株価急回復の理由は売り方の手じまいか

 評論家というのは楽な商売だとつくづく感じた今日の株式市場。起こっている現象について語るだけで、論拠も根拠も又借りでOK。と、いうわけで、今日の日経平均株価の「爆騰」について素人評論。なお、株式投資歴は前回の申年から。

 そもそも論で言えば「売られすぎ」であることは、PERが13倍台でPBRが民主党政権時代のレベルにあることからも明らか。中国経済の失速が叫ばれていますが、日本の輸出依存度はGDP比10%ちょっとで、輸出入共に3割を大きく越えるドイツと比べて「内需国」であるのは明らかです。

 さらにそもそも論で言えば、暴動やデモ、中国による尖閣侵略により、対中取引は減少しており、中国が崩壊すれば無傷ではありませんが、これほど影響を受けること自体がおかしな話し。とはいえ、理屈どおりに株式市場が動くなら、経済学者はみな億万長者になっていることでしょう。

 中国経済の先行き不透明は確かながら、売られすぎの説明には十分ではありません。円高方向に動き、日銀の防衛ラインと見られている115円ですが、しかしこれも1年前の水準で、その後の企業業績の伸びを勘案すれば、やはり株価は売られすぎです。

 オイルマネーが手を引いている。とは本当でしょう。アラブの産油国は、諸説ありますが、70〜80ドル以上を望んでおり、米国が採掘するシェールオイルの採算が50ドルで、これを叩きつぶすための原油安は仕方がないと思っていたら、その半値に近い30ドル割れともなれば、資産を取り崩しての手当が必要となります。

 端的に言えば手持ちの現金が少なくなったので、利益の乗っている株式を売り出したということ。需給面から株安になります。しかし、こちらも手持ちの株を売っているのですから、下がるのは在庫分まで。

 ならば、どうしてここまで。そして今日の急反転。

 株式番組に登場した関係者の話に納得します。

「売り方の買い戻しだろう」

 今週に入ってから、ずっと言われてきたことです。売り物がなくなってきて、あと2〜3兆円ぐらいで底をつく。売る物がなくなったら反転するよね。

 ただ、経験則からの数字は、すでに先週に達しており、達していたからみな不信感に苛まれていたのですが、昨夜のECBドラギの「追加緩和」を匂わす発言。

 また、前場、上げながらも後場にくずれた昨日は「甘利ショック」との声も聞かれましたが、甘利大臣の金銭トラブルで、夏の参院選で自民党が負けることでもあれば、経済政策はガタガタになるのは、市場関係者なら誰でも知っていることで、自民党以外を一切信用していません。

 だから売られた訳ですが、一晩経って冷静になれば、甘利スキャンダルが深刻となれば、それを払底するほどの「経済対策」をうつのが自民党の伝統。さらにECBが追加緩和をするなら、黒田もバズーカを撃つかも。ならばと、FRBのイエメンが利上げを見送る公算は高く、諸々の事情を勘案すれば、この先「売りポジション」を持ち続けているのはリスクが高すぎる。で、処分。

 売り方とは、株を証券会社などから借りて売り、いずれ買い戻して返却し、その差額を得る投資ポジション、スタイルです。この半年ほど、売り方はずっと大勝利。とにかく売り注文を出せば、最短では翌日、おそくとも3ヶ月以内にそれ以上の利益がでていたのです。

 ただし、この売り方というスタイルはリスキー。買いから入る場合、その株が0円になっても損するのはその購入金額まで。1万円の株が0円になっても1万円が消えるだけ。反対に売りからはいった場合、その株が下がらずに上がった場合、上がった分だけ無限大。1万円で売った株が、100万円に大化けすれば99万円の損失になるリスキーなスタイル。だから、リスクに敏感。

 充分に儲けているなら、何が起こるかわからない週末を避けポジション整理。売り出していた株を買い戻しておく。こうすることで心静かに週末を過ごせます。

 前引け間際に上げ、後場が開いた直後は下がりながらも、上げ圧力が強いのを見極めると、さらに上げが加速したのは、やはりポジション整理、手じまいで買いが買いを呼ぶ状態へと。

 ただし、全部は売っていないでしょう。年末に売りポジションで仕掛けたなら1万9千円。まだ2千円以上の利益が乗っており、仮に1万8千円に続伸しても1千円の儲けがあるから。

 とにもかくにも、来週以降もまだまだ予断は許しませんが、売り方がポジション整理をしはじめたのであれば朗報です。

 

ブログ村に参加してみました。宜しければ右バナーをクリックしてください→ にほんブログ村 政治ブログ メディア・ジャーナリズムへ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください