかった、という人もいるでしょう。こう主張するのが一般人なら、そして年令が若いならそれも仕方がないでしょう。

 しかし、そうでないなら甘い話で、まして物書きや、人前で語る立場にあるなら浅はかと激しく自省すべきです。

 なぜなら、そもそも彼女の出馬は、「自由民主党」という組織の判断ではなく、関係者に根回しという名の相談・調整もせずの決断です。

 むしろ、いま批判しているなかの多数が、その独断を褒めそやしていました。政治勘、チャンスを見極める、勝負強いなどなど。

 彼女の掲げた「政策」をみれば薄っぺらで、彼女を応援している連中でさえも声を揃えていたのが「初の女性総理大臣になるための布石」ということ。

 政権奪還が視野にはいった2012年の自民党総裁選で、第一次安倍政権で防衛大臣に任命されていたにも関わらず、新進党以来の盟友である石破茂氏に票を投じ、以来党内での冷遇からの起死回生、彼女曰く「崖から飛び降りて風を吹かす」という戦略に打って出た!!!

 これ、衆目一致するところですよね。
 はい、ここがポイント。

 最初から都知事に、東京都の行政に大した興味を持っていないだろうと、みな知っていながら、それを応援し、そして彼女に都知事の大権を与えたのです。

 都政を踏み台にして欲しくない。増田寛也氏を支持した理由で、ただし、小泉進次郎氏に限らず、この手の文字通り「若手」が、地方自治体の首長を「踏み台」にして、帝王学を身につけていくというのなら、人物次第では支持もします。

 いずれにせよ、初手から片手間だったのです。パフォーマンス先行だったのです。それを選んだのであり、豊洲新市場移転延期、五輪経費の見直し、石原慎太郎元都知事を百条委員会で吊し上げ、そして都議会議員選挙への布石として「ドン内田」を悪魔化した手法を経ても、それでも「希望の党」すら容認しようとしていた連中が、いま小池氏を批判している薄汚さこそ、この国の病巣であると断じます。実に卑怯です。

 より細かなことながら、ここまで断じる理由をもうひとつ指摘しておきます。

 小池百合子氏は自民党下野した谷垣禎一体制で、自民党の広報本部長を務めています。このとき自然発生的に生まれた自民党のネット対策班「チーム世耕」が、党の機関「自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)」として正式に位置づけられます。

 キャスター出身の小池百合子氏にとって、はまり役とも言えるのですが、彼女の活躍は「ついったーはじめました」という動画ぐらいでしょうか。第2次安倍政権が発足し、先の理由から冷遇とありますが、広報本部長は継続していたとスポーツ紙の記事にありましたが、ならばそこでしっかりと「広報」の仕事をしていれば、いつか日の目を当たることもあったでしょう。

 広報はマスコミとの接点が多く、目に留まりやすいというのもありますが、なにより「ネット動画」という広報媒体をもっており、そこで己の顔と名前、そして活躍を喧伝することもできたでしょうにそれをやらない。

 こうした事実からみるに、彼女は雑巾がけ的実務が苦手というか、やったことがないとみるべきでしょう。キャスターとして用意された原稿を読み上げ、環境が整えられた場所に出掛け、指示通りにマイクをかたむける。

 この仮説に立てば、中身がないのは当たり前です。

 ただし、イコール政治家失格とはなりません。古代ローマの初代皇帝アウグストゥスしかり、三国志における劉備玄德にせよ、「用兵」はトップリーダーの重要な才能だからです。

 さて、小池氏に右腕はいたか。左腕はどうか。アウグストゥスによけるアグリッパやマエケナス、劉備の関羽、張飛、諸葛亮孔明は。

 我らがあべっち、安倍晋三首相には何人もの「盟友」がいて、かつて「お友達内閣」と揶揄されましたが、それは人間性の裏返しでもあります。そして友を見れば人がわかります。

 小池氏にも盟友と紹介される政治家が何人かいます。その内の何人が「希望の党」へと馳せ参じたか。常識を下敷きに、政治家を見れば、おおよその「妥協点」が見つかるものです。

 と、ここまで書いて虚しくなりました。なぜなら、私の常識には「卑怯はダメ」がありますが、卑怯を是とするマスコミ界隈の「常識」は違うようですから。

 小池氏をいまになって批判するマスコミ共に溜息が止まりません。

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