現政権の言論弾圧への危機感は私も共有しています。それはジャイアンが右手を挙げれば、のび太が身構えるとするなら、ジャイアンは右手の取り扱いに注意しなければならず、権力への批判が民主主義の健全性に貢献する限り、権力者は言論に対して寛容さを第一としなければならないと考えるからです。
この視点に立ったとき、疑惑に対して裁判を持ちだす弁護種出身の政治家は軽率すぎ、選挙前の公平な報道へのお願いを、わざわざテレビ局の担当者を呼びつける、自民党に平家の影を見つけます。
この影が目立たないのは、単なる比較論で、民主党政権が目指した言論統制に比べて「マシ」なので気がつきにくいだけのことです。そして、どちらがマシかではなく、どちらもダメだと指摘するのがメディアの仕事であるべきです。
が、これが機能していないので「言論弾圧」が実現してしまっているのです。正確には「言論威圧」といったところでしょうか。
一方で、メディア側に落ち度がないかといえば大ありです。昨年の衆院選挙前の「お願い」にしても、我が身を振り返れば「アンチ自民党」を社是としていた朝日新聞やテレビ朝日の放送法違反は色濃く、日頃「正論」をかざしているだけに、その「正論」に破れた孤独なSMといったところでしょう。
以前、メルマガでも書きましたが、己の報道姿勢が不偏不党で、社会正義実現のために行っていると信じるなら、放送免許を取り消され、裁判を起こされても「自民党批判」を続けるべきだったのです。
そうでないのは「偏向報道」という「自覚」があったから。新年度に入った今日も発見。昼飯準備の台所での視聴のため、聞き覚えですが、こんな報道がテレビ朝日「ワイドスクランブル」のなかの11時45分からのニュース枠でありました。
沖縄県の有志や企業、県外の識者らによる「辺野古新基地阻止基金創設」を報じます。限りなくローカルニュースに近いのですが、反米も朝日新聞とテレビ朝日の基調カラーなので報じたのでしょう。残念なことは沖縄地方の有力スーパー「かねひで」の名前があること。
沖縄地方を旅行すると、利用するのは地元の「かねひで」と「サンエー」。「イオン」にも足を運びますが、関東の店との商品の違いを観察するだけで購入は先の2点のどちらか。できるだけ地元にお金を落とすためです。
かつて頻繁に通っていたのが「読谷村」で、国道からの道すがらにある「かねひで」を利用しており、こちらにシンパシーを感じていたのですが、今後は「サンエー」を利用することにします。
ちなみに地元伊興エリアのランドマークといっても過言ではなく、足立区には多くの店舗を構えるスーパーマーケット「ライフ」を、今はまったく利用しないのは、ここの清水会長が「民主党」から選挙に出馬したからです。
単なる政党の支持や、イデオロギーなら目くじらも立てませんが、「かねひで」も「ライフ」も、よりにもよってだからです。
話を戻します。辺野古の基金の後、
「本日、予算が国会で成立します」
と述べた後、「政治と金」の追究が不発だったと紹介します。野党の狙いは「辞任ドミノ」にあったとしますが、週刊誌報道ぐらいで首を取られたら政治屋などやってられません。
続けて
「国会は後半戦へとはいりますが、責め手をかくことが残念です」
と赤絨毯よりリポーター。発言は正確性を欠くかも知れませんが、趣旨はこんな感じです。野党民主党関係者の証言といった断りがないのです。これでは
「テレビ朝日の記者の感想」
です。
公共の電波を使って、与党批判の材料がないことを嘆く記者にリポートさせ、それを垂れ流すテレビ局を「不偏不党」とはいいません。
だから、安倍政権に言いようにあしらわれてしまうのです。冒頭で「言論弾圧」と書きましたが、お詫びはしませんが停戦します。いまの政権が行っていることは
「言論あしらい」
です。