母国へ帰りたいが帰るに帰れない

 アメリカでは新政権誕生から100日を「ハネムーン」といい
批判を控えるといいます。自分たちで定めたルールに則り選ばれた
のである以上、まずは仕事をやらせてみる、その間は足を引っ張ら
ないという健全な思考です。

「だから日本は」という自虐論調に唾棄しますが、残念ながら
我が国では就任翌日から「あら探し」が始まります。これに対して
小泉純ちゃん政権以降を

「国民が選んでいない」

と足を引っ張る行為を自己弁護する評論家やら識者がいますが、
これは「論外」。日本の政治制度上、最大与党の党首がなるのは
自明で、以前も指摘しましたが、小泉さんは前回の選挙戦の最中か
ら「任期満了」を区切りとすることを明言していたのですから、
つまりは今の「ぐだぐだ自民党」も国民の選択以外の何者でもあり
ません。

しかし・・・という声を上げたい人はどうぞ、今から次の選挙に
向けて活動してくださいな。それがこの国のルールです。

3ヶ月間は麻生政権を批判しないとして今日が解禁日。

ところが私の価値観から今批判すべきは、麻生総理を生み出し
たくせに手のひらがえしで文句を言う連中や、

「そもそも麻生を支持していなかった」

という民主主義の手続きを軽んじる自民党議員です。
どの党が政権をとるかを棚上げにして、形勢が不利になると
立場を変え「そもそも論」を持ち出す人間の議員バッジはこの国に
害悪以外のなにももたらしません。

またそういった卑怯者に二世、三世、親戚が多いのは

「麻生より俺の方が賢い」

と思う傲岸不遜な本音からでているのでしょうね。

しかし、まぁ麻生総理にいいたことはあるわけで、押っ取り刀で
参戦しようと先週末から楽しみにネタを選別していたのですが、
誉めます。だっていいこといいったのですから。

是々非々。悪いことを指摘するなら良いことは誉めます。

太郎ちゃん・・・もとい、麻生首相の話しはのちほど。

派遣労働者の首切りに加えて、今度は外国人労働者の「不幸話」
が取り上げられます。今朝のフジテレビ「とくダネ!」にて。

ブラジルから渡ってきた労働者が派遣切りを受けて路頭に迷い
住所不定からその子供達が学校にも通えずに可哀想。しかも、
借金(50万円)して日本に来たから、母国に戻ったら返済でき
ないし、また帰る金もない。

てな構成で報じられました。

日本語のしゃべれない可愛いお嬢さんの「かけっこがしたい」
というテロップに可哀想にという感情が湧き上がることを否定し
ません。

が、おかしなことが幾つかあり、これは昨今の派遣切り、
契約停止・終了社員問題に通じます。

出稼ぎ外国人労働者の問題を分解してみます。

まず、日本に来るリスクとメリットを天秤に掛けた上での
選択で、不景気を混ぜて論じることは不公正で不誠実です。

日本で働き送金し、フィリピンの実家にはお手伝いさんがいた
フィリピン人を知っています。彼女は最初は水商売をしていまし
たが、一定額が貯まって以降は日本人のおばちゃんに混ざって
パートをしていました。

母国では手に入れるのが困難な「ビッグマネー」をもとめて
やってきたのです。不幸に同情はしますが、これを会社や社会、
日本国政府に責任を求めるのは異常です。

ステレオタイプな意見として

「外国人労働者に助けられていた」

というのもあり、事情や状況においてはその面がありますが、
ならばさらに安い労働者を求めて、製造業が海外に拠点を移し
問題となった「産業空洞化」はどこにいったのでしょうか。

出稼ぎ外国人労働者を安く雇用しているという批判もありま
すが、彼らの生活費は「高い円」で賄うことを考えれば、この
論に全面的に賛成できません。

そして真冬にノースリーブで出演するエコ女優「高木美保」
さんはこういいました。

「労働者がいなくて困っているときに助けて貰って、
景気が悪くなれば外国人を切り捨てるのは人としてどうか」

これは発言をまとめたものですが、この後に苛立っている
とまで添えていました。

本当にエコを語る人は「地球市民幻想」という不治の病に
罹っているかのようで吹き出してしまいました。

「同国人と他国人を区別するのは当然のこと」

外国人への差別を認めることはしませんよ。ただ、世界の
常識を述べているだけのことです。私見を申せば、こんな時
だからこそ、日本人を犠牲にしても外国人を助けることも
「美学」としてありだと考えます。

それが国家を侵略されて略奪され、民族のアイデンティティーを
破壊されているチベット人などならば。しかし、単純に金を
稼ぎに来た人と同胞を同じ扱いにという主張にはこう述べるでしょう。

「あなたは幸せな人生を送ってきたんですね。
それは素晴らしいことです。だからあなたの幸せを犠牲にし
ても彼らを救ってみてはいかがですか?」

身銭切ると分かることは沢山あります。

ただし、いわゆる3K仕事(かというと違う気もしますが)
や日本人が就きたがらない職にいた事実についてはこれまた
重要な報道の矛盾があるので少しお持ちください。

外国人労働者についての最後はこれです。

「母国へ帰りたいが帰るに帰れない」

ってこれは母国の仕事でしょ?
日本国政府の仕事でしょうか。
災害や戦争などでの事案ではありません。

そして日本人が就きたがらない職に外国人がという話しです
が、論理矛盾が起こります。

ハローワークで吠えます。「仕事がない」。
太郎ちゃんが助言します。「やりたいことをみつけろ」。
メディアが放言します。「首相は分かっているのでしょうか」。

渋谷のハローワークに緊急視察に出向き、そこにきていた
若者の相談に乗るというパフォーマンスをしました。少し話しを
聞いて

「何をやりたいかをちゃんと伝えないと相談される方も困る」

と助言します。この言葉を捉えて、私の知る限りテレビ朝日と
TBSは嬉々として揶揄していました。特に顔出しで取材に答え
ていた女性の発言は秀逸です。

「なんでもいいけど仕事が欲しいと思っているのに分かっていない」

のようなことをいいます。

前段に戻しましょうか。

「日本人の就きたがらない仕事」

がありました。そこには就かずに派遣や契約社員をしていた
とならないでしょうか。だとすればやはり

「俺様が輝けて充分な給料を貰えて将来も安定している仕事」

が無かっただけではないかと考えるのです。

さらに介護の現場やサービス業は今でも人手不足です。

「何でもいいなら仕事はある」

のです。
麻生総理のアドバイスはまさに「至言」です。

あなたが雇用主で考えてください。

「何でもいいから御社を志望しました」

こうくる阿呆を雇う社長はいません。
例え未経験でも

「この仕事がやりたかったんです」

なら、その仕事で飯を食うプロとしては悪い気持ちはしません。

「給料安くてもウチで修行するか」

という浪花節な会社だってまだまだあります。中小や個人
経営を探せば。

社員採用は福祉事業ではありません。
戦力になるか、将来戦力になる見込みのあるものが欲しいの
です。

将来のことは誰にも分かりません。しかし、現時点の気持ちは
通じ合うことができます。そこで

「何をやりたいか」

が重要になります。また厳しいことを重ねるようですが、
会社員と中間管理職、そして現在経営者の立場としていいます。

「会社に入りたいだけのものは雇わない。
仕事をしてくれる人を雇う」

労働者弱者。これが現代マスコミの不文律のようです。

昨今の報道をみるにつけ、この国の選択した社会制度に首を
かしげ首相を誉めることにしました。

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