月刊WiLL 2016年1月号「メディアに正義はあるのか」

 今月のオススメは「宮脇睦」氏の・・・はともかく、テレビでもお馴染みの北村晴男弁護士の

“マスコミが招く民主主義の危機”

 は、メディアの出演者側からの指摘で興味深い。いわゆるネット情報を裏打ちしています。それもそのはず、いまでこそひとつひとつが話題になることは減りましたが、もっとも勢いのあった時代の「2ちゃんねる」には、多くの業界関係者が「寄稿」していたからです。あ、「暴露」ともいいますが。

 そして短編ながら、杉田水脈氏の

“地方自治体が「赤旗」を支えている”

 は必見。自治体職員としての勤務時代、

「係長になると“しんぶん赤旗”の購読義務が発生する」

 との告発は由々しき事態。とはいえ、この件、心ある全国の地方議会議員が立ち上がり、個別撃破で締め出しを図っているところで、これが実現すれば日本共産党は干上がります。

 週刊新潮がスクープしたように、虎の子である代々木の不動産を手放し、党費の未納が続くなど、台所事情は厳しいようです。かつてのナンバー4である筆坂秀世氏が、著書で告発しているように、党員は手弁当どころか、党に搾取されており、現代の蟹工船だという実体を放置したまま、脱原発に消費税の廃止など「きれいごと」を並べる姿には胸焼けがします。というより、半島北部の世襲の王国のように、民が貧しくても肥える王様の姿こそ、共産主義のあるべき姿なのでしょう。絶対に嫌です。

 ネットでも名高い池田信夫氏の

“「福島の死者」を待っている朝日新聞”

 はそのタイトルだけで、言い得て妙。

 軍事評論家の潮匡人氏の

“「TBSの顔」岸井成格とは何者か”

 という問いかけには私が答えておきましょう。

「安全圏に身を潜め銃を撃つテロリスト」

 です。活動家として名を挙げたなら、その思想における「正規軍」ですし、国益を中心に据えての政権批判ならば「言論人」ですが、報道番組という安全圏にいながら国益を害するのですから「テロリスト」。潮匡人氏の指摘を読めば、この比喩表現に頷くことでしょう。あるいは「便衣兵」の方が正しいかも知れません。

 「スクープ」と銘打つ遠藤誉氏の

“毛沢東は日本軍と共謀していた”

 は、丹念に事実を時系列で整理して見えてきたもの。さすが。

 ただし、本稿の真意はスクープにあらず。日本、台湾、中共との関係を一気に決着を付ける千載一遇のチャンスであり、それはラストチャンスだという理由は、蔡焜燦(さいこんさん)氏の評伝、

“母国は日本、祖国は台湾(瀬戸内みなみ「我が人生に悔いなし」)”
 に詳しい。
 端的にいえば「当時」を知るものがいなくなるから。

 日本だった台湾、台湾人が何を思い、どう生きてきたか。

「チャンコロ」とは、中華系への蔑称。アメリカ人をヤンキーと呼んだようなもの。いまだに朝鮮人は、日本人を「チョッパリ(豚の足、草履や足袋の形から)」と呼ぶようですが。

 中学に上がると、本土からやってきた日本人が、台湾出身の日本人に対して「チャンコロ」と呼ぶようになります。差別意識もあったのでしょうが、対して蔡氏らは連中を「ボンクラ」と小馬鹿にします。

 根深い対立があったのでしょうか。蔡氏は語ります。

《何年か前、熊本県でそのひとり(チャンコロと呼び、ボンクラと呼ばれていた日本人※筆者注)が亡くなった。そいつは、『台湾の奴らはみんなおれの兄弟だから連絡してくれ。蔡にはおれの葬儀委員長を頼む』といい遺したんです。だからぼくは、熊本の八代まで行きましたよ」》

 さらにこんなエピソードも紹介されます。蔡氏は陸軍へ進み、そこでは「チャンコロ」と呼ぶ者はなく、勉学に励み、技を競い合い、上官に心からかわいがってもらっていた。その教育隊で敗戦を知ります。

《茫然自失の日本人たち、「独立だ!」と叫んで食料倉庫、被服倉庫で集団で強奪する朝鮮人生徒たちを、蔡たち台湾出身生徒は葛藤を抱えながら見ていた》

 国柄が表れるエピソードです。

 複雑な思いを抱え、「祖国 台湾」の復興のためと帰国すると、待っていたのは台湾に流れてきた国民党による恐怖政治。結局、中華文明ってそういうものなんだよね。って話し。

 知的好奇心を興奮させてくれるのが、

“アメリカは中国に騙されたのか”

 代表的なパンダハガー(親中派)だったマイケル・ピルズベリー氏ですが、中国の100年単位での「野望」を知り「転向」します。その彼と、分かりやすく言えば「対中強硬派」の論客 田久保忠衛氏との対談で、40年来の交流を下敷きに、放たれるジャブの応酬は、インテリジェンスのマスボクシング(倒すことを目的としないスパーリング)。「朝まで生テレビ」のような下品さはここにはありません。

 充実の連載陣のなかで気になったのが「蒟蒻問答」。また、緊迫の終戦秘録を連載中の堤堯氏の名前がないのです。

 失礼ながらの不吉さを覚え、目次を辿ると「特別編」とあり、対談相手の久保紘之氏の名前しかありません。

 あわてて234ページをめくると、「入院」の2文字が目に飛び込み、焦る気持ちで行を追うと

「酔っぱらって階段から落ちて入院。襲われたかもしれん」

 と本人談。酒席の増えるシーズン。皆様もお酒はほどほどに。

■月刊WiLL 2016年1月号「メディアに正義はあるのか」
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