マクロ経済学入門<第2版>

新自由主義者で竹中平蔵の不愉快なお仲間のひとりで、今日まで続くデフレを加速させ、格差社会の実現に貢献し、日本資産を米国に売り飛ばす売国陣営という認識だった著者の中谷巌一橋大学名誉教授。

書評に当たりいまや読売新聞より見識を持つ「ウィキペディア」にあたると、2008年に自著により新自由主義や市場原理主義と決別し、立場を一転させたとあります。なんだかなぁ。

消費増税に当たりマクロ経済学をかじってみました。批判や主張ではなく、学問としての入口を覗いた程度ですが、かじるための選書では立場の異なる著者を選んだつもりで、中谷巌教授は新自由主義陣営、つまりは小泉竹中路線とみていました。

だから、気になったのは「デフレ」の説明におけるこの箇所。

“構造改革によって物価が下落し、国民所得が増加する場合もあるので、デフレを「持続的な物価下落」とする限り、必ずしも悪いことだとは限らないうことに注意してください”

これは本書の「まとめ」に近いところで、しれっと記載されているモノですが、ながらく式とグラフで説明してきたことと整合性がとれません。

かじっただけの私の解説ですので語弊は覚悟の上ですが、式とグラフでの説明とは

「相関関係」

です。方程式であり、そこは法則に従って動くと前提するモノです。で、正直、ちんぷんかん・・・読み飛ばしたグラフも少なくありませんが、読み進めるウチに、論理的整合性に頷きました。

例えば読み下せばこんな感じ。

「物価が下落すれば企業は売れないので供給量を減らそうとする。
供給量が減れば労働力の必要性も低下し、連動して労働者の所得が減る。所得が減った労働者は購買を控え、物価はさらに下落する圧力にさらされる」

ところが最後に「悪いことだとは限らない」とあります。枕詞は「構造改革」。馬脚を現したなと思いきや、すでに宗旨替えをしており、誤りに・・・というか、マクロ経済学の基本に返ったのかも知れません。手元にあるのは2007年の2版なので、以前の主張のモノなのでしょう。

そして本書を読んでの結論。

「増税はデフレを呼ぶ」

これは「租税乗数」と呼ばれるモノで、みんなが少しずつ消費を控えることで、増税分以上の減収になるというものです。

数式はグラフは読み飛ばしても、文章だけでもマクロ経済の概要にふれることができます。

■マクロ経済学入門<第2版>
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