今年の流行語大賞に○○力

登校直前、子供に教科書が見当たらないと言われたら、あなたは
どうしますか?

今朝の読売新聞に掲載された広告です。
光文社の新刊広告で書籍は

「友達力」で決まる! 親野智可等(おやのちから)著
http://www.as-mode.com/check.cgi?Code=4334975178

覚えていたら超「言えないこと」マニアだと思いますが、
遙か昔、メルマガの相互紹介した「親力で決まる子供の将来」の
発行者で今やベストセラー作家の最新刊です。

二つの答えから選ぶ形式です。

A)「ここは困るのもいい薬だ…」と思い、あえて放っておく
B)とりあえず一緒に探す

さて、あなたならどちらを選びますか?

コピペというよりは無断複製に近い、引用ブログが氾濫している
ので、原文転写は極力避けていますが、とりあえず「答え」を
新聞に掲載されているまま打ち込んで紹介します。

■答え Bです。ぜひ子供のピンチを救ってあげてください。
そのあとで親子で具体的な改善策を考えましょう。
放っておくことは、滑って転んだところを踏みつけるようなものです。
このような「自業自得」方式で親に育てられた子供は、他人にもその
方式を応用するようになり、思いやりのある子になれません。

ふぅ。
さて、どう思いますか?

書籍を読んでいないので「中身」はともかく、この広告の問題に
はいくつかの「問題」を含んでおります。

まず、「本旨」に当たると思われる部分ですが、ピンチになったら
助けてくれる親の存在は子供の依存心と依頼心を見事に育て上げ、

「上手くいかないのは他人のせい」

という若者を育てる土壌となる危険を孕んでいます。
思いやりがあっても一番思いやっているのは「自分」の場合、
この思いやりはなんでしょうか?

答えを要約すると

「自業自得方式で育てると思いやりのない子になる」

とありますが、これは論理のすり替えです。
思いやりはとは他者を尊重し、愛情を信じられる所から生まれます。

己の行いの報いとは別次元の話しです。
昨今の流行言葉を用いるなら「別レイヤーの議論」。
レイヤーといっても髪型とは無縁です。

また、思いやりとは助けてあげるだけではありません。
その子、または他人の将来を本気で思いやったときに

「突き放す」

ことが必要な場合もありますよね。
書籍は著者の主張もありますが、出版社や編集の意向に添うことが
ありますので、著者の本旨かどうかは分かりませんが、この問題だけ
を見る限りでは、親への依存心を高める

「子供のペット化」

を促進してしまいます。

そして次の問題。

「前提条件が皆無」

確かにピカピカの小学1年生に「自業自得」を教え込むのはハードルが
高いかも知れませんが、この子どもが小学校高学年ならどうでしょうか?

この本を読んだ「悩める親御さん」の年齢は幾つを想定している
のでしょうか。

自慢には全くなりませんが、私の小学校4年生の時の異名は

「忘れ物チャンピオン」

連帯責任で同じ「班」の同級生に迷惑をかけてしまいました。
週単位でも学期単位でも1位か2位が指定席です。
それは18年間変わりませんでした。

私の忘れ物癖が直ったのは、父が亡くなり一人暮らしを初めて

「自己責任」

と向き合ったときです。
電気代を支払い忘れれば明かりのない部屋で夜を越すしかなく、
水道が止まれば、トイレの水も流せません。

まさしく「自業自得」。

自業自得方式などと綴っていますが、これは自己責任という
社会を構成する一員として備えておかなければならない心構えで
これは学校の仕事ではなく親の躾の範疇です。
いや責務・・・製造者責任でしょう。
本来ならPL法で明記するべき責任です。

そして最後が引っかけ手法を使っている「問題」です。

A)「ここは困るのもいい薬だ…」と思い、あえて放っておく
B)とりあえず一緒に探す

もっともらしい理由を並べて、しかも「台詞」で感情移入しやすく
しておいて、Aに誘導します。「あえて」という気づいているけど、
子供のためを思っての放置プレイなんだよととどめを刺します。

Bは「とりあえず」で甘やかすのですから論外。

と、思いきや・・・答えはB。ビックリして読み進めて最後は

「なるほど。思いやりか」

論理を「思いやり」にすり替え、Aと思っていた人をギャップから
スゴイと思わせるのです。

ヤクザや詐欺師が得意な引っかけ手法です。

これを弱っている親御さん、「答えがある」と迷走をしている
人が見たら飛びつくんでしょうね。

社会に出たら「ある」答えよりも、「作り出す答え」のほうが
遙かに多いのですが。
これは子育ても恋愛も、人間関係も自己実現も。

この「問題」ですが、角度を変えて 躾という面から見れば、

「教科書は前夜にランドセルに入れて用意しておく」

が大正解です。少なくとも昭和の頃は。

広告なので目くじら立てるのも大人気ありませんが、これ以上

「自分だけが好きな日本人」

が増えるのは耐えられないので苦言を呈してみちゃいました。
思いやりという美名を冠して、自業自得を教えないのは

「因果応報」

とい仏の教えにも反しますし。
優しい人は自分に向き合ったときが一番優しいのです。

もう2年以上前になりますが、相互紹介をしたのは先方から
依頼メールがあったからでした。

当時の肩書きは「現役教師」でした。

そのころ私の「相互紹介基準」は公序良俗に反しない程度。

一応、まぐまぐにいって中身を見ましたが、当時から私の
考えとは相容れないものでしたが、

「考えようよ」

がメインテーマですので、違う考えのメルマガを紹介するのも
ありかなぁと。

その後、メルマガがきっかけで著作を刊行され、ベストセラー
となり昨年の4月から「元教師」となったようです。

その方の最新刊のタイトルに「友達力」。

「親力」で世にでたかたの著作としては当然の企画でしょうね。

さて、ここで細木数子さんなみに

「ズバリ」

大予測を。

「今年の流行語大賞に○○力 入賞。受賞者 渡辺淳一」

鈍感力、女子力、そして友達力。

いま、「力(りょく)」がブームです。

有り体に言えば「気づき」と同部類の、怪しい言葉なのですが
名前を作ることにより、さも存在があるかのように見せます。

鈍感力など笑止千万。
感じる力が鈍いから鈍感なのです。
頭痛が痛いのようなもの。
なんで誰も突っ込まないかが不思議です。

大作家様だからでしょうか。
「愛の流刑地」はフランス書院からだしても遜色ない作品です。

だたし、これは便利なのです。

「○○力」

とつけるだけで「企画」が成立するので、出版界も放送界も
飛びついています。

捏造が見つからなければ「あるある」あたりが

「ダイエット力」

などとやっていたかも知れません。もう既にやっていたら
ゴメンナサイ。

今年来ます。力(りょく)ブーム。

ちなみに、細木数子さんぐらいの精度の予言ですが。

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