ひと言で評するなら「おもしろいこわい」。
事実(ノンフィクションであるということなので)は早い段階で
語られます。
「大量破壊兵器などなかった」
イラク侵攻にアメリカが高らかに掲げた「大儀」が崩れます。
崩れたのはドイツ。亡命を求めたイラク人の嘘です。
いや正しくは崩れるどころか初めからなかったと本書では結論
づけています。
そして「おもしろい」のがこの結論が先に提示されたにも関わ
らず「戦争」へと突き進んでいくアメリカの・・・CIAの滑稽
さが昭和の勘違いで進展していくコントをなぞります。
本書が事実であるなら・・・こわいです。
それぞれが自分の立場で小さな演出と都合の良い情報を選別して
多くの人の命が奪われ、いまもまだ混乱の中にあります。
ライス、パウエル、チェイニー、ラムズフェルド、ブッシュ。
知っている名前が登場します。
アメリカの傲慢。一人の嘘つきに振り回されたのはこれ故です。
■カーブボール 〜スパイと、嘘と、戦争を起こしたペテン師
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