ソーシャルメディアの限界についての真実 #smwtok_2

ソーシャルメディアウィーク(笑←このスタンスだから業界系の仕事が来ない理由は後ほど)東京2013ということにぴったりの記事を見つけたので「ITジャーナリスト」らしいエントリーを。というかこの「エントリー」というのも、一般人(圧倒的対多数の非IT系)には分かりづらく、ジャーナリストに広報・伝達の機能を求めるなら「記事」と書くべきだとは余談。

日経BP社の調べとして、今朝の日経新聞で見つけた「ソーシャルメディアでの販促が売上に結びつけにくくなっている」という記事。企業マンせーであり、IT系は最後に残された金づる・・もとい、フロンティアということから往年のジャイアント馬場の戦いを見守る全日ファンのような視線を送りつづける日経系にしては「真実」をついているなぁと読み込むと、数字的に効果が下がっている結論として、ソーシャルメディアの「利用者増加」を挙げ、つまりは「分母の増加による割合の変化」であり、効果はあるが全体の利用者が増えたので見かけ上の数字が下がったという、まるで「今日はこのくらいにしといたるわ」と引き下がる池乃めだか師匠のようなまとめ。

結論は2年前の「ドロリッチなう」です。各種連載で何度も触れましたが、新感覚の飲むCafeスイーツ(コピペ)、グリコ乳業「ドロリッチ」はそのキャッチコピーにあるように食感の「新感覚」から発売当初から注目を集めていました。にも関わらず、ツイッターがはやりだした頃、この新しい飲み物を飲んだことを現す「ドロリッチなう」とツイートし、それを面白がったソーシャルメディア(笑)を喧伝する連中が「ツイッターではやった」と話しをすり替えて、それを見つけた広告代理店が「これからはソーシャルメディア(ツイッター)です!」といつもの売り込みを開始して、大企業が無駄金を支払ったというのが事の真相で、つまりソーシャルメディアによる販促活動など、もとよりなかったことが露呈しただけの「王様は裸だ」現象。

いや、それで「豚組ナウ」の成功例は? これについてはWeb担当者Forumの原稿でも書きましたが、ツイッターの勝利ではなくマーケティングの勝利。そして広告代理店の思惑はさておき、「ソーシャルメディア!」という共同幻想が生まれた背景はいつも同じ。業界人風にいえば「アーリーアダプター」と呼ばれる「新しもの好き」は、アクティブというか、恥じらいもなく陽気にはしゃぎます。いいとしぶっこいて金髪を恥ずかしがらないような感性を支えるポジティブシンキングは親戚でも友人でもなければ爽快ですらあります。我が子なら、いま流行の体罰をかまして人格矯正しなければならない「なう」と躊躇なく人前に晒せる精神構造。彼らが消費し、見かけ上の販促効果を生み出します。しかし、それが消費限界、販促限界の近似値なのです。利用者が増え、購入者が増えることには、この「アーリーアダプター」という群生相のイナゴたちは、次の麦畑を見つけ飛び去ってしまうから、初期の数字から大きく伸びることはありません。

これはブログの時もセカンドライフの時も同じ。フェイスブックもその他大勢も同じで、いまならLINEも。で、これを指摘することは、広告代理店からと親しいWEB業界のタブーです。各種連載でもこうした「ジャーナリズム」を発揮しようとすると、「いや、ミヤワキさんにはそれを期待していないので」とのこと。なんどか差し替えを要求されたこともありますが、わたしも街角のちっぽけなとはいえ広告代理店の出身。事情は拝察致しますとリライト。基本的に業界の冠がつく「ジャーナリスト」は業界に媚びて仕事が増えるものです。そのなかでも「闇」まで触れるのは井上トシユキさんぐらい。

ソーシャルメディアウィーク東京2013によせて。成功を心から祝福しています。

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