ネット選挙が解禁されるという流れに暗雲が立ちこめています。理由は議員間のネットリテラシーの差によるデジタルでバイトを懸念する声から、はやくも見送り論が自民党内からでてきていると産経新聞が報じていました。
これは杞憂。参議院選挙におけるネット解禁の影響など微々たるものです。当落線上の議員は別として、いまの解禁論は米国や韓国との国民性の違いを抜きにした議論で、どうしてこういう論調になるかといえば、解禁を主張するウェブ業界人が
「地球市民」
という鳩山由紀夫的妄想をいまも信じているからです。だからアメリカでの可能性、韓国人の熱狂を、日本人も再現するというのはもはやルーピーです。
ただし、「先送り」したときの自民党のダメージは大きいでしょう。朝日新聞を筆頭とするアンチ自民党メディアが狂喜乱舞して騒ぎ立てることによる印象操作によるダメージは、アベノミクスを吹き飛ばす可能性すらあるからです。
だからここは推進するふりをしながら、条件を課して利用範囲を限定していく方が、わたしは日本の国益のためにも有効と考えています。こういう主張があります。
「世界中が選挙のネット利用を解禁している」
反駁します。
「よそはよそ、ウチはウチ、そんなによそがいいなら、よその子になりなさい」
解禁して迷子になっている国もある事実をウェブ業界人は語らず、事実上、一部規制している国もあります。だから日本独自の規制を課しながらよりよい選挙制度を目指すことは、成熟した政治システムを持つ国なら当然の判断です。
そして懸念がひとつ明らかとなりました。
「毎日jp」やわたしも連載している「マイコミジャーナル」の検索結果にアクセスしようとするグーグルが
「このサイトはコンピュータに損害を与える可能性があります」
と表示してアクセス拒否をしていたのです。現在は復旧しているようですが、つまり、グーグル経由でこれらのサイトを利用できなくなっていたのです。
想像に過ぎません、個人情報を取得するためのコードがひっかかったとみています。しかし、グーグルという米国の民間企業の思惑ひとつで、国民が特定の情報にアクセスできない可能性があるということです。
それこそ「知る権利」が脅かされる危険性が、いまのネット界にはあり、そこへの対応策を検討しないまま、野放図にネット選挙を解禁することへの危惧はまったく議論されていません。
世論に押され、ウェブ著名人というお気楽で思慮の浅いオプティミストの甘言に乗せられた「ツイッター議員」がニコニコ動画で馬鹿騒ぎ。
可能性に希望と夢をラッピングすれば、どんな不可能だって乗り越えられるのは漫画の中だけの話し。政治に求めるのはリアリズムです。
※「ネット選挙」について絶賛執筆中! すでに10万字を越えましたが、一回目の推敲の段階で大幅加筆しており、ネット選挙の審議が長引けば長引くほど、原稿が膨れあがる予定です。
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