保育所に入れないと抗議するママ達は幸せものという足立区の現実

足立区で保育所にはいれないとママが、足立区区役所へ抗議に訪れたとニュースが報じます。「少子化」を盾に抗議する彼女たちはまるで正義。しかし、足立区民としては気になることがあるのでここで指摘しておきます。元記事は3年前の投稿ですが、この手の話題で苦言を呈すと、論拠を示さずアホやなんやと中傷する輩が現れるので、加筆修正による論拠を持って反論とします。

保育所にはいれないとの抗議を報じた数紙の中で、東京新聞は「駅前の再開発により大型マンション(集合住宅)」ができたことで、保育所が不足していると指摘します。ママの代表の意見を要約すれば、家ができれば子供が増えることぐらいわかっているだろゴルァと、最後は付け足し。

要するにそういうこと。泣く子と地頭には勝てないと鎌倉の昔からいわれているように、子供を盾に取られれば北島康介ばりに「なにもいえねぇ」となるのが行政や政治家です。というわけで一介の物書きとして足立区を擁護します。

まず、無認可や保育ママの制度などを含めれば、想像以上にこまめにケアしているのは、姉が亡くなったとき、当時2才の甥の預け先を探して知ったことです。特に昔から子育て世帯が多かった鹿浜などの環七以北は結構あります。足立区の構造上、自転車移動や、自動車通勤を踏まえれば足りているといっても良いでしょう。ただし、これは無認可と私立幼稚園も含めてのことです。

行政の立場からすれば保育所の需要は数年程度。その度につくって、壊すとは民間の発想で、たとえばすべての保育士をパートで運営するのなら、雇用問題は解決できますが、パートだけの保育所で文句を言い始めるのは保護者たちです。万全のケアと、対策をもってとなれば、条例の変更から雇用問題まで絡み、「はい、よろこんで!」と安請け合いはできません。

そしてもうひとつ。「駅前の再開発で大型マンション」を行っているのは、足立区内では西新井の東西だけ(当時)。で、どちらも巨大で、特に西口は足立区には似つかわしくない巨大な「ビル街」となっており、周囲を歩けば10分では足りません。ただし、そこから少し・・・そう、自転車で10〜15分も移動した、小規模保育室になら今現在も「空き」があります。ただ、報道によれば書類審査で落ちたとあります。そこで区役所のホームページから当該PDFをダウンロードしてチェック。

あぁこれじゃあ、このママさんたちは無理だよ、と納得。当初は世帯収入が理由かと思っていました。なぜなら西新井のあそこらの物件は、周囲の足立区物件の2〜3割増し。マンションなら2980万円がざらにある足立区で、4500万円など誰が買うのかボケと突っ込んでいたら完売御礼。その余裕があるなら、保育所ではなく幼稚園に入れれば良いのにとつっこめば、高い物件を買ったから余裕がないのよとヒステリーを起こされそうなので黙って次に移ります。

「保育園入園案内」

によると、「実施基準」と「調整指数」で点数化して、上位者から決まっていく仕組みで、基準は就労状況を就労時間ごとに細かく区分されており、月20日労働で1日8時間以上勤務すると「23」ポイントゲット。同じく20日間でも1日4時間以上6時間未満の就労だとぐっとさがった「16」ポイントとなります。これで並んだとすれば次の調整指数に移るのですが、勤務実績の所はそれほど開きがでるものではないでしょう。

  • 父母のひとりが不存在(死亡離婚未婚など)の場合 2ポイント
  • 父母の両方が不存在(死亡、行方不明など)の場合 3ポイント
  • 父母のひとりが海外勤務、長期入院等により長期不在の場合 2ポイント
  • 生活保護世帯 2ポイント
  • 保護者が直近年度住民税非課税(ただし、前年の納税義務が外国にある世帯は除く) 1ポイント

と続きます。有り体に言えば「不幸な環境の子供は高ポイント」となる仕組みですが、足立区ではさして珍しい条件ではありません。さらに片親で、それが働いている場合はボーナスポイントとして「5ポイント」ゲットです。西新井駅前の豪奢なマンションに住む幸せ一杯のご家庭には想像もできない不幸を日常として生活している足立区民と同じ土俵にたったとき、保育所の入居条件ぐらいは優位に立たせて欲しいものとは足立区民の自虐的なギャグ。

いわば子供手当や高校無償化と同じで、本当に貧しい人のためにある制度が「保育園」なのか、とにかく子供なら貧乏人から貴族まで上下水道のように等しくケアする制度なのかが問われるもので、ただし先に触れたように足立区役所も区議会議員も口が裂けてもいえないことを今からいいます。

「足立区は不幸な家庭環境が多いんだよ」

もっともその不幸とは外から見たときで、不幸を友として生きていると気がつかず、それが向上心を低下させているという別の問題を孕むのですが。なにはともあれ、あえてどことは書きませんが、都営団地周辺の子ども達も取材して欲しいものです。

 またこの手の議論で「保育園」ばかりが論じられますが、「幼稚園」だってあります。なぜ、幼稚園では駄目なのか。これがなぜか議論されません。預かり時間については、『「保育園落ちたの私だ」では絶対に解決しない保育園問題』で書いたように、夕方6時まで預かってくれる幼稚園もあります。お住まいの地域がそうでないなら、それは地方自治体の話し。まず、地元の市議や区議に当たるべきでしょう。

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