黒電話とコードレス電話で通話料が違う

絶好調のauが端末販売について「セレクト」という新しい
プランを発表しました。

総務省が重い腰を上げ、メディアが報じる前から何度も取り上
げましたが、携帯電話の0円(1円携帯と報じますが、実態はこ
ちら)販売が成り立つのは、機種変更も解約もしない「常連」か
ら搾取したお金を回しているからで、ようやく本来の姿に戻る。

かと思えばさにあらず。まだ抗っています。

引用系ブログや、コピペ水増しメルマガと一線を画したいという
思いから詳述はURL先を見て欲しいのですが、ザックリいうと
携帯端末価格を月々の利用料から徴収する従来の方法と、端末価格は
高くなるが、その分、月々の利用料が安くなるというもの。

■au公式サイト
http://www.au.kddi.com/

ただ、このサイトを訪れ当該サービスを「クリック」すると、
表示されるのは「PDF」。

ここから、いかにも「俺、本当はやりたくないんだよ」具合が
透けて見えます。

技術というのもおこがましいのですが、「PDF」を画像(い
わゆるホームページ上で見る写真やイラストなど)にするのは、
1秒もかからずでき、それをリンク先にするのは最大で見積もっ
ても1分もかかりません。

PDFは「チラシ」を作るソフトからそのまま作れます。

そしてその「流れ」でホームページ上で見られるようにするの
は造作のないことです。

これは「深読み」でしかありませんが、リンク先をPDFに
すると閲覧率が著しく低下します。ブラウザによっては開くこと
を確認する画面が表示されるので、「いいえ」をクリックする人
がいるためと見られています。

プランを見ると「従来」を強調しています。

定石として横書きのレイアウトは上下なら上が、左右なら左に
重要なものを置きます。

従来を「フルサポート」、本来あるべき姿を「シンプル」として
後者にはわざわざ注釈が入ります。

「auからのサポートなしで携帯電話を購入」

と、前者は「携帯電話の購入価格の一部をauがサポート」。
充実した4つのサポートであんしん!

ちなみに本来あるべき姿は

「専用プランで料金をおトクに!」

と・・・「専用」として「素人」を遠ざけます。
お見事au! もちろん嫌みです。

従来型の「フルサポート」でカチンと来たのが、安心の4番目。

●安心をサポート!
保証や修理などのアフターサービスも充実。

・・・ってことは何かい?
今まで通りの「搾取型」でなければ、面倒は見ないよというこ
とかい?

専用プランにこの記述はありませんから、安くしてやっている
んだから自己責任でやれよ。

ということです。

常連の金を新規にばらまいていたいびつな構造を何一つ反省も
謝罪も、顧みることもなく、ある意味「怨み節」が見える

「新提案」

としか見えません。
通信事業という「既得権益村」の村民は気色の悪いほどのいさぎ
悪さで抵抗しています。

永らく玉座に居座り続けた「ドコモ」の引きずり下ろしに自信を
もった「奢り」と断じます。

是々非々論者の私が「断じる」のは実はそれほど多くないのですが、
今回の「そもそも」がおかしいからです。

順を追って説明します。

本来の姿に戻る「シンプルコース」とは、いわば自己責任です。
だから端末の故障に対して、auが責任を持てないというのは
分かります。

だったら「電機メーカーから売らせろ」となります。

NEC、パナソニック、ソニー(エリクソン)、京セラ、三洋、
シャープ、富士通、三菱、日立。

再編が著しいので撤退しているところもあるかも知れませんが、
「ネットで検索」をせずに、私の記憶だけで挙げた「携帯製造会社」
の名前です。

ヤマダやコジマで見る名前ですから「販路」は充分にもっている
企業ばかりです。今ならネット通販もありでしょう。

なぜ? 売らないのか。

回線会社によって設定が違う。

一言でこれを「嘘」というと語弊がありますが、相互乗り入れは
デジカメのメモリーカードを入れ替える程度の作業でできます。
いや正しくはできる「仕様」なのです。

電話番号やその他諸々の情報は「SIM」というカードにまとめ
られており、これを「差し替える」だけで、どこのメーカーの端末
でも使えるようにすることができます。

■ドコモの渡航時の注意を呼びかけるページ
http://www.nttdocomo.co.jp/service/world/roaming/info/safety.html

上記ページを見るとちゃんと注意を呼びかけています。

要約するとこうです。

「FOMA端末から抜き取られたら使われてしまいますよ」

つまり、回線の契約と端末とは本来は別次元の話であるというこ
とです。

だから、携帯端末を何年使おうが使うまいが通話料金に影響する
こと自体がおかしい、というのが「前提」だからです。

平たくいうと今の国内携帯市場は

「黒電話とコードレス電話で通話料が違う」

ということです。しかも永らく黒電話でダイヤルをジーコジーコ
回している人の料金で、最新型コードレス電話を0円で売っている
という異常な図式です。

auの「シンプルコース」は本来あるべき姿に一歩近づいています。

ならば、端末は「製造者責任」であるメーカーにと願うのですが。

・・・これも一筋縄ではいかないのが、自由競争となると今度は
売れないメーカーも当然出てきます。

従来も「売れない端末」はありました。
そしてこれらが「0円」で捌かれていたのです。

常連から搾取した利用料があてがわれるのですが、そもそも

「一定数を買い取ってくれる携帯回線会社」

があり、作って市場で売れなくても「売れる」という構図なのです。

電機メーカーとしても「自由競争」はリスクを背負います。
だから本音ベースでは避けたい。回線会社はもちろん。

そしてどちらも「スポンサー様」のメディアは・・・と。
いつも連鎖です。

今回のauの「提案」は一言で言えば「議論のすり替え」。

現状の既得権にしがみつきたい未練はPDFのチラシから滲み出て
います。

ちなみにどの端末でもSIMカードを入れ替えるだけで使えるよう
になる「SIMフリー」は私の記憶でも5〜6年前から、市場導入の
タイミングを待っているだけでした。

■SIMについて語られた2001年の記事
http://k-tai.ascii24.com/k-tai/special/2001/01/19/622124-000.html

ここでも既得権益村村民の習性である「先送り」が見えてきます。

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