大西英男氏の「暴言」はともかく、1週間遅れで世に出た理由を考える

大西英男氏の「暴言」はともかく、1週間遅れで世に出た理由を考える

 あらかじめ、その意見に同意はしないという前提でお読みください。自民党の大西英男衆院議員による「暴言」について。

 職場でのタバコの煙に苦しむ癌患者の立場を訴えた三原じゅん子議員に対して「(がん患者は)働かなくていい」と発言して大騒ぎ。当初は釈明しても撤回せずと強気でしたが、自民党都連副会長の辞任に追い込まれます。

 議員としての品格、常識について論じるのは最早虚しいでしょう。中川俊直議員のゲス不倫からの痴情のもつれによるストーカー騒動もあれば、初鹿明博氏が不倫相手(報道ではラブホテル連れ込みに失敗しての未遂)を「性のはけ口」と紹介するなど、割合からみれば、一般社会より「ゲス確率」が高いかも知れないからです。

 暴言にしても、同じ大西つながりで、民進党の大西健介議員は「『イエスまるまる』と連呼するだけのCMなど、非常に陳腐なものが多い」と事実上、高須克弥氏率いる「高須クリニック」を名指しで「悪徳」と中傷し、裁判沙汰となっています。

 国会議員には国会内での発言の自由が保証されており、何をいっても良いということになっているとのことで、だからと根拠不明な中傷は、言論の自由の埒外だと私などは考えるのですが、ここらが実に曖昧。

 森友学園にせよ、加計学園にせよ、根拠が怪しい資料を基に首相や夫人を攻撃し、それをマスコミは批判しません。

 とりわけ森友学園においては、前理事長夫人の籠池諄子氏の電子メールから、安倍昭恵首相夫人とのやり取りを取りあげながら、同じくメールにあった辻元清美議員(元社民党、現民進党)の関与疑惑については触れません。触れたのは産経新聞とフジテレビ他わずか。

 愛媛県今治市に獣医学部の新設許可が降りた理由を、運営する加計学園の理事長と、安倍首相との友情による利益供与だとする「疑惑」にしても同じです。推論と憶測と想像からの批判は、中傷といっても良いでしょう。

 テロ等準備罪を「共謀罪」と掲げ、まるで犯罪者集団を擁護するかの民進党の質問だって許されています。ならば、大西英男氏の発言もまたしかり、ではないかということ。

 ましてやこの発言は「自民党厚生労働部会」でのことで、ざっくりというのなら株式会社自民党の「営業会議」。タブーを取っ払い議論を深める場であるべきです。

 念のため断っておきますが、大西英男氏に以下に述べるような考えがあったとは考えておりませんし、自民党たばこ議連に所属している立場からも、また区議、都議と重ねた政治キャリアで身についた脊髄反射により「からんだ」だけに過ぎないとみています。

 三原じゅん子議員が子宮頸がんを克服した経験を持ち、経験者のみが感じ得る恐怖心を伝えることは大切です。私の妻も、ごくごく初期ながらも、一種の癌になったことがあり、亡父は肝細胞癌で入院と在宅療養の両方の闘病を、家族として経験しております。だから大西英男氏の発言は不快です。

 不快ながらも「癌になったら働かなくて良い」とかりそめにも国会議員が宣(のたま)うのであれば、それをカバーする社会保障の仕組みがあるのか、ないなら用意するのか、さらに寛解したときの職場復帰、社会復帰も国が面倒を見るという議論がなされるべきで、仮にそうであるなら素晴らしいことです。

 アフラックのCMが強調するように、とりわけ癌患者にとってお金の話しは切実な問題だからです。

 議論の場とは、あらゆる意見を取りあげ、多面的に検証すべきで、暴論に思えても検討の果てに正論になることもあり、一方でそれが思慮に欠けた、ただの暴論ならば場を汚した罪を、その場で本人に謝罪させるべきでしょう。

 それが「野次」ならば、国会の場において

「野次はやめてください。私が話しているところでしょう」

 と民進党をたしなめる党首の言葉を肝に銘じるべきです。

 一方で、NHKの報道ながら、三原じゅん子氏の問題の取りあげ方に首をかしげました。こう切り取り紹介しています。

《職場で、たばこの煙に苦しむがん患者の立場を訴えた》
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170522/k10010990841000.html

 いまどき、それなりの規模の企業は、分煙というかオフィスは禁煙となっているところが大半だからです。私は普段は吸うことを忘れるほどのベビースモーカーながら、オフィスビルに入居する企業に呼ばれた際は、可能な限り喫煙所を探して、人間観察に勤しんでおります。

 中小企業でも事務所の前や駐車場に灰皿とイスを並べ、室内から紫煙を追い出している会社は増えています。すると残されるのは家族経営レベルの小規模事業者か飲食店。

 家族経営となれば、それは家族の話で、国家権力が立ち入るべきではありません。しかし、これは余談ながら、いまの禁煙ファッショの流れから、「子供がタバコに触れない権利」とかがその内、持ち出されて「結婚したら禁煙」といったムーブメントが作られると睨んでいます。

 話しを職場に戻せば、ターゲットはずばり「飲食店」でしょう。お客に対しては、喫煙席と非喫煙席を用意しても、給仕はどちらも応対しなければなりません。居酒屋ならばさらにこの確率が高まります。

 さてどうするか。飲食店も含めた屋内では原則、全面禁煙とする厚生労働省案へと繋がります。

 厚生労働省はカウンターだけのバーや居酒屋といった、小規模店ですら全面禁煙を目論んでいましたが、あまりに厳しすぎると自民党内から反発があり、妥協案の検討に移ったなかで、小池百合子都知事がこれに絡み、都議会選挙のネタにしようと画策。

 選挙の前には耳障りのよい話しをぶち上げたがるのが政治家。押し戻されていた厚生労働省には朗報。

 という文脈でみたとき、大西英男氏は厚労省の筋立てに乗ってしまったということ。

 傍証としては、そもそも厚生労働部会は今月15日に開かれていること。それが22日になってマスコミ各社が、会議の音源を入手して一斉に報じます。どこかのニュース番組では「自民党関係者」が提供したとテロップがあったような。

 いわば社内の営業会議での暴言を、発言から一週間してから、わざわざマスコミにリークしたのです。点と点を線で繋ぐと「思惑」が浮かんできます。

 受動喫煙なり、禁煙なりの議論はどんどんとやるべきですが、そこでの明らかな暴論を、わざわざ癌患者や、その家族の目に触れさせる「リーク」というやり方が不快です。

 しつこいようですが、大西英男氏の発言は不快です。しかし、それが彼の本心であり考えならば、それを述べる自由は彼に与えられなければ言論の自由は形骸化します。そして彼に評価を下すのは、東京16区、ほぼ江戸川区の有権者。それが日本の民主主義です。

 リークによりどこかの省庁の思惑がまかり通る。これが実に恐ろしい話しであるのは、官僚による国家支配が可能になるということで、そこに「民意」はなくなります。

 なお、国会議員の発言は影響が強い、なるものが口撃の方便に過ぎず、日頃、首相の言葉すら、からかっているマスコミが口にしてよい言葉ではありません。

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