ハッピーマンデーという社会実験の仕分け

 明日の昭和の日を皮切りにゴールデンウィークがやってきます。

なんでも明後日の4月30日と、来週の5月6日と7日の木金を
休めば11連休になる人もいるようです? 誰でしょう?

製造業の工場などでは中途半端に機械を動かすより、まとめて
休んだほうが効率がよいのでという話しを耳にします。しかし、
多くの場合、他の土曜日や、繁忙期は休日出勤しているということ
で「代休」の意味合いが強いといえるでしょう。

それでは誰か? 公務員? これも・・・大声で言えませんが、

「団体職員」

と俗に言われる方々ともなると、若手に出勤させておいて(と、
いってもカレンダー上は祝日でも日曜日でもありませんが)、
偉いさんは理由をつけて長期連休をとるという話しを当事者から
聞いたことがありますが、公務員だからと全員が有給休暇をとれ
るわけでもなくステレオタイプにあげつらうのはフェアではあり
ません。

では・・・と、突きつめていき、浮かぶ仮説は「幻想」です。

理論上は3日間の有給で11日連休となり、また、実際に取得す
る人も少なからずいるでしょうが、日頃、しっかりと週休二日で
かつ、残業もそこそこにゴールデンウィークも休める。

という労働者の憧れが生んだ「幻想」ではないかと。

我が子の寝顔しか見られない平日に、土曜日は持ち帰りの
サービス残業。油がしみこんだ手のひらで弁当を流し込む
日曜日の工場。

こうした「前提」があっての「11連休」とするならば、
うらやましさも、妬むこともありません。が、「華」がない。

そこで事実関係には触れずに「休み」だけをクローズアップ
することで生まれた「幻想」。

もっとも、前述の「団体職員」のような

「労働貴族階級」

がいることも事実なのですが。

しかし「土曜日休みじゃないし」。

この前提に立てば、今週は明日の昭和の日以降は2日間の労働日
があり、来週は木金土と3日間の労働日が待っています。

そして思うのです。

「休みの経済効果って本当なの?」

明後日の4月30日を休みにする「社会実験」を民主党・・・
もとい政府が促します。今年は一部地域ですが、休日分散化という
取り組みの一環です。

なんども「社会実験」が登場するのは「理系首相」の面目躍如と
いったところでしょうか。ただ学者が3人集まると結論が出ないと
いう慣用句もあるのが気になるところです。

さて、昨年の秋の大型連休のように、カレンダーの並びによって
レジャー需要が喚起されることは確かでしょう。また、1000円
高速や各種割引により消費は刺激されます。

ただし刺激は永遠ではありません。端的に述べれば「慣れる」、
続けて「飽きる」ものです。

思い出してください。
「ハッピーマンデー」が導入された時のことを。

土日にプラスして月曜日を祝日にすることで三連休になる。
その休みに観光地やレジャー産業が賑わい、移動や宿泊といった
関連産業も潤い経済が活性化するといわれたことをです。

いまから10年前に施行されたハッピーマンデーを推進した
「祝日三連休化推進会議」より意義を以下に抜粋。

○ゆとりある生活スタイルの実現
余暇活動の機会が増えるとともに、新しい生活スタイルの実現が
より容易となり、心身のリフレッシュ、自己実現、生活の楽しさ、
豊かさを増すことにつながります。

○休暇の分散による混雑・渋滞の緩和
年末、年始、ゴールデンウイーク及びお盆の時期に集中する旅行
や帰省、さまざまな活動が他の時期に分散し、行楽地や交通機関の
極端な混雑や道路渋滞の緩和が期待されます。

○地域の活性化及び経済波及効果
旅行などさまざまな活動が活発となり、地域の活性化に貢献します。
また、関連する多くの産業への経済波及効果も期待できます。

○祝日本来の意義の浸透
祝日の趣旨を反映した行事や活動を三連休時に行うことが可能と
なり、祝日の意義がより国民に浸透します。

はて10年ひとむかし。いや一区切り。
なにがどうかわったでしょうか?

ゆとりの見直し・・・は、教育界の話しですが、社会はギスギスと
して自己実現ができていないことが自己啓発セミナーの跳梁跋扈を
許しています。鬱病の増加も見逃せません。

混雑の渋滞はいわずもがな、経済効果などは論外。祝日の意義に
ついては議論にもなりません。

もちろんこれは自民党連立政権による政策です。

さて、現政権の観光庁長官 溝畑宏氏の発言。

「旅行の埋蔵需要が引き出され、結果的にプラスの経済効果が大きい」

この方、前原大臣の幼なじみで、民間から登用といえなくもあり
ませんが、ご出自は自治省のお役人様。

いま、沢尻エリカ嬢と小沢検察問題ですっかり支持率アップという
目論見の外れた

「事業仕分け」

ですが、政治屋さんの本文は「法律」を作ること。

ならば、連休分散化の「社会実験」のまえに、やるべきことは

「ハッピーマンデーという社会実験の仕分け」

でしょうが。
なにかつっこまれると

「旧政権が」

と逃げ口上をうちながら、「政治と金」「ばらまき」そして

「連休をながくする」

とこれまた自民党と同じ政策を打ち出すのは如何なものか。

政権交代で閉塞感が打破される。これが「幻想」であることは
もうご存じですよね。

そして社会実験に振り回される地域の皆様。ご愁傷様です。

これも「国民の意思」の一部ですので、話のタネになるとご協力
いただければ。「国民の意思」とはもちろん民主党に政権を預けた
ことです。

 

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