安倍晋三が潰す千載一遇のチャンス

 安保関連法案が暗礁に乗り上げています。

「マスコミを懲らしめる」との議員発言により、さらに状況は困難になり、週刊誌報道によれば、安倍首相の応援団を自称するような議員らで、勝ち馬の尻尾にぶら下がる、平家の傲慢さを見つける思いです。

 発言も強く影響したのでしょう、ついに「毎日新聞」の世論調査では、内閣不支持率が支持率を上回りました。世が世なら、主君の大望の足を引っ張ったのですから切腹ものです。

 すわ、倒閣運動か! といっても、安倍首相に代わる人気者がおらず、自民党には「次」がありません。自民党結党以来の危機を迎えているという危機感もありません。

 先の「懲らしめる」発言の大西英男議員のような2回生らは、いわゆる「暗黒の民主党政権はいやだよ選挙」と、昨年末の電撃解散の2回の、つまりは「良いとき」しか知らないので、発言に重みも慎重さも無いのでしょうが、3期以上の議員は「野党転落」の恐怖をもちろん忘れてはいません。

 安倍首相を引きずり下ろして、党首に立ち、総理を襲名しても、総選挙は避けられず、そこで野党転落でもすれば、自民党はいよいよ解体するかも知れない恐怖のババ抜きです。

 こうした「火中の栗」を拾う、人材が自民党は払底しており、消去法からも「現状維持」しか打つ手がありません。

 だから、まともな野党がひとつでもあれば、政権交代が実現することでしょうが、そんなものはありません。だから、傲慢な平家議員が続出します。これが自民党の抱える、結党以来の危機です。

 そういった点から、安倍首相の運の強さは認めますが、国難が起こるのは、指導者に徳がないからだと責め立てる韓国国民の気持ちが理解できない私にとって、政治的運の強さと、安倍首相の支持は同一ではありません。

 また、安保法制については安倍政権に大いなる不満があります。

 いまのやり方では、国民の目を覚ます、千載一遇のチャンスを潰しかねないからです。千載一遇のチャンスとは、国内に巣くう「バカ左翼絶滅」です。バカを「反日」と置き換えても良いでしょうが、語感から本稿では「バカ左翼」で通します。

 自民党的な言論弾圧ではありません。国民がバカ左翼の正体に気がつくことで、国民が彼らの出版物を手に取らなくなり、出演番組に耳を貸さなくなり、講演会に足を運ばなくなった結果、ステータスにおける餓死状態、致命的な権威の失墜を目指すものです。

 まず、安倍政権の支持率が下がっていることは、さほど気にすることではない、というより、マスコミの執拗な政権批判=バッシングをうけて下がらない方がどうかしています。

 国民の反応は健全であり、異常さを挙げるなら、デマゴーグレベルの思いこみを垂れ流し、危機感を煽る朝日新聞、毎日新聞、東京新聞、赤旗新聞に、沖縄の2つの新聞、また、地方紙の大半もそうで、冷静さを欠いた報道をしていることに気がついていない時点で、彼らは報道人として失格です。

 読売新聞と産経新聞を除いた、新聞報道はすべて「バッシング」なのですから、それでも支持率はよく踏ん張っていると評価することもできます。もっとも読売と産経の政治面は「応援団」に成り下がっており、こちらは「プロパガンダ」で報道と呼ぶに値しません。産経新聞が保守を自認するなら、身内にこそ苦言を呈して欲しいのですが、その気配は見られません。

 日本の新聞は左右の色の違いはあれど、政治における報道の使命を果たしておらず、日経新聞は、財務省のポチぶりを遺憾なく発揮し、着々と増税への布石を連打しております。

 いずれにせよ、支持率の低下とは、マスコミのバッシングによる、いわば「ブーム」に過ぎないということです。つまり、憲法9条と平和を、神の言葉、至上の価値、永遠の真理と盲目に礼賛する、バカ左翼の主張が支持されているわけでは決してないということです。

 日本共産党を筆頭に、福島瑞穂の社民党、かつてはそこに籍を置き、主張も芸風もまったく変わらない辻元清美、というか民主党の半分は社民党や共産党と同じ色の人々で、

「徴兵制が始まる」

 と大嘘を拡散している「バカ左翼」ですが、国民はこれに賛同していません。

 国会審議で民主党が仮想敵国について、具体的な発言を求めていましたが、そんなことは一般的な日本国民なら、なんとなくながら知っていることです。

 日本周辺における有事の仮想敵国は中華人民共和国であり、朝鮮民主主義人民共和国=北朝鮮です。国民感情としては「韓国」もはいるかも知れません。悪化したままの、対中、対韓への国民感情が雄弁に物語ります。

 徴兵制の是非はともかく、国民は「敵」の存在に気がつきつつあり、それが安倍政権の支持率が、大バッシングにも拘わらず、第1次政権の頃と違い暴落しない理由のひとつです。

 国会審議で仮想敵国の「実名」をだすことは、事実上の宣戦布告と受け止められても仕方がないこと。という国際常識がないから、バカ民主党のバカ国会議員、彼らの総称を本稿では「バカ左翼」としています。

 なにより国民を「戦争」に引きずり込もうとしているのは、そのバカ左翼だからです。宣戦布告とは「これからお前の国と戦争しますよ」という宣言です。

 安保法制を巡る国会審議において、中国、北朝鮮の名前を挙げさせようとした連中こそが「戦争」を欲しているのです。違うというのなら、日本を取り巻く周辺諸国の動向への無知さの告白で、いますぐ国会議員を辞職すべきでしょう。国防に無関係な地方議会議員なら見逃すことにやぶさかではありませんが。

 大袈裟な話しではありません。

 そもそも論で、日本における(バカ)左翼勢力とは、最終的には共産革命、あるいは社会主義革命を望む人々で、現行政府=体制は打破されなければならないと考えており、戦争により現行政府が弱体化することは彼らの利益に合致します。

 つまり戦争は彼らの利益に適いますし、日本が弱体化して、体制崩壊することは目的そのものといって良いでしょう。

 自ら信じる道の為には犠牲も厭わず、というより、自らの望む姿でない現体制と、その支持者は排除されても仕方ないという発想は、オウム真理教(アレフ、光の輪)に代表されるカルト宗教とまったく同じです。

 左翼的な思想も、多様な言論、思想を彩る一色ながらも、日本の左翼は国家破壊、解体を目論むもので、市民活動ならともかく、国会を闊歩している姿に、野放図な自由への危惧を見つけ、しかもそれが広く浸透しているので「バカ左翼」とひとまとめにしています。

 その浸透度は自民党のなかにもシンパがいるほどで、マスコミと並ぶ、我が国の病巣です。だから左翼連中が叫ぶ「日本を悪くしたのは自民党だ」という主張には一理あります。

 しかし、国民は中国や北朝鮮、そして場合によっては韓国すら、敵対する国だと気がつきました。

 世界遺産登録における韓国の主張は難癖です。一転して協力を約束しながら、土壇場になり裏切るのが韓国です。というより、先週の週刊文春(2015年7月9日号)は協力を約束した後も、「世界遺産潰し」の文書を、韓国は公式文書として発行していると報じており、そもそも裏切る前提での協力の申し出であり、だまし討ちで、そういう国家だと露呈したことは、日本国民にとっては慶事でありました。

 個人としての韓国人についてとやかく言うつもりはなく、もちろん在日も同じですが、国家としての韓国の「手口」だけは、我々の記憶に永遠に残しておかなければなりません。また、「腰抜け外務省」の失態も同じです。

 仮想敵国に話を戻せば、そこまで国民は気がつきながら、安保法制に積極的に賛意を示さない理由は、対する徴兵制という嘘の喧伝が広まらない理由と同じで、それはこちら。

「目の前に危機を提示されなければ見なかったことにする」

 悪夢のような民主党政権時代、中国人漁船(工作船)による尖閣諸島への領海侵犯でも、船長逮捕時、外交問題への懸念を口にする有識者は多く、状況証拠から見るに、時の内閣官房長官 仙谷由人らによる超法規的釈放を、丸く収めるために「やむなし」とする民主党の工作員的電波芸人=テレビコメンテーターもいました。

 潮目が変わったのは「sengoku38」こと一色正春氏が、YouTubeにその映像がアップロードしたことにより

「危機が目に見えた」

 からです。体当たりする中国の工作船のすがたに、国民は恐怖し、実力を行使することにイエスと頷いたのです。

 危機意識の低さは、平和ボケだけが理由ではありません。

 政治だけではなく、日常生活においてもリソースは限られます。リソースとは「経営資源」と、日本語で充分に説明できる事柄を、ぼかすことで、さも深い意味がありげにもったいぶるコンサルタントが符丁として使いますが、平易な言葉にすれば

「人、物、金、時間」

 です。危機に対するとは、平時においては不用な状況を想定し、準備と訓練、装備を用意しなければなりません。

 さて、本稿読者のなかで、つねに1週間以上、都市部なら3日以上の食糧と飲料水の備蓄を、職場と自宅の双方で用意し、確認を怠らない人がどれだけいるでしょうか。

 ライフラインが寸断され1週間、都市部では3日以上経っても救援が来ないなら、それは絶望的というか、自給自足的な自己完結する能力が求められ、一般論になり得ません。だから救援が到着するまでの期間という意味のそれぞれの時間ですが、果たして喉元過ぎて熱さを忘れてはいないでしょうか。

 それもむべなること。多くの人にとって、日常は忙しく、非日常にリソースを割くことは、言葉にするより簡単なことではありません。

 日常でも国防でも戦争でも徴兵でも同じです。だから、安保法制についても、徴兵制が始まるという大嘘の、どちらの支持も拡がらないのです。一般国民には、創造力を働かせて、これらの事案を考える暇がありません。

 加えて日本土着の宗教として「言霊信仰」があります。

 言葉を発すれば実現し、危機について議論すれば、危機がやってくるというものです。

 しかし、話題にしなくても台風は毎年やってきますし、許可無く地震はおこります。科学的にはまったく関係がないのですが、宗教は理屈ではないので仕方がありません。

 しかし、「政治」がそれでは困ります。政教分離を守って欲しいものです。

 戦争を避けたいのなら、戦争を正面から議論しなければなりません。目を逸らし、議論を遠ざけたからと、台風も地震も戦争も、勝手にやってきて玄関のドアをノックもせずに、茶の間に上がり込み襲ってくるものです。

 だから、戦争はいけない、やらない、反対で思考停止するのではなく、戦争が起こらないために何が必要で、どんな備えをし、他国との協力関係を築き、自衛隊の位置付けを明確にし、彼らが国難に対応できる法整備をする、それこそが政治の仕事です。

 う〜ん、至って普通でつまらない正論ですが、これができない我が国会に、すこし頭が痛くなりました。

 アンポハンターイ・・・もとい、「戦争法案」とレッテル貼りに躍起になっている国会議員や、活動家は「脱原発」の活動とも重なります。

 福島第一原発の事故は、地震でも、その直後の大津波により破損したものではありません。「全電源喪失」によるもので、それはこの最悪の事態をシミュレーションしていなかったからです。

 万が一のバックアップ体制の不備であり、その不備が生まれた背景は「安全神話」と揶揄されます。

 また、震災前に16メートル級の津波の可能性が指摘されながら、対策を取らなかったことも批判されますが、平時にそれだけの大規模工事を検討したとして「費用対効果」からの批判もあったことでしょうし、なにより原発への不安を煽る道具に使われたことでしょう。

 最悪のケースがあるのなら止めるというのは科学的でも政治的でもない、ただのヒステリーです。「最悪」のすべてを避けるなら、現代社会など成立しません。

 頭上を飛ぶ飛行機は、いつ墜落するか分からず、歩道に自動車がつっこむ事故は頻繁に起きており、道を曲がった先に、脱法ドラッグをキメた通り魔が待ち構えているかも知れません。

 家に帰っても安心できません。待ち伏せ強盗か、変質者が家主の帰りを待ち構えているかも知れませんし、その帰るべき家が隣家からのもらい火で焼け落ちているかも知れません。

 健康のためのジョギングで心筋梗塞になるかも知れず、健康のためと口に含んだサプリメントに混入された異物で命を落とすかも知れません。最悪ならば。

 最悪の想定とは危機管理において重要な思考プロセスですが、発生確率とを天秤に掛けるものです。そしてメリットがデメリットを上回れば、対策を講じつつ実用化していくもので、歩道におけるガードレールも、飛行機が不時着したときの「滑り台」もそのためのものです。

 端的に言えば、安保法制を「戦争法案」と呼ぶバカ左翼は、最悪という魔物にとらわれ思考停止しており、議論を仕事とする国会議員においては、職務放棄をしているのです。全否定とは議論の対極にあるものです。

 そしてこの点こそが、安倍首相と政府、そして自民党への不満です。

 安保法制に話を絞れば、

・後方支援の問題点は何か
・機雷除去のメリット、デメリット
・集団的自衛権の要不要

 などなど、ひとつひとつを丁寧に、というより一般人に向けて説明していけば、賛否はともかく「全否定」という思考停止のバカ左翼の愚かさを炙り出すことが出来ます。

 国会論戦だけではなく、テレビ番組などを通じて一般人に向けてメッセージを発すれば、思考停止という「バカ」が「可視化」され、野党の息の根、バカ左翼の息の根を止めることができる千載一遇のチャンスを、安倍政権は幼い議会態度で潰しているのです。

 そこで僭越ながら、一般市民が解るレベルの説明を試みてみます。といってもわずか2点で充分です。この2点を争点にすれば、バカ左翼を一掃できます。

 ちなみに本稿で「バカ左翼」としていますが、国際基準におけるリベラルや左翼に一定の理解と価値を認めております。日本では珍獣レベルの少数派ですが、彼らには敬意をもってご高説を拝聴しており、頷く主張も少なくありません。本当に希少種ですが。

 まずはこちら。

1、戦後70年、世界は平和だったのか

 朝鮮戦争、ベトナム、中印、印パ、アフガン、フォークランド、バルト三国、南沙、ウクライナ。

 ウィキペディアを引くこともなく、思いつくまま挙げただけで、世界に硝煙の匂いは漂い、日本海周辺でも繰り返されていることは尖閣諸島を挙げるまでもないでしょう。

 そして憲法9条があったから、日本が平和だったというのなら、北方領土は占領されつづけ、竹島も不法占拠され、いま尖閣や小笠原が狙われている事実をどう説明するというのでしょうか。

 世界は平和から遠く、だからこそ平和をいまも目指しており、平和実現のために日本の協力が求められ、そのひとつが自衛隊の海外派兵であり、それは人殺しを目的とした出張でないのは、自衛隊はゴルゴ13ではないからです。

 続けてこちら

2、憲法は絶対に変えてはならないものか

 世界の常識と日本の国益に照らし合わせて、憲法9条の制約に不都合が生じたのなら、そもそもその憲法に問題があると考えるのが論理的な結論です。

 占領軍のGHQが作ったのか、日本人が作ったかの議論は脇に置いても、70年前に定められたルールが、いまもそのまま使っているのは不思議な話です。

 例えば「環境権」とは、現在の日本国憲法には規定されていませんが、いま「環境」をないがしろにすることなどできません。憲法が権力者を縛るものなら、環境への抑止力があってもよいはずです。

 バカ左翼は「改憲」につながる全てを否定するので、

「そもそも環境破壊をしてきたのは自民党政権」

 と珍妙な説を発します。

 宅地開発のための山林伐採や、生産性のみを求めて汚水を下水に流し続けたことは、確かに昭和の自民党政権のもとで行われてきましたが、それに加担し、加速させてきたのは、我々日本国民ですし、自民党政権とは、その国民により選挙で選ばれた政権です。ならば一蓮托生であり、批判者も含めた同罪です。

 過ぎた時を振り返り、自民党だけに責任を押しつけるのは、民主義への無理解でありますが、社会主義か共産主義を目指しているバカ左翼には、そもそも理解できないのかも知れません。

 ともかく、その環境破壊ができたのは、戦後間もなくから昭和の中期ごろまで「環境」という価値観が希薄だったからで、いまならば、その大切さは誰もが認めるところで、ならば「憲法」に加えることへの議論があってもしかるべきです。

 何度も繰り返しますが、バカ左翼は思考停止し、憲法を変える全てを否定します。

 一方でバカ左翼・・・というより、インテリ気取りのリベラル崩れのなかには、「改憲」そのものには賛成というものも現れています。

 例えば宇野常寛というAKB評論家は、報道ステーションで

「よりリベラルに改憲すべき。国軍を持っても国内から一歩もださないと明記するぐらいに」

 と珍説を開陳。あまりのバカさに、飲んでいたビールを吹き出してしまうほどでしたが、少なくとも議論の入口に立つ姿勢だけは、評価します。もちろん、姿勢だけで、発現の中身は1マイクロシーベルトも評価できませんが。

 宇野発言については、こちらのブログにまとめております。

■宇野常寛の起用で自民党を応援する「報道ステーション」

宇野常寛の起用で自民党を応援する「報道ステーション」

 ちなみにこの春の改編で、宇野が幾つかのバラエティ番組(報道ステーションも含む)で、コメンテーターの幅を広げましたが、この程度の知見を招聘する時点で、その番組の程度が透けて見えるというものです。

 彼を起用した番組は、時間の浪費となることに気がつきやめました。その意味では宇野氏には感謝です。時間の節約になったので。

 果たして、戦後70年間の世界は平和だったのか。その70年前に起草された憲法は、これからの70年間も、何も変えずに存続することが国益に適うのか。国際社会で日本が認められることができるのか。

 安保法制の要諦とは突きつめれば、この2点です。

 だから、じっくりと議論、というより、丁寧に説明を繰り返せば、どちらがバカが白日の下に晒されるのです。そして「バカ左翼」を一掃できれば、希少種のリベラルでさえ喜ぶことでしょう。

 その千載一遇のチャンスを壊し書けているのが安倍首相であり、その応援団を自称する、ちんどん屋です。

 実に残念。ギリシャ問題という「安全保障のケーススタディ」もあり、安倍首相の強運には驚くばかりですが、その強運を正しく活かしていません。

 安全保障とは危機管理であり、万が一、億が一でも起こる可能性があるなら、その為の議論と、可能な限りの準備をしておかなければならず、法律で制御された自衛隊が、充分機能することができ、尚かつ、彼らの安全を可能な限り確保できるだけの「法整備」をすることが喫緊の課題なのです。

 しつこいようですが、戦争は外交の一手段です。核兵器がその名の通り、ナイフや自動小銃と言った兵器のひとつであるように、交渉や貢ぎ物、恫喝に同盟の同一線上にあります。

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