円が81円台に突入したのに政府は動きません。
もう飽きたのですが大切なことは繰り返し指摘しなければならな
いと痛感しているので今日も述べます。
「無策」
説明不用の民主党政府の経済政策です。さすがに1年を経て
「経験不足」あるいは「初めてのことなので」
という言い訳を当事者である民主党の「先生」も口にしなくなり
つつありますが、政権のツートップが自由主義経済を好ましくない
と思われる「出自」ですから、無策という戦略なのではないかと
みるのは穿(うが)ちすぎでしょうか。
それは「日本経済破綻。その後の社会主義革命」。
「雇用、雇用、雇用」とアニマル浜口なみの連呼と重なり
私に幻聴が囁きます。
「みんなで貧乏になろうよ」
貧乏がイヤとはいいませんが、貧乏でいいやという心構えを
理解する価値観は持ち合わせていない、というより無策を開き直る
心根を侮蔑します。
今回もそもそも論。社会編です。
訳あって今月から15才の甥を預かっています。昨年亡くなった
最愛の姉の子供です。姉弟といえども思考回路と行動様式は異なり
姉の衣鉢を継ぐ甥もまた違う価値観で生きてきましたので、いまは
毎日が真剣勝負で心の安まる暇がありません。飽きても繰り返し指摘
しなければならないとは、この甥と対峙して身に染みている言葉で
中学3年生男子が「虫けら」のようないきものであることは、
自身の経験から知ってはいましたが、虫にも色んな種類がいるのだ
という当たり前に気がつきます。
甥がわが家にきた最大の理由は「高校受験」で、現在の成績から
結論づければ「南海キャンディーズ」の山里亮太さんが、上戸彩さん
との結婚を望むようなほど困難で、ひとことで言えば「無謀」なの
ですが、しかし、叔父としてできることがあればと、監視下において
勉強を促しております。
その甥が勉強に煮詰まり散歩に行きたいというので、帰宅時間を
指定して許可しました。帰宅した昼食時、ねぇおじさんと切り出し
ます。コンビニ店員の態度が悪いと口と尖らせます。
コンビニに立ち寄った理由を尋ねると「立ち読み」で、勉学のた
め漫画を規制していることは本人も了解済みで、どうしても欲望を
抑えられないのであれば、15才なのだから叔父にばれないように
やる知恵を身につけろという不用なアドバイスを飲み込み話を聞く
ことにしました。
立ち読みが終わり店を出ようとしたら、店員に呼び止められ
雑誌の戻し方が悪いと注意を受け、その注意の仕方が見下した上に
揚げ足を取るようだったと彼は主張します。
2冊ほど読んだ雑誌をひっくり返して背表紙が見える状態で戻し
たことを注意されたのです。彼の主張をそのまま並べるとこうです。
・ひっくり返したのは、わざとやったわけではないが、この点は
反省していた
・「誰が戻すと思っているんだ」と頭ごなしに「文句」を言われた
・「分かってるのか? あぁ?」と喧嘩を売っているようだった
彼は私に非難の言葉を期待しているようでしたので、本質を
つくことにしました。
「●●(甥の名前)さぁ、『俺は客だ』って意識ない?」
鳩が豆鉄砲を食しましたので続けて
「客に対しては年齢が上か下かは関係なく丁寧に接しなければ
ならないと思っていない? 例えば幼稚園児に対しても?」
あきらかに動揺しています。そこで例を持って説明を試みます。
ハンバーガーショップで友達と大騒ぎをしていたら店員に注意を
された。客に注意したと店員を小馬鹿にしたいると、店に入って
きた2コ上の超怖い先輩がその店員に向かって
「お久しぶりっす」
とビビリながら頭を下げる。注意した先輩は「伝説のヤンキー」
で、いまは更生して真面目に働いているが舎弟の数は1000人
を超え、影響力はいまも健在。
「●●、おまえこのあとどうなると思う?」
と問いかけ、続けて
「先輩にぼこぼこにされる可能性もあるよね。つまり、そこで働
いている人がどういう人間かは分からず、客だからと横暴と傲慢
を通せば、どんな痛い目にあうか分からないんだよ」
イメージが彼を支配します。理解力が悪いのが難点の彼ですが
その分、理解すれば表情にでるので理解度にあった話ができると
いう利点もあります。ここまでは理解したのを確認して話しを
すすめます。ちなみに「恐怖」を連想する、寓話をもちだしたのは
彼が些細なことで暴走して人生を損しないためです。恐怖は生物の
生存確率を高めてくれます。
そして、そもそも論です。
そもそも立ち読みは良くないこと。
クエスチョンマークが見えましたので訊ねます。
「読み潰されてよれよれになった週刊少年ジャンプをわざわざ買う?」
かぶりを振ります。店先に並ぶ雑誌は商品です。立ち読みとは
その商品を汚す可能性がある行為で「試食」としては認められて
いても、「食い逃げ」は歓迎できるものではありません。かつて
の書店は伝説の武具「はたき」で「本の食い逃げ」を追い払った
ものです。
「いまは立ち読みを奨励する書店もある」
というのは個別のサービスであり、それをもって本質をすり替
える主張に同意しません。「沖縄そば」をもって日本全国の「そば」
を語ることに無理があるようにです。
さらに「そもそも論」を語ります。
「肉屋があるから肉が買える。八百屋があるから野菜が買える」
分かりやすい。おっちゃんなにをいうてんねん。関西弁で
モノローグいれたくなるほど、表情から考えていることが読み
取れたので
「肉屋がなければ養豚場に出向いて、『肉100gくれ』といって、
『へい、毎度!』と、生きている豚から肉を切り出すことが
できる?」
もちろんできるわけがありません。つまり、肉屋があるから
肉を手軽に購入でき、八百屋があるからネギとキャベツを一箇所で
買えるのです。そして、そもそも好ましくない行為であると
再度念を押した上で
「コンビニがあるから漫画を・・・立ち読みできる」
と原点回帰させます。だから、彼はコンビニの存在に感謝すべ
きで、コンビニの店員さんの労力を増やすようなことをして
注意されるのは仕方がないと結論づけます。
話しからするにこのコンビニ店員も、誉められる態度では
ありませんが、「そもそも」の話しを理解していなければ
本質への理解は進みません。
で、この話しを彼にしている最中に何度も繰り返したことが
「いまはやる人多くなったけど、本当はいけないこと」
やるとは立ち読みや客が横柄な態度を取ること。
これは私なりの仮説。漫画の立ち読みに関してはコンビニでは
奨励している向きもありました。客がいるという賑わいというの
は模範解答ですが、雑誌や書籍は「返品」できるので、立ち読み
により「よれよれ」になっても店の負担は少ないのです。ゼロで
ないのは商品管理コストと、売り場面積のロスによります。
こうして次第に立ち読みは常態化し、ときには「座り読み」に
まで発展し店の品位を落とすに至って、規制する動きがでてきま
したが、書店が街から姿を消し、漫画誌はコンビニで買うものと
いう常識で育った世代にはそもそも
「立ち読みが好ましくない行為」
であることを理解できなくなったのではないかということ。
つづけて客の横柄については、権利意識を洗脳する日教組教育
が咲かせた大輪のラフレシアですが、加えて「ファミレス」の罪
もあるというのが私の見立てです。
「子供にもかしずく接客マニュアル」
の存在です。これにより客に接する態度が全国に広まりました。
かつては「高級レストラン」の接客だったものが、大衆化し
それを他業種が導入して、常識が塗り替えられたのではないかと。
しかし、「そもそも」、店も客も立場は対等です。
店はお客様に感謝する心を持ち、客もお店に感謝を捧げるもの。
と、甥に語ると、なるほどと晴れやかな顔に。失われつつある
「そもそも」を理解することで、社会の不条理や不可思議に気づ
くことができれば、これからの彼の人生に大いなる貢献をする
ことを期待しています。
そして続けます。
「おまえの話を信じるなら、その店員の態度も悪いね。
たぶん、子供だからと偉そうに言ったのかも知れないね。
まぁそういう人もいるのだけど、どうしても腹の虫が治まらな
いなら、今からコンビ二にいって、他の人が立ち読みして、
同じ注意をしなければ、『店員さん、どうして注意しないの?』
と訊ねてご覧。それでおまえを睨んだり、文句をいったりした
らその時は叔父さん、喜んで喧嘩を買ってあげるよ」
甥は数秒制止した後、「いや、いい」と、叔父さんのそもそも
厄介な性格を思い出したようでした。