マクドナルドが「店長」に「残業代」を払うと発表しました。
これは「残業代未払い訴訟」以降の世論を受け手の合理的判断で
経営に影響するかという質問に「ノー」と答えています。
カラクリはこうです。
「店長手当を残業代に振り分ける」
要するに今まで定額で支払っていた「手当」を残業時間に応じた
形で支払いますと改訂しました。
しかし、職務は変わりません。
「アルバイトが急に休んだら？」
「シフト（勤務管理）が狂ったら？」
「アルバイトが集まらなかったら？」
・・・男は黙って・・・もとい、管理能力を問われることを怖れ
るあまり口をつぐむ「店長」が出てくるかも知れません。
が、しかし。それは「店長」個人の自己責任の自己判断です。
よりグレーゾーンに染まったなぁというのが私の見立てです。
ただ、マクドナルドの経営者側から見れば、価格に人件費を
転嫁できない以上、やむを得ないというところでしょう。
「１００円マック」
にそこにいくらの人件費かかっているでしょうか。
と、考えれば最近リバイバルヒットしている「蟹工船」と
ダブって見えます。
但し、マクドナルドだけを非難するつもりはさらさらありませんよ。
だって私たち日本国民は「職業選択の自由」が与えられている
わけですからね。
私の最期の会社員生活は「営業」で終わりました。
実態は多岐にわたりましたが、評価は営業成績で、待遇も営業マン
とまったく同じです。
営業マンには「職能給」が支給される引き替えに「残業代」が
一切出ません。
「個人裁量による職務」
が理由で、早く終わらせればいつでもあがれるが「建前」とし
てありました。その為、休日出勤も早朝も深夜にも手当はつきません。
かろうじて休日出勤の「代休」は認められていましたが、月２回の
休む権利の「公休日」は、年度替わりで「消失」することになって
いました。
それでは仕事が早く終われば帰れるかというと、そこはそれ。
他の営業マンが帰社するまで残っているのは暗黙のルールです。
また、残業が続いたときなどは「定時退社」を促されることも
あるのですが、それを役員や他部署に見つかると
「成績はどうなっている」
と横やりが入ります。
しかし、自分で選んだ職場ですから仕方がありません。
そして私は独立を選び、当時の同僚は殆どまだ会社に残っています。
たまにあうといつも愚痴をこぼしていますが。
労使問題はどちらか一方ではなく、「経済合理性」から見れば
過酷な労働者イジメが永遠に続くというはあり得ない話しです。
だって、労働者は会社を離れれば消費者となり一市民です。
「悪口が出ないはずがない」
人の口に戸は立てられませんし、悪評は巷の大好物です。
あの「飛脚」の運送会社の待遇の悪さは伝説的ですが、その後の
バブルで人材確保に苦労して、大分カイゼンされたといいます。
私は労働市場も含めてある程度の「自浄作用」があるものと
信じています。それが自由経済かと。もちろん、官や政治屋さん、
それから
「資本家VS労働者」的な思想から脱却しないマスコミ
の横やりさえ入らなければ。ですが。
今後不採算店はＦＣなどに転換して、難しい場合は閉鎖する。
これはセブンイレブンの偉いさんの発言です。
以前にも少し触れましたが、いまだ誰も取り上げないので
しつこく追いかけます。
・・・一般論からすれば「販管費」が合理化できる、組織経営
のほうが採算は良いはずです。
当てはまらないのは「縦割り」という組織の壁があり、さらに
「単年度会計」で連続性がなく、そして年齢を重ねるごとに
下がることのない「高い人件費」となる公務員ぐらいです。
蛇足なフォローをいれると優秀な公務員がいても、上意下達で
前例主義、縄張り死守の現行制度では能力を活かすことが難しい
ということです。
ＦＣ店の看板はセブンイレブンでも「●●商店」といった、
個人経営となります。
冒頭の発言からすれば、
「個人経営なら継続営業ができ、直営店なら閉店」
となります。つまり
「セブンイレブン社員の給料は異常に高い」
ということ・・・行け！ マクドナルド店長！
もしくは。
「ＦＣになれば自己責任。寝る間も惜しんで働いてよ。
こっちはロイヤリティーで損はしない仕組みで、ちみが
頑張って儲かれば、しっかり上がりをせしめるからね」
・・・我が町足立区周辺では次々とコンビニが閉鎖しています。
