ビットコイン狂想曲:ビットコインとは(1/8)


日本最大のビットコインの取引所、「マウント・ゴックス」がサービスを停止しました。同社のマーク・カーペレスCEOは「まだ日本にいて、関連企業のサポートを得て問題解決に向けて懸命に働いている」とコメントしていますが、ネット上には同社保有の「ビットコイン」が不正アクセスにより、既に盗まれており、弁済能力がないと告発する文章が流通しています。

今週、2本の連載で「ビットコイン」の問題点を触れました。入稿はマイナビが先週の月曜日で、Web担が先週の水曜日ですから、この事件が起こるとわかって書いたものではありませんが、焦って取り上げたのは事実です。なぜなら、いつ破綻するかのチキンレースだったからです。

ここで本稿ではじめて「ビットコイン」に触れた方のための足早な解説。足早すぎて事情通からみれば、不足カ所もあるでしょうが、いまさら「たまごっち(白)」のレア度を語っても仕方がないような話なので、どうしても主張したいことがあるのなら、ご自分のブログやTwitterでどうぞ。

ビットコインとは仮想電子通貨で、サトシ・ナカモトなるこれまた「仮想人物」の発表した論文を元に設計されています。数式により「埋蔵量」の上限を定めることで、インフレの発生確率がゼロとなり、計算処理により偽造や模倣のリスクがゼロになることで、通貨としての健全性を担保するというものです。

世界的に注目を集めたのは「キプロス」の預金封鎖です。EU加盟国は通貨を自由に発行できません。通貨を多く発行することで、借金の目減りを目指すのは世界中のどこの国でもやっていることで「量的緩和」などとも呼ばれます。ところがEU加盟国は各自での通貨発行は認められていません。

そこで「キプロス」は、国民の預金に税金を掛けると決め、準備として「預金封鎖」を目指したら、こりゃたまらんとキプロス国民が、お金を国外に逃がすために利用したのが「ビットコイン」でした。

ビットコインは電子情報で、大雑把に言えば「メール」と同程度の情報で、一般的な海外送金に比べれば、破格の手数料で送金できます。さらに国家の制約を受けないことも魅力のひとつとされていました。中国での利用が活発になった理由ともされています。

ところが通貨とは国家です。後述しますが、国家の管理できない通貨が流通することは様々な害悪をもたらし、経済基盤の弱いEU加盟国の、財政破綻の噂が絶えない理由のひとつです。インドネシア、ロシア、支那など、ビットコインの利用停止を表明した国が出てきたのは当然と言えば当然です。

一方で「容認」をほのめかしたのが米国です。前米連邦準備理事会(FRB)議長のバーナンキが2013年11月「(仮想通貨は)長期的に有望」と書簡で表明したことで、推進派は色めき立ちます。

計算処理により取引が完了するビットコインは個人の特定を不用とします。単純にいって、計算があっていれば誰のカネかは問わないのです。だから、マネーロンダリングや、武器・麻薬などの取引に使われているという黒い噂が絶えず、そちらへの監視は米国国内でも議論されるなかでの発言だったので、一種の「お墨付き」となり、議論は「規制」から「管理」と移っていたのが、ここ最近の米国のトレンドでした。

ビットコインにはもうひとつの懸念もありました。「相場」です。ビットコインの総量は2100万コインと限られ、いまは1200万枚が発掘済みとされ、残量はありますが、これを欲しがる人間が増えれば、コインの相対的価値は上昇します。

“2010年にLaszlo Hanyeczさんがピザ2枚を1万BTC(ビットコイン1万枚)で購入したのが最初だと言われています。記事執筆時点で、1BTCの交換価値は137ドル(約1万3300円)なので、現在の貨幣価値で言えばこのピザは1枚6650万円したということになります。
GIGAZINE『仮想通貨「Bitcoin」とは一体何か、どういう仕組みかが一発で分かるまとめ』より )”

この記事が書かれた後に、先のFRB前議長の発言があり、価格は急騰し、今回の事件が発覚する直前のレートで換算すると3〜4億円といったところでしょうか。

1BTCが1000ドルを超えたと思えば、一晩で半値になるなど、相場の乱高下の激しさはまともな通貨ではあり得ないことです。金融界では、いわゆる「投機商品」のレベルに見られており「投機」を一般用語に訳すと「博打」です。

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