いびつな絆 関東連合の真実

 市川海老蔵土下座・・・暴行事件と、六本木フラワー襲撃事件で表舞台に引きずり出された元暴走族「関東連合」の関係者が書いたとされる本です。

 とされるとは、ペンネームだから。

 ただ、真に迫ると感じるのは

「関東連合寄りの記述が目立つ」

 こと。関東連合とは、かつて存在した暴走族の連合体でと、概要はネットで検索すればでてきますが、著者曰く、その関係性をもったまま社会に活躍の場を求め、合法、非合法の狭間を闊歩してきたというのです。

 表の世界で事件になった元社長や、イニシャルながら芸能界のドンと呼ばれる人物との接点も紹介されており、実話ナックルズの読者なら必見・・・というか、ヤクザにならない「半グレ」側からの主張は必読です。

 そして彼らにっての、いわゆる義侠心というものの有り様は、身内に向けてでしかなく、彼らにとっての社会性とは、関東連合を通じた人間関係しかないことを浮き彫りにします。

 だから、金属バットや刃物を持って人を襲えるのです。

 さらに、広島のLINE殺人事件で犯人のひとりが自首してきた理由も透けて見えます。

 端的に言えば「罪の重さ」を量ってのことです。

 この重さは良心の呵責ではありません。刑罰の軽重です。

 六本木フラワー事件を、暗闇での殴打から、犯人の特定は困難で、特定できない以上、明確な殺意を検察が認定することは難しく、最悪でも傷害致死に収まるのではないかと推測します。すると死刑は回避でき、刑期も短くなるという目論見です。

 本書を読めば、彼らが「殺す気」で暴力をふるっていたことは明白です。暴力の本質はそこにあり、彼らは自覚的です。しかし、法律は殺人に殺意を求めます。それは殺された相手への人格を認めるものですが、同時にこうした

「なんとなく殺しちゃった」

 という犯罪に対応できない、現行法の限界を露呈します。
 広島の事件では事件発覚前の出頭で、自首が適用されるという目論見があったのでしょう。

 過去の暴走、犯罪歴を含めて正当化するところに、イラッとしながらも、しかし、彼らの側の主張や正義を見ることは、事件の全体像を掴む上で、とても参考になります。

■いびつな絆 関東連合の真実
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