桐島ローランド 逮捕・・・と世間を騒がせています。
ヤフーで「桐島ローランド」と検索すると「関連語」として「逮捕」が表示されているのです。
何のことはないネガティブキャンペーンです。
拙著『完全! ネット選挙マニュアル(電子書籍)』で予告した通り、SEOへの無策が露呈した形です。さらに逮捕から派生して「桐島ローランド 逮捕 脱税」と尾ひれがつきました。
月曜日の毎日新聞朝刊にコメントを寄せたのはこの件です。物書きの仁義として、記事が公開されるまでは触れることは控えておりましたが、記事に桐島ローランド氏の名前がないのは、大マスコミは「不偏不党」が建前となっており、応援することも批判することも難しく、今回の事案など、どちらにもとれるので、具体的な名前に触れることなどできません。
さて、それでは「桐島ローランド」氏は「逮捕」されているのか?
結論を述べれば、恋愛警察による取り締まり以外では逮捕されていません。恋愛警察における前科としては、ショムニの・・・もとい女優の江角マキコさんと離婚歴がありますが、どちらも新しい家庭を持っているので、ことあるごとにほじくり返されるのは、いくら芸能人といえども不憫です。
みずから過去をネタにしている芸人やタレントはともかく、いいかげん見逃して欲しいとしながら、コトの経緯から、わたしも触れてしまったのですから同じ穴のムジナです。
「桐島ローランド 逮捕」について、各種ブログが取り上げていました。特に「ソネット」に多く、桐島ローランド氏が出馬を表明した6月19日に集中的にエントリーが増加します。
こうした「時事ネタ」の場合、同時多発的にブログが増えることは、よくあることですが、不思議なことがあります。「桐島ローランド 逮捕」と題したブログのすべてに共通するのが、
「桐島ローランドさんが逮捕されたと噂があった」
「桐島ローランド 逮捕 とキーワードが急上昇した」
的な記述です。的なとしたのは、そのまま書いてしまうと、これらのブログを喜ばせるだけで、おまけに落選運動幇助になると・・・ならないでしょうね。そこまでネットに詳しければ、あんなザル法=改正公職選挙法など通すわけがありません。
ともかく、注目されたから書いたとあるのですが、
「桐島、逮捕されたってよ」
の噂の出所が明記されていないのです。
そこでヤフーリアルタイム検索をみると「桐島ローランド 逮捕」がヒットするのは6月20日と21日、それもそれぞれ1回限りです。厳密には19日と20日のツイートを拾っているのですが、そのうち19日のアカウントは既に凍結されています。
先に触れたようにエントリーが集中するのは6月19日。するとこのリアルタイム検索で見つかったツイートが「噂」のでどこという可能性はなきにしもナッシング。
ここでブログのサブドメインを「sample」からはじまる連番にしているのは改竄を避けるため。
http://sample-01.blog.so-net.ne.jp/2013-06-19
2013-06-19 19:05
http://sample-02.blog.so-net.ne.jp/2013-06-19
2013-06-19 19:03
http://sample-03.blog.so-net.ne.jp/2013-06-19
2013-06-19 19:06
残りふたつは多少時間が「前後」します。
そしてツイートの日時は「6月19日 19時24分」です。
時間軸が前後してしまうのです。つまり、ヤフーのリアルタイム検索を「噂」の源泉とするなら、当日の5つのエントリーから前後の後、ひとつしか、実現できないということです。つまり残りの4本は過去に遡ってブログが書かれているということです。
サブドメインをぼかした理由は改竄防止とは既に述べました。ブログの日時や内容は、いつでも改竄できるのです。だからリアルタイム検索を見てからブログを書いて、日付を前倒しにすることも不可能ではありません。しかし、すると内容に齟齬が生じます。というか、そうする合理性がありません。仮に投稿時間を前倒しにするなら本文の中で「スクープ」を演出するものだからです。もっとも事実無根の「桐島ローランド 逮捕」にスクープ性はないのですが。
しかもこれらのブログを最初に発見した人の話では、当初「桐島ローランド 逮捕」と題したエントリーしかないサイトがいくつもあったと言います。報告を受けてわたしが調べたときには、すでに数十本の芸能系のエントリーがありました。
念のため、明示しておきますが発見した人と党に接点はありませんし、起きている事象に対しての観測と、確認をしたものであり、政党を応援したものでも、桐島ローランド氏を助ける目的でもありません。桐島さんの所属する「みんなの党」の「アジェンダ」という表現が嫌いなので、そもそも手助けしませんが、万が一、手助けすることがあったとしても選挙期間中はびた1文たりとも受けとりません・・と、面倒ですね。いちいち、示しておかないと「買収だ!」と騒がれても本当に面倒なので。本稿はITジャーナリストとしての職責にかられての無償・・・あ、拙著を紹介した時点で、売名行為ですね。ただ、ザル法が故に、どう適用されるかわからないので、予防線を張っているのです。みなさんもくれぐれもご注意を。
コホン。話を戻します。
大半のブログ管理ツールには「インポート」という機能があり、これを用いれば、後からエントリーを増やすことなど造作のないことです。数秒から数分で、一度に数十から百数十件を増やせます。
報告を受けたのが7月12日(金)の午前10時ごろで、わたしが調べたのは翌13日(土)の午前5時頃。推測に過ぎませんが、ブログへのアクセス数の上昇をみて、あわててアリバイ作りをしたということかもしれません。「桐島ローランド 逮捕」だけのエントリーではネガティブキャンペーンを疑うのが自然流れですが、その他の芸能ニュースを混ぜることで「ひとつの芸能ネタ」とすることができるからです。
そしてエントリーはこう結びます。
「調べたけど逮捕されてなかった」
みな同じです。ソネットの5編だけでなく、独自ドメインを取っているサイトでもみな同じです。
では問います。
「なにで調べたのか?」
検索か、ウィキペディアか、所属事務所か、後援会にデン凸したのか? なにも明記されていません。ただ、調べたら無かった、です。それで「桐島ローランド 逮捕」と見出しを打っているのです。
それも複数のサイトとブログで。不自然です。
先のリアルタイム検索にあった20日のツイートを紹介しましょう。
“桐島ローランドって江角マキコの前旦那だよね。覚せい剤か何かで逮捕されてた。(以下略)”
本来はURLかアカウント明記し引用元をすべきですが、実名とおぼしきハンドルネームで、仮に匿名であっても、大学入学年と出身高校を公開していることから本人の特定は容易と思われ、そこから割り出される年齢は還暦を超えており、公開情報でうろ覚えで嘘を撒き散らかすことに憤りを感じますが、あえて本稿では掲示していません。
そしてこれならタダのバカです。割り出した年齢からは団塊世代でいい加減にしろと後頭部を、巨大はりせんで叩きたくもなりますが、悪意だけは感じません。しったかぶりでしょう。もちろん、事実無根です。
虚言やうろ覚え、事実誤認をもとに「桐島ローランド 逮捕」が生まれたのであれば、このように内容がぶれるということです。あるいは、記事が元ネタなら、そのコピペが散乱します。
今回の選挙では自民党の丸川珠代さんも同様に仕掛けられており、彼女は
「丸川珠代 スキャンダル」
でヤフーで名前を検索すると関連語に表示されます。このネタ元は前回2007年に選挙に出馬したときの、週刊現代の記事で、ただこれも俗に言う「週刊誌ネタ」で、1997、98年といった、すでに10年前の伝聞情報を元にしたものにすぎません。
まぁいい迷惑ですが、裁判で争って痛くないか、多少痛い腹をつつかれるより静観を決め込むのが正解ではありますが、このようにネタ元が明示されている物は、コピペ記事や引用が明らかにされるのです。
一方、桐島ローランドさんは無罪です。というか事実無根です。
事実が一切示されていないのです。
しかも記事は
「桐島ローランド 逮捕!? ・・・と思ったら逮捕されていませんでした」
という「名誉回復」をしているものです。すなわち
「名誉毀損だ!」「侮辱罪だ!」
とやるのが表面上、難しいのです。だからプロの仕業でしょうね。
ただし、落選狙いのネガティブキャンペーンか、ネガティブ情報により集客し、アフィリエイトによる小金稼ぎかの判別は難しいところです。
まさにネット選挙で懸念していたことです。
政治はあまりにもSEO、というよりネット全般に疎すぎます。
それでよく解禁したなぁと。というか、頭が下がる思いです。
「自分たちが知らないリスクを承知で(知らずに?)、国民の声に応えてネット選挙を解禁した」
のですから。もちろん、イヤミですよ。ここらは拙著で指摘していたこと。
「検索結果に並ぶ誹謗中傷は改正法の適用外」
とね。これはネット業界人なら誰でも知っていること。それに口をつぐみネット議員や、ツイッター議員とシンポジウムや討論会、ニコニコ動画でいいことしか行ってこなかった、ネット有識者(ジャーナリストと最近は名乗っているものや、オタクと政治を混同する評論家などね)の罪は重いといえます。
もっとも彼らは発言を撤回することも謝罪することもないでしょう。なぜなら、ネット選挙に絡んだ発言ではかならず
「問題も起こるだろうが」
と保険をかけているから。だったら、その問題を先に指摘するのが専門家だろうが、と、指摘する存在はありません。みな、ムジナの友だちだから。そこで、まぁ連休明けですが、書いたわけです。
そして「桐島ローランド 逮捕」については対策がありますが、それは明日発行のメルマガ版にて。
続「桐島ローランド 逮捕」対策編 #ネット選挙へ続く
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