ウィットでくるみながらも深い洞察に唸ることも多い読売新聞の一面コラム「編集手帳」。当たり外れも激しいのですが、本日付のそれは「大ハズレ」。というか、読解力がないか、韓国について基礎知識が不足しているのでしょう。
韓国大統領パククネの「男女関係を匂わせた文章」について、共感しないし下品と切り捨てるが、コラムの本旨はそこにない。そしてテレビ報道も含め、ここにフォーカスがあたるのは論理のすり替え。むしろ、産経新聞側にも非があったと、韓国への配慮すら見えて腹立たしい。というのが率直な感想。
そもそも韓国という国の特殊性を考慮にいれていないから、こうした「珍解釈」がまかり通ります。韓国に「自由な言論」はありません。「愛国無罪」とは反日中国のスローガンですが、そのまま韓国に当てはまります。それどころか「日本差別」が大前提にあり、天皇陛下を「日帝」、あるいは「日王」と呼ぶのが最たるもの。
そして「政権批判」がタブー。強制捜査など、公権力を使ってメディアを攻撃するからです。先進国でもなければ、民主国家ではありません。それはセウォル号の転覆沈没事件でも知られ、タブーを破ってマスコミが政府批判を始めたことが、「国民の怒り」を示す尺度として紹介されていたことが逆説的に証明します。まして「朝鮮日報」は政権寄りの新聞。これは韓国を少しでもウォッチしているものなら常識的「ファクト=事実」です。
いずれの報道も触れていますが、コラムが引用したのは「朝鮮日報」からで、それはパク大統領の求心力低下を如実に表しています。また、読売「編集手帳」は「下品」と眉根を寄せますが、いまだに「姦通罪」が残る韓国で、「不倫」は刑罰の対象となり、そのパククネの不倫疑惑が公然と語られている状況とは、「パククネ包囲網」といって過言ではありません。
つまり、パククネの大統領としての求心力低下を、街角の雑感から紹介するコラムで、「下品な噂話の無批判の転載」ではないということ。
韓国報道界の特殊性という「ファクト」を抜きにした報道は、「隣国の正しい理解」という日本人の利益を損ないます。読売「編集手帳」には猛省を促したい!と左翼風に結んで筆を置きます。