小学校4年生に「なりますし」をし、政治的メッセージ、つまりは安倍政権批判を展開した青木大和(慶応大学在学)と、それを手伝った「Tehu」と名乗る人物はウィキペディアによれば中国籍の学生(同)。
安倍首相がFacebookで苦言を呈したことで、一般メディアにも報道されました。純粋無垢な小学生を装う卑劣さを嘆くのですが、小学生が純粋無垢というのは重大な事実誤認で、安倍批判をしたいものはここを突くべきなのですが、「子ども」のイメージは汚してはならないという不文律がこの国にはあります。
ただ犯人・・・騒動の主は、20才とあり、つい先日まで「子ども」として少年法に守られており、小学生が政治活動どころか、海外ではテロ活動に参加するのが現実で、ましてや老若男女の誰もが参加できるインターネットを用いれば、政治活動、選挙妨害だって思いのままです。
選挙のたびに「ネット選挙」が語られ、有権者の年齢を18才まで引き下げる方向に進んでいますが、
「子どもによる政治犯」
の議論が置き去りにされています。
この危険性は
「純粋な無知」
による、平たく言えば「バカの暴走」を取り締まることができないということです。
政治犯ならティーンエイジャーを厳罰に処すべきだとわたしは考えます。なぜか? 政治に参加するという民主主義における権利を行使したいのなら、応分の義務と責任を果たす必要があるからです。
もちろん、「参考意見」としてティーンエイジャーの声に耳をかたむけるのは政治の責任ですが、そのティーンエイジャー自身が、合法非合法を問わずに政治参加を目指すならば、その責任は自分自身が背負わなければなりません。あるいは「親」や「環境」がです。
そして青木大和と「Tehu」は政党を作り政治活動をすると広言していました。それが小学4年生を騙り、安倍首相を貶めようとしましたが、現行法では取り締まりは困難です。
それどころか、このバカを擁護するバカまでいるのが現状です。
主犯は青木大和のようですが、ネットに落ちているインタビュー記事を見るに、共犯関係は明らかな「Tehu」とは、高校生の時に作ったアプリ「健康計算機」が瞬間でも世界3位となったのは見事ですが、天才プログラマーと持てはやされた割りには、後は鳴かず飛ばずで、これからも生ぬるい目で観察しようと「うめけん」と同じ箱にいれていたら、20才を前に「プログラマー」の活動を無期限休止と宣言します。
需要も才能も結局なかったのに、ワイドショーの「アイドル特集」で紹介されてその気になった地下アイドルの引退と重なるほど、どうでも良い話しですが、日本人じゃないのでそっとしておきます。
ただ、Web業界にはこの手の「一発屋」が多いのは事実で、偶然の成功を名刺として、成功しそうなプロジェクトにいっちょ噛み(一口馬主や、ツイッターで絡む程度という意味)して、運良く成功した事例だけをプロフィールに書き加えていきます。
主な収入源は執筆活動となり、そこから派生するイベント出演は、薄謝なれど、運良く「固定客」を掴めればネットイベントには繰り返し呼ばれるようになり、そこでできた「人脈」に絡みつきながら小銭を拾っていきます。
運良く雑誌連載まで漕ぎ着ければしめたもの。特にWeb業界にいた頃、雑誌はもちろん、新聞やテレビを「オワコン」と馬鹿にしていた連中でも、そこでの仕事を大切にするのは、メディアの影響力は派生する仕事を生み出すからです。
また拙い文章力でも、優秀な大学を出て現場で経験を積んだ編集者が、商品として成立する文章に仕上げてくれることは、イケダハヤトが自身の書籍を例に紹介しています。
何かの間違いでテレビ出演しても問題ありません。まわりはプロです。アイドルや、一発ギャグだけの笑わせる芸を持たない芸人でも、ベテラン俳優に囲まれれば、それなりに芝居が成立するように、司会者を含め周囲が完全にバックアップしてくれます。
むしろ商品価値は、発言内容になどなく、経歴と見た目です。メガネや染毛、ノートパソコンやタブレットなどの小道具があれば充分です。どうせ、誰も発言など聞いていないのですから。
そしてこれは出版業界やお芸能の世界では知られたことで、取り立てて非難するのは野暮というものですが、ブログやツイッターと、本人が書いたとされる「書籍」の文体の乖離からおおよそ想像できます。
また、昔の文体と比べると、明らかに「別人」もいますが、これもそっとしておきます。
私の文章も、ときおり編集者の手が入り、本日公開された原稿でも、注釈的な編集者の「一行」が加筆されていますが、文意を変える修正や、文体が変えられたことは一度もなく、そして何社かで仕事をしましたが、必ず言われるのが
「(ミヤワキさんの原稿は)手を入れなくてすむので助かる」
ということ。
裏返せば、手を入れなければ、世に出せない文章が多いということです。
話を戻します。
先の「Tehu」を中国籍と紹介し、そっとしておくとしたのは、もちろん人種差別ではありません。
「なりますし」をして行っていたのは安倍政権批判だからです。むしろ中国が安倍政権を批判するのは、国是といってもよく、ならば「Tehu」氏の行動は我が国においては敵対行動ですが、彼の置かれた立場なら「愛国的」として称揚されることでしょう。
しかし、青木大和が日本国において政治活動をしようとし、中国籍のものを「仲間」としたことは記憶に留めておくべきでしょう。彼からは鳩山由紀夫の腐臭が漂います。お若いのに。
まだ二十歳と若く、しかし、若さを弁解にできないのは「政治活動」を目指すと広言しているからです。「政治」は子ども遊び道具でもなければ、リビドーの発露でもありません。
小学校4年生、放送部の中村を名乗り書いた
「どうして解散するんですか?」
ではじまる文章は稚拙。それは小学校4年生の文章だからではなく、どうみても自作自演、特定秘密保護法に反対するための朝日新聞の川柳欄レベルにも到達せず、聖教新聞における池田先生礼賛レベルにも到達していません。
それに対して、サイトの出来が「それなり」であれば、作為を感じるのが「ネット民」です。それも「ひっそり」とやっているならば、方法はともかく「行動」を起こしたかったのかと同情の余地も生まれますが、そのサイトを「スパム」よろしく、各方面の有識者に送りつけていたのですから「注目」を集めることを前提とした確信犯です。
むしろ「炎上」を起こしても「目立てばOK」という開き直りすら感じるのが、詐称がばれての謝罪文で「主張」を取り下げていないところに見つけます。
内容をネットに保存されていた画像からひろうとこう。
“しつもんです。
ぼくにはさっぱり分かりません。あべそーりはテレビで
「みんなに問い直すための解散だ」って言っていたけど、
もんだいは一体なに?
たしか議員さんの数が多いのが問題だってパパが言ってた。
でも本当に減らされちゃうのは学校の先生みたい。渡辺先生だいじょうぶかなあ。やっぱり議員さんってエライんだ。
あとさ、アベノミクスっていうやつで、国のお金を増やすって言ってたのに、ぼくのおこづかいは増えてないよ。パパもママも財布の心配ばかりで、大好きな焼き肉も食べにいけない。でも、1回で700億円かかる選挙は簡単にできるんだよなぁ。
ねぇ、だれのお金なの? ねぇねぇだれか教えてよ。
あべそーり、政治家さん、テレビや新聞のみなさん。
約束って守らなくていいの?ムダ遣いしても怒られないの?
どうして解散するんですか?やっぱりこれも秘密なのかなぁ。
どうして解散するんですか?
(改行字詰めなど筆者、原文手書き風)”
Tweets by why_kaisan
上記アカウントで一部ご覧いただけます。
ネットでは小学校4年生で習う漢字との整合性からの疑問もありましたが、「財布の心配」というお金の慣用句を扱えながら、国のお金と家計を混同する人物設定に無理があります。
焼肉と700億円もおかしければ・・・と、面倒なので細部は放置するとして、全体的に設計が間違っているのが「基礎知識」がなければ、できない質問をしているところにあります。
またその「基礎知識」には、思想的偏りが見え、「問題の有無」については独自の見解を持っているということが一目瞭然で、ネット民でなくても文章のいびつさに気がつく・・・ところが、気づかなかったのが民主党や乙武洋匡氏で、スパム案内にリツイートで応じます。蓮舫も
「素朴な疑問がよくわかる」
と絶賛していました。まともな読解力があれば「怪しい」と気がつくことでしょうに。うちわの蓮舫はともかく、乙武洋匡氏は学校の教員もやっていたと記憶していますが、我が子がいれば預けることに躊躇いを隠せません。もっともわが家には子どもはいないので安心ですが。
青木大和のやったことは、慶応大学生による「バカッター」です。そこから一定の社会的制裁を受ける必要があると考えます。裁定は所属する大学か、両親か、彼の関係者が下すべきです。
バカッター程度ながら、なぜ、大学による処罰が必要かといえば、騙りによる政治活動を許せば、連中が唱える「自治」が京大と同じ、テロ活動の隠れ蓑・・・と疑われてしまうからです。
自治を求めるなら、相応の規律を自ら示す必要がある、という社会常識が、いま慶応に求められています。また、彼が慶応大学生になった経緯にも関係しますが、こちらは後ほど。
ただ、このバカ、反省をしていません。
悪事が露見し、逃げられなくなり発表したコメントに、謝罪の言葉は記されていますが、行動は間違っていないと言い訳を繰り返します。
冒頭部を引用します。
“皆さんこんばんは。
青木大和です。放送部の中村とは、僕のことです。
まずはじめに皆さんに謝らなければならないことがあります。
10歳の放送部の中村を名乗り、実際は私がリプライ、コメントをしていました。皆さんに嘘をつく形となり、本当に申し訳ありませんでした。
なぜ僕がそうしようと思ったのか、説明させて下さい。
(http://why-kaisan.com/)”
現代風のぼかした曖昧表現なのかもしれませんが、青木大和は嘘をついたのであり、「嘘をついた形」ではありません。形式犯ではなく実行犯です。
そして、つらつらと言い訳が続きますが、
「嘘をついたことへの謝罪」
はありません。謝罪は迷惑を掛けた「身内」に向けたもので、まるで朝日新聞です。
もちろん、嘘の全てを否定するほど幼くもなければ、必要悪としての嘘があることも知っています。
しかし、一般常識を持つ日本国民には
「嘘をついてはいけない」
というコンセンサスがあります。だから、嘘が露見したときには謝罪が求められ、必要悪として嘘をつくなら、墓まで持っていくほどの覚悟が必要であることを、青木大和は知らないとしたら、二十歳を過ぎたとは言え、親の責任は問われてしかるべきでしょう。
その叱責は「政治」に関与する資格はないというものです。目的のためなら嘘を辞さず、恥じず、否定せず、謝罪せずとは菅直人なのですから。
あるいは、嘘が露見しても、嘘をついた行為を謝罪していないこともまた確信犯なら、やはり「慶応大学」の責任も問われます。
青木大和はAO入試での入学で、しかもAO入試を指導する私塾「AO義塾」の一期生。そのAO義塾なるものの代表は斎木陽平氏とあり、彼を取材した「AERA(2013年3月25日号)」によれば、13年度の慶応大学法学部に64人を送り込み、
「全国トップクラスの合格率になった」
と胸を張ります。
そこでネットで噂されるのが、青木大和が作ったNPO団体が、「受験活用」されているのではないかということ。噂を要約すれば、NPO団体の活動を「売り」とすれば、慶応のAOは突破できるというもので、
「AO受験対策のためのNPO」
とみるネット民もいるほどです。
“AO受験では、大学に入って何をしたいかだけではなく、その後どんな人生を送りたいかなど、個人としての総決算を求められました。将来の夢を実現するために何を学ぶのかといった、人生設計を考えるのがAO入試です。”
とは先のAERAの記事にあった、斎木陽平氏の義塾設立の大義です。
しかし、2013年の記事の時点で大学3年生と紹介される斎木陽平氏が、塾を開いたのは2010年で、すると「入学直後」ということで、人生を語れる年齢ではありません。語る人生とは「受験」に過ぎません。
いや、語るのは自由ですが、語る人生などファンタジーであることは、我々も経験してきた道ですがそれは否定しません。夢があるから若者です。
問題はその小僧が「編み出した手法」で、AO入試の実績が積み上げられている事実にあります。NPO団体の「受験活用」が噂される理由です。
慶応大学は斎木陽平氏にまで遡り、AO入試の妥当性を検証すべきではないでしょうか。それをしないのなら、慶応大学は嘘つきとズルを量産するための機関という告白になります。
STAP細胞の発見者を博士と認めたのは早稲田。この博士もAO入試。青木大和は慶応。AOの早慶戦。どちらに自浄作用があるのか生暖かい目で見守る必要があります。
慶応大学のAO入試を説明するサイトにこんな一文があります。
“アドミッションズ・オフィスは入学志望者と大学が互いに望ましい「マッチング」を創り出すための出会いとコミュニケーションの場です。”
そう、互いに望ましいと思った一人が、青木大和であり斎木陽平ということで、前者は嘘を恥じず、嘘を弄してまで政治活動を求め、後者はそんな嘘つきを大学に送り込むノウハウを、在学中から提供し続けています。
学力考査のみにより選抜された学生の人格や品格の責任を、大学に求めるのは酷でしょうが、AO入試は人物像まで選定基準のはず。ならばその人品骨柄、ましてや在学中なら、再点検することにより、
「AO選抜の基準の見直し」
をすることこそ、最高学府に望ましい姿ではないかということです。もちろん、
「いまどきの大学はその程度」
と指摘する声があるなら、そんなものですかと引き下がりますが。
さらなる問題は、こうした連中を称揚する「大人」の存在で、論外の蓮舫はもちろん、乙武洋匡氏もNPO団体に絡んでおり、常見洋平氏は東洋経済のサイトで対談し、社会学者の開沼博氏も応援コメントを寄せ、今回の騒動に際しては津田大介氏が、筋違いな論理のすり替えで擁護する体たらく。
青木大和はもちろん、斎木陽平にしても、「まだまだこれから」と期待するなら、大人=オジサンらの役割とは、是々非々を教えること、面白がっておもちゃやネタにすべきではありません。