視点の非凡さ、というかそこに彼女の感性を見つけ唸ったのが、ケネディ日砂恵氏の
“「軍隊と性」何がわかるのか”
売春が合法の国は多いと切り出し、
『ティファニーで朝食を』『プリティーウーマン』
を娼婦の物語と指摘します。売春を人権問題とするなら、軽やかに生きる娼婦を主人公とした娯楽作品が存在することに説明がつきません。
どちらの物語も「シンデレラストーリー」です。それとも、うす汚い資本家の豚に買われた悲劇の人生物語と解釈するのか。世界へ反論するにあたり、身につけておきたいウィットであります。
さらに米国様の決定に平身低頭するのは、左翼の方がより強く、保守派を対米追従と批判しながら、米国議会の決定に平伏しますが、
“意味のない下院決議”
と喝破します。その決議の数々を紹介し「くだらない」とまとめます。一例を引けば、
“アポロが月面着陸した場所に国立歴史公園を建てる”
“議員のスポーツジム利用を禁止”
“法案に目を通す”
などです。
表現の自由を最大限尊重しようとする米国らしいとはいえますが、日本的に言えば「いったもんがち」で、当然ながら拘束力はありません。だから「有権者対策」としての利用価値があります。なにせ「予算ゼロ」ですからね。
これを反日・抗日団体が利用し、国内のリベラル左翼、反日活動かが呼応して日本を貶める情報を再生産しているのが現状です。
櫻井よしこさんによる、百田尚樹氏と門田隆将氏、それぞれとの対談は、朝日問題を振り返るには役立ちますし、朝日新聞の体質を知る上で役立つことでしょう。
今月号でのわたしの「イチオシ」は、巨弾連載として始まった防衛大学名誉教授 佐瀬昌盛氏による
“朝日新聞とのわが四十年戦争”
です。
口汚く対象を罵る左翼の模倣犯のような「ネトウヨ」のそれとは次元が異なり、ユーモアを忘れず、しかし、肝心要の箇所はぴしゃりと叱ります。「切る」というより「叱る」と感じる懐の深さに、読後さわやかな余韻がのこります。
連載が進むに連れ、数々の「戦争秘話」が明かされることを期待していますが、朝日新聞の「声」に掲載された意見はもとより、その年齢層が若者に偏っていることに着目し、喝破します。
“「朝日」が何かにつけて引き合いに出す欧米の高級紙で、ローティーンやミドルティーンの投稿を掲載しているものがあるか”
もうひとつ、今月のWiLLで特筆すべき企画は
“バリバリの左でも『WiLL』を愛読”
と題して、弁護士の山根二郎氏、ジャーナリストの矢崎泰久氏の対談を掲載していることです。
保守とは特定の考えに固執するものではありません。多様な意見や主張の中から、最適解を選択していく姿勢で、最適解に左が含まれる可能性も排除しないものです。
他人の考えを排除するリベラルや左翼、あるいはネトウヨや極右との相違点とわたしは考えます。
対談はWiLLを時代の最先端と持ち上げて始まり、様々な事件を通じて人生を振り返り、次第に日本批判へと回帰し、自画自賛で終わります。
時代へのすり寄りと自画自賛。日本型左翼の典型例である「ご都合主義」を見つけニヤリ。
少し心配になったのは、プロフィール欄で「お仕事ください」と繰り返していたフリーライター三宮幸子さんの記事が掲載されていなかったこと。
売文稼業の末席を汚すものとして他人事ではありません。
■WiLL 2014年11月号 世紀の「大虚報」朝日新聞はケジメをつけよ!
http://www.as-mode.com/check.cgi?Code=B00NJ13G6M