東芝の冷蔵庫がご逝去なさいました。享年2歳300日。いや、まだ虫の息はあるのでいまわの際というところでしょうか。家電量販店の「長期保障」にはいっていたことから、修理を依頼するもいまだこず。
冷蔵庫が壊れたとき。その顛末と対応法をシェアしておきます。
冷蔵庫やエアコンは夏場に壊れます。統計を取ったわけではありませんが、電気屋から聞いた話です。
まずは保証書を探します。なければメーカーの有償修理となります。これは店の対応によるので、絶対ではありませんが、地域密着の電気店の場合、保証書を無くしてもメーカーに修理させてくれる店もあります。
いまはなき、足立区千住の「誠商会」は、そこで家電を買ってくれたお客さんの故障は、メーカーの営業マンを怒鳴りつけても無料で修理させていました。
いずれにせよ、ルールに従うなら保証書はマスト(必須)。説明書や保証書は、ひとまとめにしておくことをオススメします。ちなみに我が家は「仏壇の引き出し」になんでもぶち込んでいます。
冷蔵庫はビックカメラに買収されたコジマで買ったもの。コジマを選ぶのは、かつて西新井にあったコジマにいた女性店員の接客術に惚れ込んでいたから。移動でいなくなりましたが、コジマかヤマダで迷ったら前者を選ぶクセがついています。
メーカーは「東芝」。脱原発派としては忸怩たるものがありますが、それでも触れただけで開く「タッチオープンドア」は、この時、東芝製しか無く、まぁテレビも冷蔵庫も結果的に東芝を選んでいたのは秘密ですが、偶然ながら、すべて壊れなかったことも大きな理由です。
保障を利用するので購入した店舗に電話をかけます。故障に気がついたのは朝の8時、店舗が開く10時まで待たなければなりません。イライラしますが仕方が有りません。それが家電量販店です。
先の誠商会も量販店とはいえ、地場の電気屋ならもっときめの細かい対応も期待できますが、量販店の最大のサービスは価格。割り切りが必要です。
10時を持って電話をしての対応は以下の通り。
1:保障番号を伝える
2:症状を伝える
3:メーカーから折り返しの電話があると回答
4:ひたすらメーカーからの電話待ち
10時の電話に、メーカーからの返信は30分後。これはまぁまぁ早い方。ただ、東芝に期待したオイラがバカでした。
コジマに伝えた内容の復唱のような状況確認が終わると、東芝のサービスを名乗る若い男はこう告げます。
「21日になります」
故障したのが16日の土曜日の朝。21日は木曜日。その21日も午前中に、修理に廻る業者から電話があるというもので、その日に直しに行くとはひと言も言いません。
しかも、こちらに与えられた選択権は「21日か、それ以降」。
モノには言い様というものがあり、なぜ21日になってしまうのか、なぜ5日間も冷蔵庫が使えない不便な生活を強いられなければならないのかの説明が一切ありません。
家電量販店が謳うアフターサービスとは、要するに「金銭補償」で、入会していた長期保障も、年数が経過するごとに保障する金額下がっていく保険商品で、家電のプロフェッショナルによる修理、整備を保障するものではありません。
必ず直す、ではなく、直せる場合の修理費の一部支払いか、直せない場合、購入時から経年劣化で下がる商品価値を引いた代金を支払うという契約に過ぎません。
だから、完全に快適な家電ライフを求めるのなら、メーカー保証以外はつけずに、
「壊れたら買い直す」
という割り切りが、切れ目のない家電ライフには必要ということです。
もちろん、こんなことは知っています。東芝の対応にカチンときた理由は、交渉の余地が一切無い言い方に、ほぼ1週間冷蔵庫が使えない状態になったユーザーへの気遣いなど、一切感じられなかったことです。
東芝はへらへら。不正会計にもへっちゃらな社風をここに発見します。そしてこんな対応の社員を抱える東芝に、原発を扱う資格があるのか疑問に思いつつ声を荒らげますが、へらへら。
とにかく21日にしかできないよ〜ん、という態度。
東芝の体制はわかりませんが、この時期の電気屋は、エアコンの設置に狩り出されており、あるいは冷蔵庫の設置も大切な業務で、人手が足りない事情は分かってはいます。
ただ、クチのきき方もあろうに。そうしている間にも氷は溶けて肉は腐ります。それしかないなら、それに従うしかない。我々ユーザーにできることは次に東芝を選ばぬだけ・・・ま、東芝は家電部門を売り飛ばしたので、やってらんねーってところかもしれません。
21日になりました。いまだ東芝製の冷蔵庫は動かぬまま。冷やさぬまま。次は三菱・・・って、こっちはグループ会社が不正していましたっけ。すると、積極的に支持はしませんが、LGなどアジア製の「冷やすだけ」の冷蔵庫の安定感は捨てがたいモノがあります。
ここからが「対応編」。
その日のウチに修理が完了するなら「何もしない」というのも選択肢。冷蔵庫、冷凍室は「密封」されているので、故障前までの冷気でもたせることも夢ではありません。
しかし、翌日以降、あるいは故障に気がついたときにはすでに庫内温度が上がっていたら、いち早い対応が必要です。
まずトリアージ。完全に溶けてしまったアイスキャンディーのような即死組は放置し、密封されたバターやチーズのような、しばらく放置できるものも放置。残るは溶けやすいモノのなかで、食材として駄目になるとショックのでかい、蟹やエビ、高級牛肉などをレスキュー。
駄目になるという前提で動くということで、食べなければ後悔する食材を優先的に対応します。
役立つのは「発泡スチロール」。食品スーパーや八百屋などで、声を掛ければタダで貰えます。廃棄するのに費用がかかるので。オススメはリンゴ。我が家が常備しているのは「震災」への準備。
「常温」で放置できる食品がはいっていることもあるので、これらは取り出しておきます。なお「生卵」も常温保存ができる食材。直射日光でも当てない限り、常温でも大丈夫です。
発泡スチロールへいれるのは、その日のうちか、翌日には調理するなり、食べるなりするもの。結局、溶けてしまいますが、溶けるまでの時間を稼げます。
日頃から生菓子などについてくる「保冷剤」を冷凍しておくのは、省エネの視点からも有効。冷蔵室はある程度の余裕が必要ですが、冷凍室は満杯ぐらいのほうが、空気という熱の侵入を防ぐからです。
我が家もこれが大活躍。「ホッカイロ」ぐらいの大きさの保冷剤は、冷凍室で約2日、冷凍状態をキープしていました。
次に冷凍室を冷蔵室として使います。いまどきの冷蔵庫は、省エネ性能を高めるために、保温性と密閉性を高めているので「クーラーボックス」代わりに使えるのです。
ここに「氷」を投入。最近の食品スーパーでは「生鮮食品用」に、無料の氷が提供されており、これを常識の範囲内でビニール袋に詰め「保冷剤」とします。初期の冷蔵庫の原理です。
飲食用の氷も購入して活用。半日もすれば虚しくも溶けてしまいますが、飲食用で販売されている氷の溶けた水は飲め、素麺やソバをしめる冷水としても使えます。
そして直近の「燃えるゴミの日」には、心を鬼にしてトリアージした食材を廃棄。情けは禁物。なぜなら、腐敗は粛々と進み、それをみるたびに、惨めな気持と東芝への怒りがわき上がるからです。
タダでさえ負担が増すなか、ストレスを溜めるのは得策ではありません。
さらにマストアイテムが「ファブリーズ」。冷やすことをやめた冷蔵庫のなかは臭く、処置が遅れ、廃棄するまでと一時的に放置した食材が醸す匂いは地獄の苦しみ。ファブリーズはこの匂いを強制的に排除してくれます。
また、初期段階でシェアするのも一手です。我が家では行きつけの焼き肉屋から、毎月大量の「軟骨」を犬の餌として貰っています。出汁を取った後の、いわゆる「ガラ」で2〜3cm角に切って冷凍保存しておくと、ドッグフードに飽きた犬の食欲増進に便利です。
これもアウト。というわけで、完全に溶ける前に、ご近所の柴犬仲間に連絡しシェア。妹のところにもトイプードルがいましたが、緊急事態には「遠くの親戚より近くの他人」。
冷蔵用に投下する「氷」は固結びで水が漏れないようにしなければ、庫内が悲惨なことになるのは言うまでもないでしょう。
冷蔵庫が壊れたら。修理はあてにならないと諦めてください。直ればラッキーぐらいに。そして食材の整理、シェアは迅速に。
そして先ほど、修理担当から連絡が入り、午後4時半〜午後5時半までの間に訪問。つまり、今日も使えないということ。土曜日の朝、すでに庫内温度は上がっていたので、金曜日に故障して、修理にかかるのが翌週の木曜日の夕方、いや、実質金曜日といっても過言ではないのは、修理が完了したとしても、庫内が冷えはじめるのはその数時間後だから。
また、「修理不可能」という可能性も残されます。
なお、修理担当にれば電源を入れておいて欲しいとのこと。前面にあるコントロールパネルの明滅により、故障箇所が分かるとのこと。これ「東芝」は教えてくれなかったこと。
次は「アトム電器」にしようかとマジ考え中です。アトム電器は街の電気屋のフランチャイズ的な連合体なので。