いよいよ参院選。その政策論争における論点を事実を持って指摘します。
アベノミクスの是非を問う、失敗だ! との声が高く、確かに成功はしていませんが、失敗と言うならあの民主党政権時代より悪くなったというのでしょうか。
少なくとも私が取材している「庶民」にその感想はありません。景気は良くないという認識が多数派ながらも
「民主党よりはマシ」
というのが大半。もちろん、経済は二者択一ではありませんが、成功失敗の二元論で整理するなら、安倍政権以前以後で判断すべきでしょう。
あるいは安倍政権となり、アベノミクスでバラ色の未来になると信じていた人にとって、いまひとつで愚痴をこぼす気持はわかりますが、批判する民進党や共産党の政治家どもは、アベノミクスに期待していたのに・・・とでも言うのでしょうか。はじめから悪口しかいっていなかったのに。
ほら、見ろ、だから失敗した。とは、民進党と社民党、それに生活の党らに発言権はありません。その前の経済政策が悪すぎ、大災害の後は復興需要で景気が持ち直すというアノマリー(経験則)すら、打ち消したのは彼らです。
我が身を振り返り、反省するところから始めないから、自民党が頭に乗るのです。
しつこいようですが、私は消去法的自民党支持者。他に日本を任せる政党がないので支持し、地方議会に指図し(通じなくとも)、批判と同じだけの応援をしています。
立派な野党、期待できる野党が現れれば、自民党はもっとまともな政党になることは、すでに歴史が証明しています。ハゲ添えをはじめ、権力だけを望む輩は、自民党が弱くなると逃げだすからです。新党ブーム、第三極のブームも同じく、一種の自浄作用。
アベノミクスを「安倍政権における経済政策」としてみるなら、当初から長期政権が見込まれており、自民党総裁の任期は2期6年ですから2018年まで。あと2年以上残されています。いまは野球で言うところの6回の表といったあたり。
低迷しているとはいえ、1万円を割り込んでいた日経平均株価は一時2万円に触れ、いまも1万6千円をキープしています。有効求人倍率はほぼ完全雇用で、着々とベースアップが続けられております。
アベノミクスの成否を分ける「増税延期」についても批判が喧しいですが、事実を指摘するなら
「増税延期をすれば国債が暴落する」
と叫ばれたのは、1度目の増税延期。前回の衆院議員選挙が行われた2014年の話し。そして今回の延期も踏まえての事実は、まだ国債は暴落していないということ。
一部には格付を下げる動きもありますが、英国のEU離脱を受けて「安全資産の円」を買う動きが活発です。また、外国人の日本国債購入比率も増えています。
増税延期により財政健全化が遅れ、日本は破綻国家になる。倒産する企業の社債を買うバカはいない、だから日本の国債は暴落する。単純にすればこんな主張が「嘘」だとあきらかになったこの2年です。
そもそも日本の「借金」とやらの正体は「国債」で、この内、外国人の保有比率が昨秋100兆円を越えましたが、それでも1000兆円の1割。そして日本の対外純資産は367兆円弱。
一般家庭に置き換えれば、日本はプラマイ267兆円のプラスとなります。1000兆円の国債の内、国内の900兆円は膨大な金額とは言え、家庭に置き換えれば、家庭内のお金をグルグル回しているだけのこと。同居する子や親からの借金と同じです。
もちろん、収支のバランスがとれるに越したことはありませんが、いわゆる「破綻国家」となるには、高いハードルがあり、しばらくは盤石といってもよいでしょう。
そして国内の借金ならば、禁じ手ながら「ハイパーインフレ」を引き起こせば、借金は事実上の棒引き、平成の徳政令で、それができるのが「国家」ということで、海外投資家が日本の国債を買っているのも、それこそギリシャなどに比べれば遙かに安全と知っているからです。
増税延期による国債暴落も、結果的に嘘だと明らかとなりました。
続いて伊勢志摩サミットにおいて、各国首脳に日本国が理解を迫った
「リーマンショック級の経済危機(の予兆)」
について、反安倍陣営は嘲笑をもって評価しました。
世界中の笑われものになっていると、デマばかり言うのでネットでは「デマの井」と称される山井和則民進党議員や「ミスター焼け太り」こと柿沢未途同議員が、喧伝し、それは英国の首相候補の風刺画を安倍首相だと勘違いした赤っ恥だったことは記憶に新しい所で、やはり民進党の玉木雄一郎議員は「リーマンショックという言葉が英語資料に出ていない!」とドヤ顔で追及したら、英語では「the financial crisis」と呼ぶとネット民に指摘されての赤っ恥。にも関わらず、強弁するものだから文字通りの「恥の上塗り」ながらも批判。
経済危機の表現への異論はありましたが、サミットがおわり、そこにも首相が出席していた英国の、EUからの離脱を問う国民投票で、離脱派有利の観測がでて、世界経済は大混乱。
安倍政権に批判的なテレビ朝日「モーニングショー」でも、2016年6月21日の放送で
「仮にEU離脱となれば、リーマン級の混乱が起こる」
と経済評論家の声を紹介しています。
わずか1ヶ月前のこと。安倍政権が、そのリスクをかぎ取っていたとするなら、称賛に値するのですが、多くのメディアが安倍政権を誉めてあげません。
実際、今年に入ってからの産油国は、原油価格下落に伴う資金繰りの悪化を、潤沢なオイルマネーで購入していた株式資産の売却で凌ぎ、それが世界同時株安を呼び込み、チャイナショックの傷は癒えぬどころか中国経済の退潮は鮮明で、経済変調に欣喜雀躍のヘッジファンドが相場を荒し、トランプ大統領によるさらなる混乱が予想されています。
賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶといいます。日本経済はすでにリーマンショックを経験しているのですから、愚者ながらも再発防止策に務めるのが最低限の仕事。
つまり、安倍首相は最低限の仕事はしているということです。なにより「リーマンショック」とは、米国のサラ金野放しによるもので、かねてより専門家が危惧していたものを放置した果てで、不良債権の強制決済に世界を巻き込んだ米国の陰謀でもあります。みんなで不幸になろうよ、ニヤリ、と。
だから、今度は日本も独自政策を採りますよ。限度はあっても、やるときはやるよ、とファイティングポーズを見せたから、円高も株安も徳俵一枚で踏ん張っています。これも最低限の仕事ながら、安倍政権の手柄です。誉めてあげないといけません。
改憲は自民党の党是です。だから安倍政権になったから憲法改正とは論外。しかし、改憲=戦争になると騒ぐ無知が喧しい。
これも事実を持って指摘します。
中国海軍軍艦が鹿児島県口永良部島沖で日本の領海に侵入しました。接続水域ではなく領海です。いわば「私有地」に土足で足を踏み入れたわけです。
各国の領海の権利より、世界全体の利益のために通行が認められる「国際海峡」という概念があり、日本では津軽海峡や宗谷海峡がこれにあたります。本来的には私有地ながら、公道として一部を提供している道路のイメージです。
中国の主張は口永良部島沖も、これにあたるというもの。人様の土地を無断で歩いておいて、そこは公道だと主張している無法者。
しかも「情報収集艦」での通行とは、人の庭に無断ではいり、測量して記念撮影をしていくようなもの。
脅しでは無く、普通の国なら戦争の一歩手前です。
はてさて、自衛隊の最高指揮官であるヒトラー安倍は、「撃て」と命じたでしょうか。アドルフ晋三は「迎撃」を命令したでしょうか。
安倍晋三氏は戦争をしたがっている、とSEALDsの馬鹿ガキどもや、それに連なるパヨクらは主張していますが、我らが首相は選挙にうつつを抜かし、もとい冷静沈着な対応に終始しています。
そして今朝、北朝鮮の王子様がミサイル発射。文字通り参院選の「号砲」といったところでしょうか。
はてさて、いつでも「戦争」をできるように各国が仕向けてくれています。近隣諸国では、ロシア以外は刃を向けている、これは事実です。
いま、ロシアはウクライナ問題で西側に問題を抱え、中国とは潜在的に仲が悪く、日本ともめ事を起こす余裕がないというのが実態ですが、仮に「トランプ大統領」になったとき、ロシアとの連携は米国を揺さぶる一枚のカードになり、ウラジミール(プーチン)と晋三の連携は、これらの打算も込みと睨んでいます。なぜなら、両国の国益に適うから。
そんな状況下、安倍晋三は戒厳令を発動したでしょうか。自衛隊に迎撃、撃沈命令をだしたでしょうか。あるいは敵国公船および軍艦の拿捕を命じたでしょうか。
事実はすべてのノーです。
アドルフ晋三など病的妄想に過ぎません。これらの事実を踏まえたとき、戦争法と叫ぶ連中は精神疾患のレベルとみるべきでしょう。
最後に改憲についてもうひとつ。
今回の参院選で「鳥取・島根」と「徳島・高知」が「合区」となり、2つの県から、それぞれ1人ずつが選出されることになりました。これは憲法が定めるところの、一人一票が反映される「平等原則」によります。
鳥取県の人口は58万人ほどで、これは我が足立区民とほぼ同じ。
実に面白いのが護憲派である朝日新聞が、18才選挙権とやらの特集で、大学1年生の岡村英作氏が顔写真付きの質問に答えます。
Q:実家のある山口市で投票するつもりですが、大学に通うため住んでいる徳島は参院選で選挙区が高知と合区されました。一票の格差は少なくなっても、地方の国会議員が減り、地方と都市の格差は広がるはず。合区って、憲法違反ではないのですか。
A:南野森さん(九州大教授)
最高裁判所は、憲法で約束されている「法の下の平等」を徹底するため、一票の価値も平等にしなければならないと言っています。今回の合区で徳島、高知両県の有権者を合わせて山口県と同程度の選挙区を作ったことになります。
地方の声が国会に届きにくくなるのではないか、という心配はわかります。けれども憲法には国会議員は「全国民の代表」と書いてあります。都道府県や地域の代表であってはならない、という意味でもあります。国会議員の数が都会に偏っても、憲法の建前だけからいうと問題ないのです。
ただ現実には、建前通りにいかないところもあります。この問題に対する解決策として合区が良いのか。実は私自身、まだよくわからないところもあります。
以上「2016参院選 18歳・19歳のギモン」より
http://www.asahi.com/articles/DA3S12417732.html
南野森とはAKB48の女の子と憲法の本を出してひと山あてた御仁ながら、朝日新聞で仕事をしている時点でお里が知れるというもの。しかし、大学生が顔写真付きでこんな幼稚な質問をするとは嘆かわしい限りです。高卒の私だって知っていることなのに。
ともかく、憲法について問われているのですから、それを答えれば良く、最後の「まだよくわからないところもあります」のエスケープは質問者を混乱に陥れるだけ。というより常識と、自身の憲法論の間で思考停止しているとの告白です。
一人一票と、全国民の代表という憲法の規定を金科玉条とするならば、各県代表を排して、すべて全国区にすれば良いだけのことです。
南野氏は「建前通り」と論点をすり替えていますが、「憲法」が現実から乖離してしまっているのです。
つまり「改憲」すれば解決できます。
米国の各州の代表である上院は、人口に関係なくそれぞれ2人が選ばれ、国民の代表となる下院は、人口による配分となります。
参議院を米国の上院と同様に規定すれば、鳥取県から参議院議員が消えることがありません。と、いうより、このまま現行憲法を放置し続ければ、衆院議員も「合区」になりかねません。
今回選挙より始まる「合区」という事実からも「改憲」は避けがたい事実なのです。
だから改憲反対など論外。狂気の沙汰。
議論すべきは「どう改憲するか」なのです。
そこに「自衛隊廃止」を掲げる日本共産党のような主張があっても、言論の自由が認められている日本ですから仕方がありませんし、同様に徴兵制の復活を掲げる権利だって認められます。
政治とは妥協の産物であり、可能性の芸術である。
とはビスマルクの言葉。妥協とは事実をもとに、理想に折り合いを付けること。未来を夢見る可能性も必要ですが、芸術だけではお腹はふくれず、平和を願い歌いあげても一発の銃声に適わないことはジョンの人生が教えてくれます。
ジョン・レノンの平和への願いを尊ぶのは芸術家や音楽家、そしてファンの仕事であり、向けられた銃口に立ちふさがるのが自衛隊の仕事で、銃口を向けられないように、あるいは引き金を引かせないために対策を考えるのが政治の仕事です。
そしてその政治を決めるのは、我々の一票です。月並みな結論ですが。