直前の舛添要一前都知事のセコさに追い詰められての辞任劇、また辞任が決まってからの逃げっぷりに、もともと自民党が最悪のときに、後ろ足で砂をかけでていった人間のクズで、自民党と一蓮托生とみることは難しい、いや、担いだ責任は免れないと政争の具に据えようかと与野党にらみ合っていたら、記者会見も開かずに逃げ出す「ねずみ男」ぶりは、さしもの自民党へも同情したくなるのが日本人的人情。
「非道(外道)すぎたね」
と。自民党を擁護へと向かうというのではなく、あまりの下劣な人間性を前に、
「舛添要一という個人の特殊性」
に呆れるということです。
だから、今度の参議院選挙で舛添要一を担いだことを攻めるのは、戦術として得策ではありません。
参院選挙後と、一拍おいた本筋での「都知事選挙」での追及はもちろんアリですが、あまりの異常な人間性を前に責め立てるということは、裏返せば舛添要一のような人間性を攻める側は予見できたという意味につながり、筋論では無く感情論として大衆に嫌悪を抱かせてしまうことでしょう。
ま、これを蓮舫あたりに期待しているわけですが(笑)。
蓮舫氏の危機回避能力の高さには呆れるばかりです。
マスコミ陣に都知事選出場を問われ、にやけるような脇の甘さは、さすが売れなかった女優といったところですが、がめついばかりの損得勘定はさすがといったところ。
都知事選出馬断念について、後出しジャンケンを怖れたといいますが、民進党内の独自世論調査で「圧勝」にならなかったのが本当のところでしょう。
前回の蓮舫の参院選、2位にダブルスコアでトップ当選したことが喧伝されますが、それは2010年、鳩山由紀夫の迷走により、政権交代のメッキは剥落しかけながらも、むしろそれが「張れ!」とのエールになったと見るべきで、その前の2004年は、タレントから転身した直後という話題性を持ちながら、民主党(当時)のお仲間 小川敏夫氏の後塵を拝した3位で、2位にもなっていないのです。ちなみに1位は自民党の中川まさはる氏。
そして前回2013年の参院選挙では、同じくタレントからの転身組、丸川珠代氏が10万票を越えてトップ当選。蓮舫氏のデビュー時得票数を、約1割上回るという非常にリアルな「人気投票」。
そして都知事選挙の対抗馬の名前にも、丸川珠代氏の名前があがります。都民のリベラル傾向を考えれば、直接対決ならば蓮舫氏の勝利もあるでしょうが、それは民共合作に加え、山本太郎らとの連携が不可欠。
2014年の都知事選挙は、罰ゲームのようなもので参考になりませんが、2013年の参院選から票読みすれば、丸川珠代+山口那津男+武見敬三の自民公明で247万票を獲得し、吉良よし子氏に山本太郎、落選した鈴木寛氏まで含めた民共合作で、菅直人の配下にあった大河原雅子氏の獲得票数を、民進党の固定票とすれば23万票で足しても215万票。
維新や「みんな」がどちらに流れるかの票読みは難しいところ。どちらも性質は「浮動票」だからです。都議会の「元みんなの党」とは塩村文夏氏や音喜多俊氏。他地域選出なので評価は控えますが、政党というより個人の人気の感が強く、それを固定票と呼ぶには難しいのは、タレント人気に通じます。
柿沢未途のように世襲により確固たる地盤をもっていた議員もいましたが、すでに「みんなの党」はなく、民主党所属の都議時代に飲酒運転で単独事故を起こした果てに、プチ断食レベルの僧侶修業で「みんなの党」に鞍替えし、衆院選で初当選した
「ミスター焼け太り」
は、いまや古巣の民進党に出戻っています。
そこに期待して、「みんなの党」からでた桐島ローランド氏の32万票を足して247万票。これでようやく互角です。
その他、革新系の諸派を合算して、ようやく勝ち目が見えてきますが、 蓮舫氏は熱狂的な支持者もいますが、仕分けの女王とやらの悪評も多く、無党派層には「女性だから」と投じる有権者がいて、それが蓮舫、吉良よし子、丸川珠代の票を上積みしており、対立候補が「丸川珠代」ならば、こうした上積みは期待できません。元テレビ朝日記者 末延吉正氏は2016年6月20日に東京MXで放送された『ニュース女子』で、
「丸川珠代は放射能発言で駄目」
と烙印を押していましたが、彼も元朝日系の記者らしく、事実から目を逸らしています。日本全国、放射能や脱原発が争点になったとき、脱原発派はことごとく負けています。
彼らが勝利するのは朝日新聞紙面上と、科学と民意を無視する裁判官による法廷闘争だけです。
むしろ、放射能を争点として丸川珠代を攻撃したなら、蓮舫には壮絶な討ち死にが待っていたことでしょう。と、いうのは脱原発を声高にさけぶ連中=パヨクの主張は非論理的で、まともな判断能力を持つ有権者ならば即座に呆れるからです。
それでも蓮舫氏が出馬していれば、当選確率が高まるのはやはり「浮動票」によります。参院選はこのままいけば自民党の勝利は揺るがず、選挙結果が確定した瞬間から、マスコミによる
「自民党独裁で良いのか」
というネガティブキャンペーンが始まるからです。
すると直近の選挙では、日本人独特のバランス感覚が働き、どちらとも決めかねるなら、「自民党じゃない方へ」となります。
そして僅差で蓮舫都知事誕生・・・となったかもしれませんが、これまで見てきたように、民進党の得票数から票読みすれば、マスコミが喧伝した「圧勝」という結果にはなりません。いつもの希望的観測=妄想でしょう。
だから利に聡い彼女は身を引いたのです。参院ならば2位でも議員の身分を維持できます。
さらにウルトラC。
これは夢想ながらも、蓮舫出馬! となれば、自民党は党を挙げて叩きつぶしにかかることでしょう。蓮舫や民進党が怖いのではありません。背後に憑くことあきらかなマスコミを叩きつぶすためです。正確にはマスコミに巣くう左翼と、反日活動家らです。
さぁ王子様の登場。小泉進二郎氏です。
横須賀の王子様は東京と無関係。ならばハゲネズミは福岡県出身ですし、蓮舫氏は元台湾国籍。東京生まれということなので在日台湾人(あるいは在日中華民国人)で日本に帰化したので国会議員になれました。
ルールに従い出自を問わないのであれば、進二郎坊ちゃまを止める道理は無く、もともと地方の県知事は、事実上、中央官庁からの天下りポストなのですから、政界のプリンスが、首都の顔になることを批判するのはおかしな話し。
小泉進二郎氏なら、親父譲りの「脱原発」で、そちらの勢力も取り込めますし、米国などでは州知事から大統領を目指すのは、黄金ルートであり、
都知事→オリンピック成功→電撃辞任(呼応するように衆院解散総選挙)→自民党総裁として中央政界復帰→総理大臣へ
1981年生まれの進二郎氏は、2020年なら
「39才の総理大臣」
となります。その足跡に民進党の屍が転がり、盤石の自民党。それはそれで多大な心配があるわけですが。
妄想はともかく、蓮舫を国会から追放する機会を失ったことは残念。彼女の計算能力の勝利と称えるべきでしょうか。