つくづく日本にグーグルは生まれないなぁと呆れた話し。
情報サイトに表示される画像や映像の「バナー広告」。ヤフージャパンのトップページへの掲載は、月額1億円と話題になったのは20世紀の話し。かつては固定の静止画で、帯状だったことから「バナー(横断幕)」の名がつきましたが、いまは様々な形状があり、動画も流れ、なにより利用者により表示が異なる「行動ターゲティング広告」となっています。
別名「ストーカー広告」。ひとたび表示されると、執拗に同じ広告が表示され続けるからです。
仕組みは単純で、通販サイトなどへのアクセス記録が、「クッキー(cookie)」という機能でブラウザに保存されています。いわば「あしあと」です。このネット上の「あしあと」から、興味を持ちそうな広告が選ばれ表示されます。これにより、ある作家の本を検索したあと、関連書籍が表示されるようになります。
しかし、検索は好意で行われる訳ではありません。先日もホリエモンこと堀江貴文氏が主犯とされる「ライブドア事件」を確認するために検索すると、その後、堀江貴文が主催するというセミナーだか、勉強会だかの広告が執拗に表示されます。
彼に学ぶことがあるとすれば、反面教師としての役割ぐらいで、かつてライブドアの株主だった苦い経験というより、彼の品性と感性は私の人生に馴染まず、彼が出演するというだけで、永年視聴してきた番組でさえ、一切見なくなります。例えば「サンジャポ」とか。
だから、広告が表示される度に苦痛。特に朝のさわやかな時間に見ると、軽い嘔吐感を覚えるほどです。二日酔いのせいという疑惑も捨てがたいですが。
そんな時は「右肩」にある「×」や「i」をクリックすると、非表示と申告することで撃退できます。×はグーグル系の広告で、iはヤフー系。その他もありますが、×のグーグルはこれをクリックすると、広告の表示位置の確認と、広告停止の二択で問われ、「停止」を選ぶと、次は三択。安心してください。これで手続きは終わり。
○繰り返し表示される
○既に購入済み
○興味なし
広告精度を上げるためでしょう。
ヤフーも同様。ただ、ヤフーは自由記入の備考欄まであり、よりきめ細かく情報を掘り下げようとしているのか・・・と思いきや。グーグルはすぐに、同じ広告は停止されますが、ヤフーは一両日が過ぎても表示されたまま。
ユーザーの利便性より、広告収入を優先しているからでしょう。アメリカ企業を礼賛するのは歯痒いばかりですが、アメリカ生まれのネットベンチャーは、徹底的にユーザー至上主義で、ユーザーに支持されれば利益がついてくるという信念がそこにあります。
ところが日本のネット企業は、結局、企業にぶら下がり垂れ下がっています。これはその一例。Yahoo! ショッピングの無料化に、少し期待したのですが、結局、親会社の「ソフトバンク」が、「ヤフーBB」の販促と同じく「囲い込み」で、囲い込んだ後から搾り取るつもりなのでしょうね。
たかが広告ながら、企業の姿勢が垣間見えます。
なお、行動ターゲティング広告は、必ずしも消費に結びつきません。なぜなら、検索により商品を見つけ出し、すでに購入していることもあり、その時、広告はイヤミというか押しつけというか、その企業や商品を嫌うきっかけにもなるからです。
昨日、車検を前にタイヤ交換と、ネットでタイヤを購入したのですが、以来、ヤフーの広告で石田純一が笑っています。彼が広告キャラクターを務めるタイヤ販売会社「AUTOWAY LOOP」が執拗に表示されるのです。
安保法制反対のデモで、無知を露呈したおじいちゃん、石田純一。彼が薦めるタイヤは、快調に走ることは走るでしょうが、ブレーキが効きにくそうで、なにより「左旋回」しそうで怖くて使えません。
余談ながら「東京靴流通センター」も彼をイメージキャラクターとして採用し、安保法制反対とか言うと、言論が弾圧されるとか・・・よく言うよ。ま、彼がキャラクターを務めている限り、ここで靴は買いませんが。同じく左足に重心のかかる靴は歩きづらいので。