アベノミクスの礼賛本ではありません。
むしろ、アベノミクスに対しては成長戦略などで、不満を感じている風でもあります。
著者は現在は産経新聞に籍を置く田村秀男氏。元日経新聞の記者。
日経時代に米国経済に通じ、官僚に支配される構造、ポチのように振る舞う経済学者と、経済ジャーナリズムが日本経済をダメにしていると喝破します。
日本経済の没落の理由をデフレとして、1997年の消費税増税以降の15年の失政が続いた理由を、先の戦犯たちが、既得権と高級に守れていたからだと断罪します。
なぜなら、身分と所得が保障されている限り、物価が下がることは所得の増加を意味するからです。安定と利益拡大を求めるのは人の本能です。するとデフレが居心地が良い、戦犯達はインフレにしようなどとは思いもしません。
そして消費税増税。増税は大蔵相時代からの財務省の本能です。
彼らの理屈において増税を実現した役人はヒーロー。
また、財務省は配下に国税庁という実働部隊も持っており、企業や報道機関を追い込むのは簡単なことで、筆者も「おどし」を受けた経験を語ります。
増税仕方なし。この論に違和感をもっていたものとして、納得の一冊です。
■アベノミクスを殺す消費増税
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