先日、うっかりチャンネルを合わせた「報道ステーション」に、評論家を名乗る宇野常寛氏を発見。テロップで紹介された肩書きには「サブカルチャーに詳しい」とあったような気がしましたが、むしろ「特定のサブカルチャーにのみ詳しい人」、あるいは「偏愛的AKB48信者」と紹介すべきだと、ビールを飲みながら毒づきました。
そして前後は分かりませんが、古舘伊知郎氏の「誘導」からみるに、安倍政権の安保に関する内容で、宇野常寛は吠えます。
「(安倍政権に)外交を語る資格なし(発言要旨、以下同)」
スキャンダルまみれのAKB48以外にも語れるんだと、驚きながら続きを聞いていると、古舘伊知郎は
「改憲すべきと考えますか」
と切り込みます。
プロレス上がり故、というとプロレスファンから叱られるでしょうが、結論ありきの煽りをさせたら、流石とうなる白々しさは彼の持ち味。
宇野は改憲すべきと切り出し
「よりリベラルに改憲すべき。国軍を持っても国内から一歩もださないと明記するぐらいに」
バカかどうかはともかく、外交を語る資格がないのは宇野常寛であり、このレベルのものに改憲を問いかける古舘伊知郎でありテレビ朝日です。
宇野常寛の改憲論の「幼稚さ」は、彼のレベルにあわせた幼稚な例えで論破(という言葉を使うことも虚しくなります)できます。
「日本の領海から離脱した敵は攻撃されない」
敵からすれば、こんな安全な攻撃目標はありません。
日本の仮想敵国1位は中国です。
例えば尖閣諸島・・・ではなく、石垣島や宮古島、あるいは小笠原諸島に中国が「侵略」してきたとします。国防軍ならもちろん、防衛出動しますが、国境の内側で「交戦状態」にはいったとしても、日本の領海から離脱した中国軍には手出しをしない、できないということです。
外交も戦争も、幼稚園の鬼ごっこではないのです。空中バリアは使えません。
ましてや日本は四方を海に囲まれています。北からはロシアが、西からは中国が、その間からは北朝鮮が「ヒットアンドアウェイ」で攻撃してきても、逃げ帰られれば、その攻撃力を削ぐ手段がなくなります。
つまりは「拉致し放題」にも通じます。拉致をしても攻撃される心配がないのですから。そして経済制裁など無力となります。
宇野が年甲斐もなくAKBを語る分には気色悪いと感じても、その発言を否定はしませんが(近づきもしませんが)、公共の電波を使って日本を死地に追い込むことを見逃せはしません。
そもそも宇野常寛は「ミサイル」を知らないのでしょう。実際の近代戦では、潜水艦から発射するのが有効と考えられますが、敵地攻撃を禁じている国を相手にするなら、母国から堂々とミサイルを撃ち込めます。
経済制裁する日本など、ミサイルを撃ち込み恫喝すれば良いのです。
ミサイル防衛も精度が高いとは言え100%ではなく、「雨あられ」の如く、ミサイルを発射されれば防衛は不可能です。
そんな攻撃を、仮に中国がしたとして、国際世論が許すわけがない。とは限りません。というより、他国への攻撃力を否定する軍隊の方が世界の非常識ですし、AIIBを挙げるまでもなく、どの国もそれぞれの国益で動いております。
メルケルが日本向けに「脱原発」を呼びかけ、原発建設に走る中国で同じ指摘をしないのは、ドイツは歴史的にも反日国家で、現在の経済的結びつきからも親中であり、尚かつ同じ勤勉性を自慢とする工業国のドイツにとって、日本の国力が減衰する脱原発への誘導は国益に適うからです。
AIIBに英国、イタリア、ドイツが参加表明したのも連中の国益実現で、世界平和などは、国益と天秤に掛けるものですらありませんし、アジアで紛争がおきればそこで儲けようとするのが彼ら欧米人と中国人や半島人です。
宇野常寛の幼稚な発言に戻ります。
軍事力の神髄とは、一瞬で敵を殲滅することにあり、これは武道にも通じます。敵を一瞬で行動不能にするために、拳を鍛え、足技に励みます。
だからと、無闇に人を殴りはしません。ならず者ではないのですから。むしろ、そういう発想になるのは、いじめられっ子や、潜在的なサディスト、あるいは極度のナルシストです。前者は復讐のチャンスを待ち、後者は己の本能的な欲求と戦っています。そしてナルシストは、脳内フローラ(お花畑)と現実の区別がつきません。
軍隊を嫌うもの、攻撃力を完全に否定するものらは、端的に言って精神が幼いのです。
普通の感性と、人間としての成熟をしていれば、武力を手に入れることと、濫用することは直結しません。身を守るためには躊躇なく使いますが、もちろん、軍事力も同じです。
だから殴ったら殴り返される、かもしれない。この「かもしれない」という想像力が、見せかけ上の平和を作り出します。本当の平和など幻想に過ぎません。
バカとは言いません。しかし、現実を知らず、知らないオタクに政権を批判させる報道ステーション、とテレビ朝日。その変わらぬ偏向姿勢と脇の甘さが自民党をのさばらせているのだよ。と筆を荒らげてみる(という表現はありませんが)。
先頃、元フジテレビ社員で横領疑惑(本人は嵌められたと主張)により退社した長谷川豊氏が、TBSの「新・情報7daysニュースキャスター」で毎日新聞編集委員の元村有希子氏による、一方的な「見解」だけを披瀝したことを「放置」したことについて、これが続くようならTBSの電波を停止しろとブログで触れたことが、ネット界隈と左翼周辺で大騒ぎとなり、スポーツ紙に転載されるほどの話題になっていました。
両論併記を基本とするなら、長谷川豊の指摘はその通り。いままでが野放しに政権批判、ただしくは自民党攻撃をし続けてきたことへの、彼流の「アンチテーゼ」と「ジョーク」です。
大筋で同意します。
毎日新聞社様の社員様である元村有希子様(これを慇懃無礼といいます)と、アイドル評論家の宇野常寛氏を同列に並べることを棚に上げれば、現政権に対して「外交を語る資格なし」とまでするなら、「立派な外交をしている」と語る意見を紹介するか、宇野の珍説への現実的な視点からの指摘をするのが古舘伊知郎の仕事です。
もちろん、政権批判(アンチ自民党)バラエティとまで、オープニング映像で掲げるのなら、この限りではありませんが。
つまり宇野常寛ごときの珍説をもっての「政権攻撃」は、むしろ自民党に口実を与えるだけだということです。
私は是々非々の結果における消極的自民党支持者ですが、いまの自民党は確かに危険と警戒しています。言論への恫喝(まがい)など論外。その自民党に口実を与え続ける、テレビ朝日と朝日新聞は、まるで自民党の応援団、安倍政権のサポーターです。