塩村文夏議員は被害者じゃない

 セクハラヤジオヤジの鈴木章浩都議(大田区)について呆れるのは「嘘のつきかた」。そしてこの騒動、集団的自衛権を巡る喧噪にも絡んでいます。

 政治家の嘘は菅直人や不愉快な民主党議員に、件の塩村文夏都議の元の親分である「渡辺喜美」のDHCからの献金騒動を引くまでもなく、というか今話題の

「集団的自衛権に反対する連中」

 の論理の飛躍は「嘘」どころか「詐欺」のレベルですが、いつものことで気にすることではありませんし、なにより

「学級会じゃない」

 のです。方便もあれば大人の所作でもあり、恋愛においては優しさと表現されることもあるように、嘘そのものを完全否定するのは幼稚です。

 一連の「ヤジ狩り」において、ひとひらの嘘すら認めないという態度は、「完全正義」という虚構か、あるいは全体主義という悪夢でしかないのですが、それに輪を掛けテレビ局やコメンテーターに呆れるのは、ネットレベルに堕した幼稚さからですが、まぁ視聴者の脳みそもその程度とみているのでしょう。つまりはヤジ報道を繰り返す番組は視聴者を馬鹿にしているのです。

 ともかく、鈴木章浩氏の過去の言動を見る限り「保守」というドレスを着ているのなら、

「潔さ」

 とはセットであるべき。ところが彼にそれを感じません。

 目新しさ、珍奇さに飛びつくだけで、いざとなれば逃げ回る、発言に責任を持たない、あるいはうっかりならば、堂々と「うっかりでした」と謝罪する覚悟を持たない生き様は保守ではなく、単なる「お調子者」です。

 鈴木章浩に「ネトウヨ」を見つけます。言葉を換えれば「ファッション右翼」です。いま、フワッとした民意が右翼(というか保守)に流れているので、そちらの言葉を集めてデコレーションしただけで、人間の芯としての保守ではない、だから潔さを持たず、逃げ回り、そもそも弱者をいじめます。

 この弱者とは塩村文夏であり、弱者という表現が選良足る都議への侮辱であることを自覚して表現しておりますが、その理由は後ほど。

 ただし、議員辞職を求めるものではありません。それは選良足る彼自身と、彼を選出した大田区民の判断です。だから本件に石破茂自民党幹事長が、口を挟むのもまた僭越というか勘違いも甚だしい。

 石破茂にこそ、左翼は「自民党の傲慢だ!」と突っ込まなきゃ。

 都議会という公の場での出来事は、その議会が決めることであり、たかが一政党の幹事長が、都民に選ばれた都議会に口を挟むのが許されるのは「一党独裁」の国ぐらいだからです。

 セクハラヤジを国際問題化し、自民党の足を引っ張る一里塚にしようとしている左翼メディア(と、いうより反日を越えた抗日ゲリラメディア)に対して、もはや答えるべきではないのです。

 一報段階なら雑談のトピック、サービストークのうちですが、なまじ踏み込んで答えることで「言質」を取られていることに気がついていません。石破さんを総理にしたときの予行演習を見るようで残念で要注意です。

 ましてや、左翼が批判するように、いまの自民党は絶大な権力を握っています。その幹事長が、地方議会に横槍を入れることこそ、メディアは監視し、批判しなければならない・・・などと左翼は考えません。そうなったら、それすら攻撃材料にするのが左翼という人種だからです。超近視眼でご都合主義、さらには選民意識を持っているのが左翼という連中です。

 集団的自衛権への官邸前のデモをツイートした
日本共産党の吉良よしこ(参院東京選挙区)は、

「国民の声がここに集まっています(意訳)」

 とほざきます。以前、同党埼玉選挙区から出馬し落馬した候補者も「民意」を主張していたので、

「落ちたアンタも民意の証明」

 とつっこんだら、屁理屈で絡み返してきたので、正論で喝破しましたが、左翼の唱える国民や市民、民衆とは、彼らのシンパしかカウントしません。背景にあるのは「選民意識」で、左翼が宗教がかる理由なのですが、これは余談。

 セクハラヤジに話を戻せば、そもそも自民党として処分を下すとしても、離党ではなく除名がせいぜい。なぜなら「辞任勧告」を党が出すと言うことは、都議会の上に自民党があるということになるからです。都民としてこんな横暴は許すことはできません。

 どうしてもと横車を押すとしても、組織論の筋道でいえば、自民党都連の仕事で、それは石原伸晃氏の職権です。「金目の話し」と本音がキラリ、もといポロリと漏れる浅はかさは、オヤジがアレでもいまが限界の政治家なのかもしれません。

 これも「嘘」に属するもので、本当のことだけ発言していたら、政治などできない一例ではあります。

 集団的自衛権において・・・放送禁止用語とされていますが、あえて書きます・・・「キチガイ」達が大騒ぎというのが、わたしの言葉に嘘のない評価。高卒フリーターあがりの私には、他に適切な言葉が思いつかないのです。

 特定秘密保護法のときも靖国参拝も同じです。脱原発もそうでした。大江健三郎が嘆いてみせ、落合恵子が訳知り顔で語り、悟りの境地からほど遠い欲望まみれの瀬戸内寂聴が説法をします。

 まるで「アンチ自民党連合」、あるいは「殺安倍政権」かと思いきや、これではテレビ朝日や朝日新聞と同じく、事実をコピペして望む結論を導く手法になりますので、正しく状況を整理すると、脱原発は民主党政権のころからで、さらにそれ以前の連中の主張を串刺しにした結論は「左翼」です。

 左翼は現実が見えておらず、最たるものがソ連の崩壊をいまだ信じていないのか、あるいは「自分なら巧くやれる」という過信はやはり左翼の特徴である「選民思想」です。平易な言葉に置き換えれば「高慢チキな優等生」。

 そのくせ発言に一貫性がありません。脱原発を叫ぶ連中の大半を原発事故以前には「地球温暖化防止」で見かけているのは偶然ではありません。

 特定秘密保護法にしても集団的自衛権にしても、この連中(さすがにキチガイを連発すると、古来の用法において当てはまる方々に失礼とこれに改めます。またあまり繰り返すと、文面が佐高信あたりに似てきて不快なので)が怖れるのは国家権力の暴走です。

 国家権力の暴走に関しては危惧するもののひとりです。なぜなら安倍首相の狡猾さが鼻につき始めたからです。裏返せば「巧い」とも言えるのですが、だからこそより監視の目を強めなければならないのですが、その抑止力としてマスコミがあるわけですが、ヤジ騒動においてはこの暴走を左翼陣営は促そうとしているのです。

 一方向に主張が流れ、かつ、反対の主張をするメディアが見当たりません。これこそ大政翼賛体制を彷彿とさせる状況です。

 セクハラで議論が分かれることはないだろう。

 という主張は、まず議論の前提がずれています。

 繰り返しになりますが「議会」のなかのできごとです。そしてそこでのやり取りを、次の選挙で有権者が判断材料にするのです。

 本件に関し目にした報道のなかで、唯一、「正論」を述べていたのは自民党都連会長の石原伸晃氏の弟、石原良純氏です。

 以下は、わたしの昨日のツイート。

“「塩村文夏議員は被害者じゃない。議会の話しだ。(そんな彼らを)選んでいるのは都民で、都民の見識の話しだ(一部、意訳)」。偏向捏造番組「モーニングバード」では石原良純だけがまともな発言をしている。まったくもってその通り。”

 とにかく偏向が甚だしいテレビ朝日の「モーニングバード」。そのなかに残された「良心」というか、親兄弟がアレななかでのバランス感覚は見事と唸りました。

 しつこく繰り返しますが「議会」でのできごとです。塩村文夏は議会野党の都議として、いわば都政に喧嘩を売る場です。批判や非難は当然あるもので、それがイヤなら舞台に立ってはダメ。ボクシングのリングに立ち、殴られたからと泣くようなものです。

 それをよよと泣くのなら、状況判断ができない素人のお嬢さんで、都民を代弁する資格などない・・・とこれも彼女の選挙区である世田谷区民が判断することですが・・・ことが露呈したということを誰も指摘しません。

 なにより女性蔑視につながるヤジなど「チャンスカード」です。

 それすら想定していなかったのでしょう、都議会でそんな(低)レベルのヤジがかかるとは・・・と被害者面していたのは、つまりは未熟の告白です。その程度の人物だということです。

 この視点に立つと、それを攻撃した鈴木章浩は、塩村文夏の議員レベルを都民の目にさらした功労者・・・と言えないのは、そこまで彼に深い考えがないのは明らかだからですが。

 仮に、です。塩村文夏都議は一連の質問で動物愛護に踏み込んでいました。ざっくりと都議会のホームページを見る限り、そのときヤジは確認できませんでしたし、愛娘(柴犬メス 3才7ヶ月 発情中)を溺愛する身として、

「野犬はサクサク殺処分」

 といったヤジを飛ばされれば、即座に発言者に喧嘩を売ることでしょう。つまり、質問内容が「我が身」のレベルにまで馴染んでいれば、即座に反撃にでるものだということです。

 これも集団的自衛権に通じます。中国やロシア、そして韓国の脅威を「我が身」と思えば、反対する理由がないのです。個別自衛権ですむという反論はナンセンス。

 現時点では日米同盟がなければ自衛隊は充分な能力を発揮するのが困難で、また一方で米軍だけ危険に晒す同盟関係など、実際においては機能するわけがないからです。

 ちなみに北朝鮮を脅威に加えなかったのは、核開発については米国が行うでしょうし、通常兵力においての戦闘は韓国とで、日本海を越えてくる能力は難しく、ミサイル攻撃は迎撃できても敵地を叩くことは自衛隊にはできないからで、むしろ特殊工作員への対応は、警察力になるからです。ま、イヤミですが。

 塩村文夏都議が「ライター」を自称していた時代に出演したバラエティ番組での「応答」を見る限り、その能力がないとは言わせません。

 ところがセクハラヤジへと繋がった質問自体への「熱」を感じないのは私だけでしょうか。あくまで私の妄想に過ぎませんが、だったとしたらそちらのほうが不妊治療や、高齢出産、晩婚・晩産対策に悩む女性にとっては深刻で、なんとかの敵はなんとかだと、なんとなく思い浮かんで消えません。

 そして圧倒的多数を自民党が占める議会で、ヤジの特定と議員辞職を求める議決は否決され、セクハラヤジについては「幕引き」となりました。

 マスコミが面白がって追究するのは、正当な批判の範囲で、仕方がない面もありますが、塩村文夏が議会の外で結論をだそうとするなら、議会制民主主義の否定です。議員バッチをはずして、街頭でデモでもしているのがお似合いです。

 みんなの党は何をしているのでしょう。いまこそ「落としどころ」という大人の知恵で、都議会自民党に「恩」を高値で売るチャンスなのになにもしていません。

 もともと「みんなの党」時代の柿沢未途衆院議員が都議選の責任者で、民主党にいた自分の嫁の野上ゆきえ都議を、練馬区から柿沢家のお膝元である江東区へ政党と選挙区を鞍替えさせて出馬させました。

 その責任者が「結いの党」へと脱走を図ります。創業者である渡辺喜美の個人商店と批判していましたが、それは「みんなの党」の党風ともいえるのは柿沢未途の行動からも明らかです。

 おいらが大将の集団であるなら、新人議員に苦言を呈すことができない党内事情・・・どころか、「みんなの党 Tokyo」とやらは、みな「1回生」で、それを指導監督するものがいないということです。この党、ダメかもしんない。

 政治の世界は恩と恨みでできており、鈴木章浩がマヌケだったとは言え、党全体に喧嘩をふっかけた恨みを忘れる自民党ではありません。

 ちなみにというか、柿沢未途も元民主党都議。飲酒運転による高速道路での自損事故が発覚し、辞職。わずかな期間「寺籠もり」をして、渡辺喜美の「みんなの党」に拾って貰ったのは、世襲議員のよしみからでしょうか。

 で、その喜美に後ろ足で砂を掛けて、「結いの党」へ。

 大切なことなので何度も言いますが、脱走兵が射殺されるのは、集団の士気を下げるだけではなく、何度も脱走を繰り返すことを、人類は経験則から学んでいるからです。政治の世界も同じですが、こちらは残念ながら射殺されません。

 みんなの党が党の体を為すか、塩村文夏が都議として自立しているなら、次の議会で

「セクハラヤジ禁止条例」

 を定めれば済む話。こうした正論が聞かれないどころか、捏造はさらに加速していきます。

 先のテレビ朝日「モーニングバード」では、朝日新聞記者が独自に録音した素材と、都議会の音声を重ねることで、他のヤジを特定したと報じます。

 そして民主党の山下太郎都議が「がんばれよ」「動揺しちゃったじゃねえか」を発言したと認めます。

 面白いのがこれを報じた2014年7月1日のTBS「ひるおび」で、政治評論家やアナリストなどが、言葉を濁していたことです。

 朝日が社力を集結したかどうかわかりませんが、とにかくスクープのように取り上げた「発言全集」とは、すべて自民党系による発言という前提で、ストーリーが組まれていたので、他党の発言まであるとなれば、

「いつものヤジ」

 としか言いようがないからです。

 スクープのように報じた朝日新聞電子版より引用します。

“その結果、塩村都議に鈴木章浩都議(51)が「早く結婚した方がいいんじゃないか」とヤジを飛ばした直後、男性の声で「自分が産んでから」とのヤジが聞こえ、「がんばれよ」の声もたたみかけるように続いた。”
http://www.asahi.com/articles/ASG6W5KBQG6WUTIL020.html

 朝日新聞は得意げに、音声にテロップをいれた「動画」をYouTubeにアップしていますが、素直な気持ちで聞く限り、この「がんばれよ」は、言葉を詰まらした未熟な塩村文夏への応援と嘲りのハーフハーフです。

 さらにこの箇所。

“塩村都議が、悩みを抱える女性への対策に関する質問をした際には「先生の努力次第」と男性の声があがり、女性の不妊に関する質問のときには「やる気があればできる」とのヤジも聞かれた。”

 これもどう判断するか。「先生の努力次第」のやりとりはこう。

塩村都議:
 今後、妊娠、出産に関して
 悩みを抱える女性たちの問題に対し
 どのような対策をしていくつもりなのか
 具体的な取り組みをお願い致します

ヤジ:
 いやー それは先生の努力次第

 政治に近いところで話を聞くと、もっとも面倒なのが共産党と公明党で、どちらも漠然とした理想論しか言わず、具体的な事例をもって改善を迫らないといいます。

 権利意識の肥大化した現代の象徴のような存在で、文句はいう。改善する方法を考えるのも実行するのもお前ら仕事、ということです。

 今回のセクハラヤジでも問題視されるように、女性議員が少ない現状からみれば「先生の努力次第」とは、セクハラではなく政策にかけたヤジとみるべきではないでしょうか。

 念のために述べておきますが、セクハラを許容しろとかヤジを見逃せというのではありません。ただ、あまりにも悪辣な報道への怒りです。

“日本音響研究所の鈴木創所長は、「自分が産んでから」の発言について「ノイズの影響でクリアではないが、そう発言した可能性は十分ある」”

 と、専門家が示した可能性を断定調に報じます。

 さらに「モーニングバード」では別の専門家を引っ張り出してきて語らせているのは、鈴木所長が事実に謙虚だったからでしょう。不確定なまま断定しないのは科学に接する職業の常識です。あ、本当は「報道」もそうなのですが。

 これは前回紹介した毎日新聞からの引用ですが、

「まずは、自分が産めよ」「子供を産めないのか」「子供もいないのに」

 の3連続コンボは確認されていません。

 また、発言も微妙に異なります。朝日が煽っていたことは言うまでもないでしょう。

 一連の騒動に絡めて、池上彰(左翼)が朝日新聞紙上で、各紙がこれを取り上げないのはおかしいと寄稿していました。

 ジャーナリストを自称しながら「事実確認」を怠りながら、しかし、自分の言葉ではなく、人様の行動をもって批判しようとする「手口」は朝日やNHKがお得意とするところです。

 2週にわたってセクハラヤジを取り上げたのは鈴木某を庇うためなどではありません。

「集団的自衛権反対の報道」

 に通じるからです。未確認情報、想像、妄想、特定の主義主張を散りばめ、思いこみでコーティングします。

 そして反対の声を許さない空気を作り言論を封殺します。

 これこそまさに「戦中の空気」であることに、声を荒らげる左翼が気づかないのは、連中はアレだからです。

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