ロケットの打ち上げは赤道付近が最適とされています。
難しい理屈はさておき、地球の回転力を活かせるからで、語弊を
怖れずにイメージを掴むなら、サムライジャイアンツの回転魔球を
思い出してください。さらにはヒグマ落とし。あるいはサッカーの
「ハンドスプリングスロー」。
新幹線の車内で進行方向にボールを投げれば、対地速度で球速
300キロ以上がでるようなもの・・・これも分かりづらいでしょ
うか。
緯度が高くなるとこれを利用しづらく、北極や南極からあげるに
は100%自力で上がらなければならず難しくなるのです。ちなみに
成層圏といっても、地球全体から見ればゆで卵の薄皮のようなものに
過ぎず、地球の回転を活かしてようやく届くのがいまの人類の技術
です。
日本が種子島からロケットを上げる理屈も同じです。北海道の
広い大地から、そそり立つロケットが大宇宙へ飛翔する映像は
迫力があるでしょうが、余計なコストと技術力が求められるので
少しでも赤道に近い鹿児島県が選ばれています。
北のミサイルが不発となりましたが、そもそも技術力もあります
が、もともとロケット打ち上げにとっては不利な地域でもあります。
そして不発。しかし、このミサイルは民主党政権に命中したので
よしとします。相変わらずに危機管理意識の低さ・・・というか、
相も変わらぬ
「反省しない人間性」
です。もはや、先の衆院選挙で民主党に票を投じた人に同情する
ほどです。
ここまでクズだったのかと落胆していることでしょう。
誰にだって間違いはあります。力及ばずもあるでしょう。
そして間違いに気づくには真摯な反省しかありません。
しかし、権力の座にしがみつく亡者たちは、自己弁護に汲々と
して国民を振り返ることはありません。
が、それは今回のテーマではありません。
ミサイルは上げる場所も大切なら、そのタイミングも重要です。
敵が準備万端整えた状態でミサイルを撃ち込むのは愚の骨頂です。
ミサイルは相手が準備をしていない虚を突くべきで、さらには
発射後の根回しを入念に済ませてから撃たなければ、いたずらに
敵を増やすことにもなりかねません。
そして見事打ち上がったのが「慎太郎スカッド」。
いわゆる「尖閣買います」です。
打ち上げ場所はアメリカの首都ワシントンD.C.。
つまりは「アメリカには話しが通っている」とみるべきでしょう。
もちろん、東京都という自治体が、南国の島を買う国内問題に
アメリカが口を挟むことはありませんが、それすらも中国への
メッセージとなります。
これが国内なら問題が矮小化され、後に述べるようなネガティブ
キャンペーンに晒される懸念もあります。
さらに「ヘリテージ財団」での講演。
ヘリテージ財団を調べてみると議会に強い影響力を持つ保守系
のシンクタンク。とするとここで中国が強硬姿勢に出るならば、
「アメリカ大統領選挙」
の材料となる可能性もでてきます。
フィリピンの西、ベトナムの東、そして中国からははるか南の
スプラトリー諸島で、米軍とフィリピン軍が合同演習をしている
タイミングです。
端的に述べればこの海域の騒動も中国の侵略によるもので、
尖閣を仮に中国が実力行使にでれば、我が国の領土が危機にさらさ
れるということであり日米同盟の対象となり得ます。
いま、オバマと共和党は対中貿易赤字やレアアースなどを
絡めて「チャイナバッシング(というより根拠も理由もあるので
すが)」に忙しく、ここに「侵略者 中国」という事実がアメリカ
国民に広く知られでもすれば、格好の選挙材料になりかねません。
「震災からけなげに立ち上がろうとしているトモダチの土地を
侵略するチャイニーズ」
さらに河村たかし名古屋市長の南京発言を理由に、スポーツ
交流を中止し、ついでにというか大切なことですが、北の
ミサイル発射の時もしっかり、日本の領海ちかくを中国は
うろつき実効支配の布石を打ち、それに対して、無能以下の
売国奴が政権中枢を握る日本政府を舐めきっているこの
時期に打ち上げたミサイルの意義はとても大きいのです。
これが国内で発言したらどうなっていたでしょうか。
メディアは総バッシングしたことでしょう。
昨日の「とくダネ!」など既にネットで叩かれまくっていますが
ネガティブな意見ばかりをあつめて、それが都民の総意かのように
放送しました。
今朝の「モーニングバード」でも都民の声として反対意見を
二人紹介して賛成は一人だけ。しかし、番組のアンケートでは
半数以上が賛成していました。ヤフーニュースの意識調査では
92%が賛成しています。
ところが「外交」や「経済」を理由にネガティブな要因を
ならべて世論を誘導しようとします。
アメリカという世界中に伝わるであろう発言、しかも
日本時間午前3時という報道各社が寝ぼけている時間、特に
ワイドショーが偏向編集を充分にできない時間を狙ったのは
お見事です。
外交を懸念するのはアンチ自民党芸人や、慎太郎嫌いや
左翼系のインテリ芸人で、どちらかといえば民主党マンセー
の連中です。
彼らに教えてください。あなた方がマンセーと唱える民主党
政府はこう言っているのです。
「尖閣諸島に外交問題はない」
だから、純粋に国内の土地取引に過ぎないのです。
さらには「経済」。これも鼻で笑います。
国破れても山河は残ります。しかし国が破れれば国民はいな
くなります。人が残っていてもそれは中国人か、他の誰かで
日本人ではありません。
経済も国家があるから存在するのです。「多国籍企業」とは
幻想に過ぎません。多国で金を稼いでいる企業が存在するだけ
です。
さらにネガティブキャンペーンのお粗末さを女優の東ちずる
嬢が教えてくれました。東京都の税金を使うことに抵抗がある
とした上で、
「石原慎太郎さんのご自分の金で買えばよい」
とのこと。個人から個人の所有に動かすのは政治の仕事では
ありません。これは個人と国家を混同する「プロ市民」的幼稚な
発想です。
都知事が買うといっても都議会がノーをつきつければ、
買うことができず、正当な民主主義のプロセスはこれからで
イヤなら反対運動をおこせば良いだけのことを、個人的な
問題にすり替えようとするのがこの連中の得意な論法です。
彼女にその意思があるかは分かりませんがプロ市民的な
論法を「普通」と思って使っている人は少なくありません。
それは「国家観」の欠如から来るもので、昨年来ネタにとり
あげようとして何度も見送っている「山本太郎」氏など、
その典型です。
都知事の行動を「国を動かすのが目的」という解説にも
違和感があります。遠回しなネガティブというか、布石を
打っている感じです。
それは
「国がちゃんとやるといっているのだから都は様子を見ろ」
とつなげるための。
しかし、国は何もやらないと宣言しています。
藤村官房長官の発言要旨です。
「必要ならそういう発想の下に前へ進めるということも十分
ある」
やるやる詐欺は民主党の基本技。菅直人の「退陣宣言」と
おなじく、どうとでも解釈できる発言をして言質を取らせず
時間を稼ぎ、時間切れを目指すのが常套手段。その視点で
発言を見るとやらないといっているのです。
先の要旨を民主党語から正しい日本語に置き換えるこうです。
「必要なら」→「不要なら国は土地を買いません」
「そういう発想の下に」→
「発想の“下”であり、発想そのものではない」
「進める」→「やる。とはいっていない」
「とうことも」→「だから別のプランもあり得る」
「十分ある」→「十二分ではないし、可能性を語る慣用句」
つまり東京都が手を下ろせば、検討と社会実験を繰り返し
た末に何もしないという宣言です。
国内の土地取引で、国防のため領土のために国家が買い上
げるのなら野田総理が命を懸けなくても、国会承認をすんなり
得られます。反対するのは社民党と民主党の国賊ども・・・
あ、これが多数派でやっぱり無理でした。
都民の税金という話しですが、一説によれば島の値段は
10億円といわれています。すると、対象の島に国が払って
いる「レンタル料」は年間で2450万円ですから、年利と
すれば「2.45%」。
普通預金は言わずもがなで、10年ものの国債で0.64%
ですから、国債並みの利息を期待したとして38億円までなら
損のない投資としてみることができます。
さらに都民として夢のある話しをすれば、海底油田を掘り当て
「TokyoーOIL」
として販売した日には、産油国のように無税国家になる
可能性だって捨てきれません。それに6兆円を誇る東京都の
歳入からみれば数十億の投資などたかがしれています。
また先の偏向報道では、
「税金は自分たちに還元しろ」
という意見を採り上げていましたが、これなど民主党の
子供手当と同じです。まず自分が欲しいという我欲の現れで
還元しろと主張するほど税金を納めているのでしょうか。
また「東京都が買う必要があるのか」という意見は正論のよ
うですが、これも「国破れて地方自治」なしです。国家の危機に
東京都も足立区も舎人町会もありません。
尖閣の次は沖縄です。そして既に新潟県では土地を奪われ
ています。正確には購入したのですが、外交は相互主義という
原則があるなかで、日本は中国で土地を買うことができないの
で事実上の領土侵犯です。言葉を抑えても中国のやりたい放題が
進行中です。
そこに、久しぶりに痛快な政治ショーをみました。
「尖閣購入は国内の土地取引」
なんの問題もありません。問題があるとすれば、国内の
報道と政府の無策だけです。
最後に予言を。
尖閣諸島の購入に際して猪瀬直樹東京都副知事は、
「寄付」
も検討しているといいます。
そして本当に寄付が集まったときに、こういう人がでてくる
ことでしょう。
「体制に私財を提供って・・・あるで戦中のお寺の鐘を差し出す
あれみたいでなんかヘン」