有限会社アズモードの代表として、あるいはコラムニストとして。
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
この使い分けを他人事のように眺めている自分がいます。
さて、早速本題へ。
一昨年話題となり、今年は「政府公認」となった「派遣村」に
ついて述べる前にひとこと。
「対応に当たった役所の職員の皆様、ご苦労様でございます」
久しぶりに述べますが私は「是々非々論者」。役員をあげつらい
ますが、誉めるべきは誉めねばフェアではありません。
対応に当たった職員に不平不満を述べる「村民」をフィーチャー
して後手に回った対応をマスコミは責めます。
以下の数字は何でしょうか?
72、53,32。
答え、毎日ドットjpの報道から拾った村民の年齢です。
確かに72才ともなれば再就職は厳しく、これは弱者救済の
視点からのフォローが必要でしょう。ならば53才は。
詳細は報じられていませんが、住宅リフォーム会社が倒産して
路上生活をしているとあります。
・・・いまどき、会社が倒産するのは珍しくもなく、この論理で
いけば何万人が路上生活者にならなければなとつぶやいてみます。
そして32才。経緯には触れておらず、以下のようにコメントが
紹介されています。
“ネットカフェなどを転々として所持金が500円になった
男性(32)は「めいにお年玉をあげられないのが残念」と
肩を落とした”
下記サイトより引用
■公設派遣村:宿泊者が700人以上に 閉所後に不安も
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100101k0000m040042000c.html
この記事を読んで「(笑)」を探してしまいました。
生活に困窮し、お上のご厄介になっている身の上で、姪への
お年玉を心配し「肩を落とした」など、私の知人なら「説教」する
所です。
私にも可愛い姪が二人いるので気持ちは分かります。
私ならこの500円で与えられるだけのことをするでしょう。
例えそれが一個10円のチロルチョコ1個だったとしても。いや
金がないのなら、紙切れにイラストを描いたり、ドングリでコマを
作り楽しませるでしょう。あるいは
「オジサン、いま旅に出てるから」
とあげないですみ、彼女をがっかりさせない理由を考えます。
しかし、それすらできない・・・いや、人の考えをあて推量する
下品をご容赦願えるなら、彼はこう考えたのではないでしょうか。
「お年玉=現金。それも格好がつく金額はあげたい」
自分のケツを拭くにも困っている時に、親戚の便秘を気にします。
一事が万事。言葉に行動が透けて見えます。
会社が倒産し、路上へGo! した背景に、未来への準備不足は
否めないでしょう。一方、公務員の皆さんは、職場の人間関係にも
耐えながら毎日を過ごし、庶民の連中から非難されながら時に汚れ
仕事でも我慢しています。いや、庶民である民間企業の会社員の
大半が楽ではない日常の中から、多少の準備はしているものです。
ところがそこは棚上げされ「500円しかない」と肩を落としても
そこに「(笑)」がつきません。
ただし、一方的に「村民」を責めるものではありません。特に
最近の「報道」は不偏不党どころから、「決め撃ち」傾向が顕著で
「村民=可哀想」
として記事とされているのが透けて見えるものもあるからです。
しかし、その中でこれだけは言っておきたいことがあります。
「派遣じゃねぇし」
一昨年の「派遣切り」というより「倒産」や「リストラ」が
報道で目立ち、これについては「政府参与」となった元派遣村
村長もあえてかどうかは分かりませんが言及しないのが不思議です。
そしてこんな報道もありました。とある「村民」の苦情です。
「職員はよくやってくれている。
でも、方法は教えてくれるが何もしてくれない」
(笑)。もちろん、これも「可哀想」という切り口です。
住所がないので生活保護も受けられないという箇所での発言です。
ちなみにこの件でテレビ朝日のコメンテーター川村晃司さんは
「東京都が」
と生活保護の面倒をみろという主旨の発言をされていましたが
東京都はその下の市区町村がみており、我が町足立区はこの費用が
財政を苦しめています。
そしてこれこそが先の発言の核心で、東京都職員が市区町村の
裁量に関することに口を出せず、住所が決まらなければそれ以上
踏み込めないのは当然ことです。
仮に「住所不定」のまま生活保護を申請する・・・その申し込み
プロセスまで東京都の職員が「代行」したとしたら「憲法違反」
となるリスクを背負うことになるのです。
東京都内で生活保護を申請するためには「居住地(住所)」を
決めなければならず、「本人の意思」ではなく申請した場合、
「居住移転の自由」
に触れるかもしれないのです。後になって職員が勝手に住所を
決めたと、裏切られたら反証のしようがありません。
だから「方法」を示し、村民自らの行動に期待するのです。
日頃「報道の自由」を声高に叫ぶのに、他人の自由や束縛に
鈍感なのがメディアの悪いクセです。
いや、それすら・・・つまり書類を書き、提出することも
難しいほど「困っている人」達なのかも知れません。
しかし、憲法に抵触するリスクを、地方公務員に担わせるのは
残酷ではありますし、何より日本国民として見逃してはならない
ことです。
ならば・・・です。
政府の号令で始まった「公設派遣村」ですし、参与として
前村長もいます。
「小沢チルドレン、及び民主党議員が届け出を代行しろ」
小沢詣でも結構ですし、勉強しなければならないことも
多いのでしょうが
「国民の生活が一番」
と謳って当選したのです。村民ももちろん国民。です。
大挙して中国にでかける暇があるのですからできるでしょう。