池上彰さんが大活躍しているところも日本の病理です。
彼の「わかりやすい解説」って、分かることしか伝えていない
からで、その分かりやすさが「作為」を隠します。
昨日のフジテレビで「首相の晩飯」のような企画がありました。
森喜朗元首相の「料亭通い」を面白おかしく取り上げ、次に
麻生太郎ちゃん(親しみを込めて)のバー通いをあげつらいます。
批判を受けて、大学生と居酒屋にいったことを「良い」と持ち上げて
そのあと、ホテルのラウンジに行ったことを皮肉ります。
・・・ちょっとまてや。一国の首相が大学生ごときと戯れている
ことはパフォーマンスに過ぎず、本気で取り組んでいたとするなら
一国の首相としての資質が問われます。みぞゆう(しつこいですね)
の経済危機に瀕していた当時(からいまも)、安い居酒屋で大学生
の話を聞くより、経済界や海外の用心と会う、あるいは官僚を交え
て対策を検討しているべきときだったからです。
と、ここまでは「前振り」。
次に現首相の菅直人さんが持ち出されます。
「ごくうらーめん大千元」
で夕食を食べたと伝えます。首相になる前から通った店でと。
・・・これは虚報ではありませんが、トリミングされた情報です。
この数日前に首相就任後、頻繁に「高級レストラン」に通っている
と報じられており、加えて「代表選」直前に「庶民派」をアピール
するためだったというのが当時の報道の論調・・・が、一切語られ
ないのはどういうことでしょうか。
「庶民派」のアピールは主観から排除したとしても、高級レストラン
に足繁く通っているのは「事実」です。私は一国の首相がレストラン
や料亭で食事することには賛成です。やすい居酒屋やラーメン屋は
庶民のものであり、国家を代表するリーダーには、その任期中は
遠慮していただきたいと、それは自民でも民主でも共産党でも。
ところが池上彰さんは前述の森喜朗さんの料亭通いを語る流れで
「官房機密費」を持ち出し、それで払っているかのような暗示をか
けます。麻生太郎元首相は「金持ち」だからスルーしたとしても、
いま、官房機密費を使える菅直人首相が、高級レストランに通って
いることに絡めないのは「偏向」です。
自民党=金満、民主党=清貧というバイアスをかけているのです。
池上彰さんの左利き傾向は本人の思想信条の自由で非難するもの
ではありません。
しかし、「わかりやすさ」ではなく「わかった気にさせる」という
話術に耳を傾け、左傾化再教育がバラエティ番組で行われています。
これは穿った見方ですが、メディアに潜り込んでいる「分子」が
中道に目覚め始めた日本人に危機感を覚え、活動している気がして
なりません。
ちなみに「国防」や「領土」におて海外では右左で基本姿勢が
変わることはありません。