グーグルは人類の知の資産として公開すべきではないか

 佐野元春さんの「ザ・サークル」というアルバムのプロモーション
だったかライナーノートで書いていたことですが、社会は「円環」
しているといいました。

前後しますが、この2年ほど前に「般若心経」にはまっており
仏教の専門家でないのでつっこみはご勘弁いただきたいのですが、
数冊読んだ中にあった「因果応報」の解説が「円環」と重なりま
した。

因果応報とはその解説書にはこうありました。

「すべての結果には原因があり、その結果が次の原因となる」

そして優しさも恨みも、切なさも愛しさも心強さもすべてが
繋がっており裁ち切り、単独で存在するものなどないと述べて
ありました。

「け、お高くとまりやがって」

俗物の私が理解するには佐野元春の登場が必要でした。
なるほど、佐野元春でもそう考えるのか。

ただし、知識というのは「情報」だけでは「智慧」とならぬ
ことを知るのはもっとずっとあとのことです。

私が多少「無理矢理気味」に事例を引用するのはこの円環と
因果に基づいてで、しかし気をつけているのは「陰謀史観」と
ならないようにです。例えばすべてはフリーメーソンの仕組ん
だことで、ある日はユダヤの陰謀で、時には宇宙人が影で
操っていたりとすれば「思考停止」してしまうことによります。

先週公開した私の連載「現場のノウハウ」にて、

「グーグル図書館」
(グーグル図書館の和解とピンハネ。知財立国を目指す国民の著者として)
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2009/05/27/5671

について触れました。
この中で著作権についての騒動を紹介していますが、
さわりに触れましょう。

グーグルは全ての情報をインデックスする。という野望の
もとに地球上、いや人類の触れることができる情報の全てを
コンピュータでアクセスできるようにしようと目論んでいます。

その一例が「グーグルアース」や「ストリートビュー」です。
野望はインターネットの中の情報だけではありません。

そして批判もあります。
グーグルアースは軍事施設の衛星写真についてクレームが
はいり、ストリートビューはご存じプライベート侵害の批判
があります。

さらに書籍をすべてデータベース化して利用できるように
しようというのが「グーグル図書館」です。

何が問題になっているかといえば「著作権」です。当初
グーグルは著作権の切れた書籍としていたのですが、流通が
とまった書籍もその対象とするといい、さらにそれ以前に
データベースにしているといいます。

これに「アメリカの著作者」が訴えました(正確に異なります)。
そして「和解案」が結ばれたとし、著作権に関する国際条約
に加盟する日本もその効力が発生するとして寝耳に水だったの
は日本の著作者です。

「聞いてないよ」

心はダチョウ倶楽部です。
著作者のひとりとしての「気持ち」を語りますとこうです。

「ちゃんとした説明がない」

和解案とされるサイトをみたのですが、難解な日本語で
説明を尽くそうとしている誠意を感じませんでした。私見です。

そしてここでお断りをいれておきます。「さわり」とは
要約で細部は私見でまとめています。さらに本件に関しては
グーグルというよりはグーグルの法的管理人というか、
なんか踏み込めば踏み込むほど迷宮に迷い込む感覚があり
詳しくはサイトをご覧ください。としかいいようがありません。

だって本件については下記が連絡先ですから。

Settlement Administrator
c/o Rust Consulting, Inc.
PO Box 9364
Minneapolis, MN 55440-9364
UNITED STATES OF AMERICA

はっきり分かるのは一番下にある

「ユナイテッドステイスオブアメリカ」

って、なんでやねん。

私は自分の記事の中で「妄想」としながらも、この図書館
が歴史の上書きをする可能性について指摘しています。

それは字数の関係で落としたのですが、彼らはうるさい国
には迎合し、文句をいわない国には好き勝手にやるという特性が
あるからです。

歴史の上書きについては先のグーグル図書館では著作権切れ
のほかにも著作者が許諾したものを掲載するといいます。
ならば特定の歴史観を持つ国家や団体が、思想に基づいた書籍を
各国語版で発刊してグーグルに寄贈したらどうなるでしょうか。

「大虐殺」「100人切り」「慰安婦」

話題になっているものだけでもきりがありません。

一方で、中国国内のグーグルでは「天安門」「法輪功」は
検索されないようになっており、ストリートビューもフランス
では大通りなどに限定されており、我が日本の我が町足立区の
殆ど誰も知らないフランスの古千谷本町3丁目のような住宅街は
世界に公開されていませんが、日本の古千谷本町は公開されて
います。

さらにアメリカの裁判ではこう主張しています。

「現代では完全なプライバシーなど存在しない」

・・・場所と抗議によっていっていることが異なると感じる
のは私だけでしょうか。

また中国では「MP3検索」まで協力しています。
日本では信じられないことですが、彼国では
携帯音楽プレイヤーなどのデータを公開しているサイトが
後を絶たず、それをダウンロードできるようになっていると
いいます。この検索に力を貸しています。

著作権って何だろう。コンテンツ(著作物という意味で)
をないがしろにしすぎてないかい? と呟いてしまうのです。

グーグル図書館では書籍が販売された場合、著作者に
いくばくかの代金が支払われるといいますが、料率は発表
されていますが基準価格は明示されておりません。

価格決定権はグーグルが握っており、ちなみに書籍とは
出版社、そして何より編集者とのコラボレートで生まれる
ものですが、日本のある出版社はこう漏らしていました。

「蚊帳の外らしいよ」

出版社への十分な説明がないと愚痴をこぼします。

いや、グーグルはすべての「知」の共有化を目指しており
その中で「著作者」の権利ばかりを主張するのは間違っている。

というひとがいるかもしれません。

ならば暴論をひとつ。

「グーグルはその検索技術とアルゴリズムを人類の
知の資産として公開すべきではないか」

えぇ、企業活動の根幹を揺るがす暴論であることは認め
ますが、なんだか他所のものへの遠慮はなく、自分のことは
秘密主義というところも今回の和解案を見ても素直に納得
できない理由のひとつで、さらに言えば

「中国に似ている」

と思うのです。この国も中国で販売する製品の

「プログラムコードの開示を強制」

することになったと通告しました。建前は

「安全性の確保」

となっていますが、各メーカーは

「パクられる」

と戦々恐々です。
なにせ

「上に政策あれば下に対策あり」

の国です。政府が集めたプログラムコードがどこに
転売されるか分からないのは

「毒餃子の払い下げ疑惑」

をあげるまでもないでしょう。

そして今、G8、G20などをなかったことにして

「G2構想」

が論じられるようになりました。これはアメリカと
中国が

「世界の2大超大国」

として世界を動かしていこうというもので、どちらも

「おまえのものは俺のもの」

という本性を

「メンツ」

で包み隠す性質を持っており奇妙な重なりを見つけるのです。

そこに「グーグル」。
奇妙に重なる円環です。

佐野元春さんはかつて歌いました。

「つまらない大人になりたくない」

無垢な子供のまま大人の力を身につけることに比べれば
常識に過ぎてもつまらない大人のほうが素晴らしいのでは
ないかと

「グーグルとG2」

をみていてふと呟くのでした。

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