シルバーウィーク。といっても月火は半ドンで仕事をし、昨日は
ほぼ1日仕事をしていました。
「働くからこそ休まれる」
これはBIGINの「オジー自慢のオリオンビール」の一節です。
週休二日も休めば充分すぎるほどで、実際の所、今回は原稿の締め
切りがなく土日を完全に休んだお陰で、月曜日にはなんだか暇すぎ
て落ち着かなくなったものです。
通常はマイコミジャーナルの締め切りが月曜日ということもあり
土日は執筆しており、完全に休みというのは滅多にないので満喫し
ました。
そしてこれは恨み節ではありません。仕事は楽しいのです。
責任感と満足感と達成感が満たされる最高の娯楽です。
で、シルバーウィーク。この不景気に、格差社会に、貧困が拡大
している「らしい」このご時世に休みとなって・・・渋滞が伸びて
います。
我が国の格差社会の実相がここに浮き彫りになっていることに触
れたメディアはありませんでしたので代弁しますが、
「そんなに酷くないし遊びにいける余裕がある」
ということ。
しかし、今回はイレギュラーケースとはいえ、祝日と祝日の間は
国民の休日にするという「オセロ休日」や「繰り越し休日」など
本末転倒がまかり通っています。
祝日には由来があり、由来を祝う(または記念する)から存在す
るのであり日曜日ではありません。秋分の日とは「皇霊祭」が戦後
名前を変えたものです。
私が「政権交代。」とした党を支持できなかった理由に国防・
外交に加えて「教育」をあげたことにも関係します。
歴史に根ざした「祝日=ハレの日」が労働者の権利にすり替え
られていることへの危惧です。それはともすれば日本が本当に
日本人だけのものではなくなる、いや日本人とはなんぞやという
議論そのものが消失してしまう危機感からです。
外国人参政権にふれると広がりますので今回は棚上げしますが
鳥取県の小中学校で「学力テスト対策」をしていたと報じられま
した。
文部科学省の全国学力テストの直前に、いわゆる「過去問」を
授業や補習で実施していた学校が7校あったというのです。
7校が多いか少ないかですが、県内203の小中・特別支援学
校への調査で、約4割に当たる85校からの回答中の7校です。
つまり8%、分母から推計すれば16.7校あったのではない
かとなります。
これは同県教職員組合の調べで明らかになったもので、鳥取県
では学校別成績開示がなされ、この対策としてなされたのだという
見立てです。
「個別データの開示が競争をあおり、教育現場を追い詰めている」
とは、調査を発表した教職員組合の談話。
まず議論がおかしいのはこの過去問などのテスト対策が「ずる」
だということに触れていないことです。
実力を計るはずのテストに有利になるように悪知恵を働かせた
先生がいたということです。
それともこういうことでしょうか。
「ズルをしなければならないぐらい追い詰めたほうが悪い」
私が子供の頃「ズル」とはもっとも忌むべきもので恥ずかしい
行いでした。教育の現場ではズルを咎めるものはなく、ズルを放
置し、ズルに荷担することの方が「競争」より美徳となっている
のでしょうか。
そこに日本人的なるものを見つけることはできません。
あえて「政権交代。」の選挙で「教育」を重視するとしたのは
そろそろタイムリミットが近づいているからでした。その期限と
は
「日本人的価値観の喪失」
です。戦前、または戦前生まれの親に育てられ、教師に薫陶を
受けた世代がいなくなります。
もうすでに「じいじ、ばあば」が戦後教育世代です。そして
世代を重ねるごとにそれが常識となり、過去の価値観が完全に
消失霧散しようとしています。
ズルに対しての嫌悪感も薄れ、どちらかとえば、ばれなければ
自分もズルしたいと思う人が増えているとすれば、世界に勤勉を
誇った日本人がレッドデータブックに掲載される日は目前です。
「働くからこそ休まれる」
ズルをした先生と、シルバーウィークに疑問を持たない風潮に
通底する何かに恐怖します。