私が出会ったコンサルタントは「すごい」と唸る人ばかりでした。
それはネガティブな意味で。広告代理店時代にある作戦を授けたコンサル。見事なまでの机上の空論でした。ときおり現実味のあるサジェスチョンもありましたが、それはコンサルがはいる前に、私が営業会議で提案済みの、役員判断で却下されたもの。
若手起業家を育てるという自治体のセミナーに参加したときは、ビジネスコンサルというより、自己啓発・・・以下の、マナー教室のようなレベルでした。
本書はコンサル大国アメリカのコンサルによる告発です。
コンサルが害悪になる理由を端的に紹介しているのが第3章
“「数値目標」が組織を振り回す”
で、目標達成した悪事なるケースを紹介します。
例えば「営業目標」の達成を至上命題とした場合、日本的に言えば「カラアゲ」「テンプラ」と呼ばれる架空計上のような手法が横行し、ノルマを達成したことで人件費は上昇しながらも、最終的には赤字に転落します。
また、自動車修理チェーン「シアーズ・オートセンター」と実名を挙げ、売り上げ目標に達するために、不用な修理を繰り返し、それが発覚し、業績悪化の憂き目に遭ったのは自業自得です。
さらに
“「会計」や「財務報告」は細工しほうだい”
とは、日本でも定期的に発生する証券不祥事をあげるまでもないでしょう。そしてコンサルの大好きな「数値化」とは正しいようですが、その結果
“評価項目が無限に増えていく”
というのは、以前「0.2」でも指摘したことがあります。私が勤めていた会社でも、月末毎に提出する報告書をまじめに書けば2時間必要でした。もちろん、だれも真面目に書かず、提出された上長だけがその評価に苦心し、本来上官として求められる仕事がおざなりになったのは本末転倒です。
コンサルというビジネスが良く示しているのが第7章の見出し。
“「リーダー開発」で食べている人たち”
つまり、人材開発プログラムを売り込むことが、コンサルのビジネスモデルで、実際の業績への寄与度は「結果論」に過ぎないと喝破します。
■申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。
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