「アゲるテレビ」から教えられたこと

フジテレビの午後のワイドショー「アゲるテレビ」に早くも暗雲を見つけます。白血病から復帰した大塚範一さんがMCを務めるはずが、残念ながらの再発で、頑張って療養し、できれば番組に合流して欲しいと本気で願っています。しかし、やはり残念なフジテレビ。こりゃもっと1年でしょうという滑り出し。

もうひとりのMCは日テレの西尾由佳理さん。本当に女子アナの転身は視聴者を混乱させ、テレビ局へのロイヤリティを損ねていることに気がついているのか別の話。ズームインから2年経っていることからまぁ見逃せるレベルではありますが。で、大塚範一さんお代役は、フジテレビアナウンサーの中村光宏社員。お姉さんと弟という並びに好感を持ちます。貼るらしいフレッシュさです。

ところが内容が残念。まずテーマソングがCPP(きゃりーぱみゅぱみゅ)。そこ票田じゃないというか、むしろ壇蜜よりも遠い視聴者になにを訴えかけたいのかわかりません。「アゲるテレビ」のタイトルから「アゲメン」と称して、ライフネット生命の副社長をフィーチャーしますが、主要視聴者層からみれば「だれそれ?」。イケメンインフレの昨今ならイケメンと呼ばれるでしょうが、すでに「(笑)」が裏にあることを視聴者は織り込み済みです。

1時58分と前倒しで始めるも、2時になると西尾由佳理によるニュースコーナー。で、裏番組の王者「ミヤネ屋」では、蓬莱さんが街にでて、いつものスタジオからの宮根のいびりに堪えるというお約束の次は、トップニュースが「羽賀研二収監へ」。いまさらですが、目を惹きます。すると立て続けに、上原さくら、中島知子、とどめはキム・ヨンジャ。そこでしょそこと、ザ・芸能ネタ。

これは「アゲるテレビ」の責任ではありませんが、前番組のソープオペラが前作の陽気な「モメる門には福きたる」から、水野美紀のテレビ復帰策ともいえる『白衣のなみだ 第一部 余命』。ガンを扱った重めのドラマ。

先週までの「知りたがり」でも思ったのですが、客を見ていないフジテレビ。高見から自分たちの価値観を押しつけているのです。おしゃれでしょ? ぼくたち。知っているでしょ、賢いモン! って匂いがプンプン。そのクセ、その情報の底が浅い。というかいまチャンネルを廻してみると「レゴランド」。ってめざまし土曜日で鈴木ちなみちゃんがこのあいだ訪問していたところ。むしろフジテレビフリークからすれば馬鹿にされた感じ。

自分たちの感性というマスターベーションによる番組作り。客に迎合しろとは言いません。しかし、自分たちの感性を信じるなら、結果に対しては誰よりも真摯にならなければならない。コンテンツ作りにおいても、企業経営にしてももっともやってはならないことを、いまのフジテレビは教えてくれます。

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“「アゲるテレビ」から教えられたこと” への3件の返信

  1. >先週までの「知りたがり」でも思ったのですが、客を見ていないフジテレビ。
    >高見から自分たちの価値観を押しつけているのです。
    >おしゃれでしょ? ぼくたち。知っているでしょ、賢いモン! って匂いがプンプン。
    >そのクセ、その情報の底が浅い。

    これ以上フジテレビの低迷の原因を見事に指摘した文章を知りません。
    そもそもフジテレビの低迷の始まりは韓流偏重からですが
    私はフジテレビの韓流偏重の原因はフジテレビの「やりすぎ体質」にあると思います。
    70年代後半に萩本欽一ブームがありました。
    その時フジテレビは萩本にフジテレビと専属出演契約をしてくれと頼みましたが
    萩本に断られました。
    しかし、1980年に漫才ブームが起きお笑いの潮目が変わり
    その後萩本欽一ブームは終わってしまいました。
    フジテレビの韓流偏重もこれを同じだったと思います。

  2. 少しフジテレビの韓流偏重を擁護する追記をします。

    日本における韓流ブームの始まりは
    2004年にNHKで冬のソナタが大ヒットしてからでした。
    しかし、フジテレビは1986年にオールナイトフジの司会に
    韓国人女優の李恵淑を起用するなどしていました。
    フジテレビは冬ソナのヒットを見て
    「自分たちの先見性は正しかった」と思った。
    そして「韓流は自分たちが発掘したのだ」と思って暴走してしまったのではないでしょうか。

    ただ、こうしたフジテレビの性質は良い面もあると思います。
    フジテレビは自局でデビューしたフリーアナやタレントに対して非常に義理堅いと思います。
    白血病になった大塚範一さんを見捨てないフジテレビの態度にはとても感心します。

    あと、以下はまったくの蛇足ですが、日本における韓流ブームの原因は95年の野茂英雄の大リーグでの活躍にあると思います。
    野茂の活躍を見て日本人は格下の日本から来た野茂を受け入れて評価した米国という国の度量の大きさに感心しました。そして自分たちも米国を見習うべきだと思いました。
    実は日本人は韓流が好きだったのではなく、韓流を受け入れて評価している自分が好きだったのではないでしょうか。
    そしてフジテレビはこうした日本人の深層心理を見誤ったのではないでしょうか。

    1. ご意見ありがとうございます。
      韓流ブームについては2002年のワールドカップが見逃せません。日本が負けた試合に南朝鮮が狂喜乱舞し、韓国の勝ち抜けを我がことのように喜んだ日本人との違いはともかく。
      ちなみに日本単独開催がほぼ決まっていたものを共催に持ち込んだ影に、大手広告代理店「電通」がちらつき、フジテレビも同じ穴にいます。
      大塚さんの件は、フジテレビよりも「チームめざまし」ではないでしょうか。地盤沈下がはげしいフジテレビにおいて、レーティングで1位を堅持しているのは「めざまし」ぐらいですから。ただ、これはまわりの弱さに助けられているだけです。

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